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2018年07月26日16:46

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エヴァンゲリオン二次創作 「ゼロ・チルドレン」 �� 「マケドの女たち」

七号タンクの液体のなかで半固体化していく少年と少女。
少年は少女の首を絞め、少女は少年の顔を睨み返している。
“何でおらがすかねなんだ”
“大すかね!”
ちきしょう、ちきしょう、と二人の身体が絡み合い、ゴボゴボと泡立つ。
その様を眺めながら、キーを叩くミリアム。

“こすたなはずんでなかった”
“何でこすたなことに”
・・・・・・
・・・・・・

ゼリー状の塊、再び液状化し、液体のなかに溶けていく。
「サルベージ出来そうで出来ない・・・か・・・」とミリアム。

夕食。
祈りを済ませて食事をする七人の子供たちとミリアム。
突然スープ入りの食器をひっくり返すミドリ。「ああもう!!」ミドリ、すっくと立ち上がってキッとミリアムを睨む。「なんで昔のことが思い出せないのよ!なんでトオルが弟だということしか覚えてないのよ!あたしたちがつくりもの(人造人間)?ハッ、ウソも大概にしなさいよ、じゃあコレは一体何?」とミドリ、股の間に人差し指と中指を突っ込み、血で濡れた指を突き出す。
ウッと声を漏らす子供たち。スープを吐き出す最年少のジュン。
「つくりものから血が出るの?つくりものにも生理があるの?何とか言いなさいよッ!!」
ミリアム、赤い目を向けて静かに微笑む。
「あなたたちは限りなく人に近いのです。人に似せてつくられたマテリアル・・・その血は人工血液ですが、あなたたちの心臓を動かしていますし、細胞レベルでの成長にも活かされています・・・あなたたちは人と同じく生きているのです、だからミドリ」とミリアム、ポケットから生理用品を取り出しミドリのところに歩み寄って手渡す。「あなたにも初潮がくるのは当然です」
ミドリ、震える手で受け取り、うつむいたままでボソッと呟く。
「あたしたちは何者なの?」
ミリアム、それには答えずに席に着き、食後の祈りの唱和を要求してくる。
ミドリ以外の子供が祈りを呟き、食事終了。

男子部屋。
「なあ、おまえの姉ちゃん。落ち着いたかな?」とタケシ。声をかけられたトオルはビクッとしながらも「う、うん、多分」と答える。
「女の子が大人になったしるしに血が出るのは知ってるんだけど・・・何で知ってるのかは覚えてないんだよね、ホント、僕たちはどこからこんなとこに来たんだろう?」とヒロシ。
「小学校にいたことは覚えてるよな?」とタケシ、続けて「小学校がどこにあったかがいくら考えても出てこないんだ・・・」と自嘲気味に笑う。

赤い海・・・
その上に浮かぶ無数の死体・・・
三人とも最終的にはその記憶に辿り着くが、お互い何も言わないままである。

就寝。
女子部屋。
暗いなかでうっ・・・うっ・・・ひっ、ぐすっ・・・とすすり泣きが漏れる。それを聞いて目が覚めたフィーネ、寝ぼけ眼でミドリの寝ている方を見る。泣いてるのはミドリではなく、隣のナオコでもなかった。ジュンだった。ジュンの背中が震えている。
「ママぁ・・・」とジュン。フィーネ、ごそごそとジュンを背中から抱きしめるようにして身体をさすりながら落ち着かせる。
ナオコもミドリも暗いなかで目を覚まし、そっと涙を流した。
ママという単語の響きも意味も知っていたが、自分たちのママの顔が思い出せなかったのだ。

何回目かの食事を経て、次第に打ち解けていく子供たち。
ミドリも落ち着きを取り戻し、フィーネたちの髪の毛を結ってあげたりしている。
その様を微笑みながら眺めるミリアム。

そこへ突然。
全裸の大人の男性がふらふらと現れた。
頭からオレンジ色の液体で濡れており、床にポタポタと垂らしながら、両腕をまっすぐに前に突き出している。
「助けて・・・」
その様を凍りついたまま見つめる子供たちだったが、男性が背後からいきなり三人の全裸の女性に抱きつかれて、五体を引きちぎられた瞬間、ジュンが悲鳴をあげて我に返った。
「部屋に入りなさい!鍵をかけて!」とミリアム。
言われた通りにする子供たち。律儀にそれぞれ男子部屋、女子部屋に分かれて鍵をかける。
すぐに両室のドアがドンドンと荒々しく叩かれる。
「うわあ!」とトオル。
その悲鳴に続くように「きゃあ!」と悲鳴をあげるナオコ。
「なんなんだよ!」とタケシが騒ぐなか、「あれ!」とトオルが部屋の上を指差す。そこには通風口があり、子供たちには十分通れる大きさだった。「よし!」とヒロシ、簡易机を引っ張って通風口の真下に押しつけ、上に飛び乗って、えーい!とカバーを取り外した。

きゃあきゃあ騒ぐ女子部屋の通風口がバン!と蹴飛ばされてカバーが真ん中まで落ちる。それでひときわ甲高い悲鳴があがるが、そこから顔を出したヒロシが「こっちだ!早く!」と手を突き出す。状況を理解した女子たちは同じように簡易机を踏み台に次々と通風口のなかに入る。

「どうする?」とタケシ。「こないだ行った方向に向かおう」とヒロシ。「よし進め!」と全員で四つん這いになって這い進む。どこかで響く銃声。わっと身をすくめる先頭のヒロシ。恐る恐る最寄りの通風口から外をうかがうと、拳銃を撃ちながら逃げていくミリアムが見える。その後を疾走して追いかける数人の全裸の女たち。全員頭からオレンジ色に濡れている。
「さっきより増えてる・・・!」
「マジで?どうする?」
「とにかく進みなさい!これだけ広いんだからどこか隠れ場所があるでしょ」と最後方からミドリ。
ミドリの後ろからベチャベチャいう濡れた音。
何かが這ってくる音である。
「早く行って!追いかけてきたわ!」バンバンと叩くミドリ。スピードをあげて進む子供たち。次第に角度が下へ急になり、焦って身体を支えようとしても滑ってしまい、しまいにはみんなで下へ滑り落ちていってしまう。

うわあああ――ッ!!

ヒロシの背中でカバーが押し出されて床へ転がる。ヒロシの背中に次々と重なり落ちる子供たち。それから慌てて立ち上がり、周囲を見回すと、そこは巨大なプールだった。
プールを満たすのはオレンジ色の液体・・・

しばらくして通風口からずるべちゃっと全裸の女たちが滑り落ちてきた。ゆっくりと身体を起こして濡れた髪を垂らしながら赤い目を向けてくる。
後じさりする子供たちに一歩一歩踏み出す女たち。
「なんなんだよぉ、こいつら!」とタケシ。

その瞬間、プールがザバッと弾け、巨大な手が伸び、女たちをまとめて掴むとプールのなかに引きずり込んだ。それから女たちをくわえた巨人の頭がザバーッと起き上がり、巨人の口が女たちをくちゃくちゃと噛み砕く。
「ひゃあああッ!!」悲鳴をあげる子供たち。
それを聞きつけたのか、くるりとこちらに顔を向ける。ゆっくりと上半身を起こす。胸の真ん中には真っ赤な球体が輝いている。

女たちを呑み込んだ巨人の口がもう一度開き、ゴボゴボとオレンジ色の液体を吐き出す。口の端で泡がブクブクと泡立つ。
「ボ・・・」

「!?」

「ボ・・・ク・・・ハ・・・マ・・・モ・・・ル・・・」

瞬間的に子供たちの記憶に蘇る映像。
大山小学校の体育館で感謝状を受け取っている男の子だった。彼は徘徊する認知症の老人を無事に家に送り届けたことから全校生徒の前で拍手を浴びたのである。

六年一組、川端マモル。

「そう、あなたたちと同じ子供だったものよ・・・」といつの間にか現れたミリアム。拳銃を握ったまま巨人の背中の陰から進み出る。「子供は子供を助ける・・・思いをひとつにしなさい、あいつらをやっつけろ、と」

トオル、前に進み出て「マモルお兄ちゃん!」と叫ぶ。「僕たちを助けて!!」巨人は両手の手のひらを上に向けて前に突き出し、右手にミリアムを含めた四人、左手に四人乗せると、ピカッと背中を輝かせた。そこからは六枚の羽根が光り輝いていた。
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