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2023年05月12日06:41

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日本人の働く幸せ実感

仕事をしていて、幸せを感じることがありますか?パーソル総合研究所の調査で、働くことを通じて幸せを感じている日本の就業者は49.1%という結果が出ていました。これは、調査対象の18ヵ国の中で最下位の数字でした。ちなみに、下位5つの国はドイツ、香港、台湾、韓国、日本です。2023年4月に要因分析と結果が公開されました。

日本の働く幸せ実感はなぜ低いのかというと日本企業の特徴的な組織文化である「権威主義・責任回避」が就業者の働く幸せ実感を低下させているという分析結果になっています。上層部の決定にはとりあえず従うという雰囲気がある。社内では波風を立てないことが何よりも重要とされる。物事はオープンな議論ではなく事前の根回しによって決定される。

これらに当てはまれば当てはまるほど権威主義・責任回避の組織文化が強くなります。この権威主義・責任回避という組織文化の問題は、日本だけでなく海外でも存在します。ランジェイ・グラティ氏は著書「DEEP PURPOSE 傑出する企業、その心と魂」で、死傷者多数、補償や賠償も多額になった不良キースイッチ欠陥による米国自動車メーカーGMのエアバック不作動問題を取り上げています。

「醜悪な一大惨事」という見出しをつけられたこの問題の肝は「なぜ事件を放置したのか?」です。GMはキースイッチ問題を2001年には把握していました。しかし公式にスイッチ欠陥を認めてリコールするまで、2007年から2014年までもの間、問題をずっと放置していたのです。

原因の部品自体はたった10ドルと少額で、交換に1時間もかからないにもかかわらずです。その真因を突き止めるために新任CEOメアリー・バーバラが依頼した調査のまとめバルカス報告について、とある専門家が評した言葉がこの本には記載されています。

「官僚制の危険性に関する古典的な研究となっている。責任不明瞭、イニシアティブ欠如、問題を見つけて解決できない、会社にとっての大きな問題が目に入らず、悪い知らせが表面化するのを恐れている」さらに、ランジェイ・グラティ氏は次のように指摘しています。

「官僚制の便益はもはや、かつてほど明らかなものではなくなっている。速度と適応性より効率性と規則性のために作られた官僚制は、今日のデジタル世界では自重の下で苦闘している。私自身の研究では、自分たちの生存そのものがかかっているときにすら、官僚制が企業を内向きにして顧客を無視させる様子を追跡している」

かつて組織が官僚的であることは、統制のためには都合がよかったのでしょう。しかし、非常に速いスピードで進化していく現代のデジタル社会において、組織の機能として求められるものもまた変化しています。

ランジェイ・グラティ氏は、発達した官僚的組織から逃れるための4つのアクションを記しています。
 1.官僚的な心構えを打破しよう
 2.ある程度の境界は設けつつも、もっと自律性を認める機会を検討しよう
 3.協働の最初の側面である協調を拡大する機会を探そう
 (協調:社内の境界を越えて情報がスムーズに流れるようにする、その方法)
 4.協働の二つ目の側面である強力を拡大する機会を探そう
 (協力:お互いが信頼し一緒に働きたくなるように動機づける、その方法)

端的に言うと、組織は単に契約のつながりだけではなく、目的があり、関係と献身のつながりで結びついているのだから、それをもう一度思い出そうと説いているのです。「滅私奉公」「モーレツ社員」「24時間戦えますか?」「ジャパニーズビジネスマン」等。ジャパンアズナンバーワンは遠い昔になりました。

パーソル研究所の調査結果では、現在の日本は「自分とは考え方や好み、やり方が違う人とも積極的に関わる」という質問にダントツで否定回答が多い国であり、「所属組織に自分を捧げる」なんて真っ平ごめんとこれまたダントツに所属意識を嫌う国になっていました。

ここ数十年で「良い生活をするために十分な賃金を稼ぐ」を重視する傾向が強くなったのは、賃金が上昇しない世の中だったからでしょうか。「はたらく幸せ実感」日本は49.1%、一方、米国は79.3%。果たして10年後の日本は、権威主義・責任回避の組織文化を打破し、働くことを通じて幸せを感じられる国になれるのか? 

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