この映画を見て一番「得した!」と思ったのは
「南総里見八犬伝」という、完成まで28年かかったながーいながーい
でも面白くて読み始めると止まらないと聞く物語を、
あらすじで見せてもらったこと!
いやよかったー。
滝沢馬琴の後半生をかけた作品をたった3時間強でわからせていただいて
(いや実際はもっと短時間だ、地の物語があるからね)
得したようでありなんだか申し訳ないようであり。
それにしても、内野聖陽という役者さんは大したもんだな。
56歳という年齢で、68歳の役所広司と同じ画面で一歩も引けを取らない。
葛飾北斎は馬琴の7歳年上ですぜ。
生真面目で融通の利かない馬琴に対して、
北斎は明らかにいい加減なくそじじぃ、その違いがわかる演技にしてある。
最近の映画でのいい役どころをほぼすべてもっていく、
「世界の役所広司」に演じ負けないとはなかなかのもの。
実は最近までこの人のことはぜーんぜん知らなかったんだけど、
ワシが大好きなBSの古い警察ものドラマでけっこう出ているのよね。
ハンサムとは言えない小鼻の広がった顔だけど「妙な魅力」があるな、と思ったら
ええ、その通りでしたよ。
実家は寺で早稲田の政経出てるって?舞台役者で妻はタカラヅカだって?
いやはや、末恐ろしいですな。
そして黒木華。
この女優さんも、最近ちょっと見れるドラマや映画には必ず出ている。
最初は「蒼井優に似てるけど少し地味か?」くらいの認識でしたけど、
なんか最近、明らかに蒼井優を超えてでかくなってますよね。
地味でまじめでちょっとうつむき加減の「フツー女子」をやらせたら天下一品。
「金麦」のCMもなかなかいいと思ってました。
伏姫をやった太鳳ちゃんにちょっとだけ感じる「わざとらしさ」がないのよね。
(太鳳ちゃんもいい女優さんだとは思いますけどね。)
見る前は「この長さの映画見るとその日は何もできないのよね」と
尻ごみしてましたけど、全然長さを感じさせないよい作品でありました。
「駆け込み女と駆け出し男」っていう映画が前にあったんだけどね。
二人の女が偶然同じときに駆け込み寺に向かって、という話ですが、
この女の片方が病気になって「八犬伝を最後まで読みたい」が最後の望み。
夏の暑い日、やっと最終巻が間に合って、人に読んでもらって
「やっぱりいい話だねぇ」と言ってこと切れる。
もう片方の女は戯作者になりたいという男を連れて
「知り合いで自分の名付け親」の戯作者の家に行くんだが、
これがなんと馬琴で、という物語でした。
あのときの馬琴は誰が演じたんだったかな。
(追記;山崎努でした)
あの映画を見て以来「八犬伝ってどんな話?」と思ってたので、
自分も今回、長年の望みがかなったってやつですよ。
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