・・・私はかくして、永いこと私に恵みを授けたあの太陽とはちがったもう一つの太陽、暗い激情の炎に充ちたもう一つの太陽、決して人の肌を灼かぬ代りに、さらに異様な輝きを持つ、死の太陽を垣間見ることがあった。
そして知性にとっては、第一の太陽が危険であるよりもずっと、第二の太陽が本質的に危険なのであった。何よりもその危険が私を喜ばせた。
今日は三島由紀夫の「太陽と鉄」を読んだ。
何が何やらサッパリわかりませんでした!
でも上の一文はえらく気に入ったからメモっといた。そしたら先生はびっくりしていた。先生も好きな一文で、少年時代にノートに書き綴っていたそうだ。
「同じだね!もうこれはセックスするっきゃないでしょ」
「バカ、おまえはただ文章の上っ面に惹かれただけだろーが。オレは全部理解しての厨二だったんだからな。どうせならどこに出しても恥ずかしくない、正真正銘の厨二になれよ。そしたら考えてやる」
「マジで?ねえ、ほんっとーにマジで?」
「そこに食いつくんじゃねー、マジになるのはより深い読書体験だ!」
こうなったら今までより読んで読んで読みまくったる。
デキの悪い教え子でサーセン。
あたしが真面目に読解力を磨いてる頃、マミちんは先生とセックスしていた。といっても。13歳の身で生ハメするとマジに逮捕だから、それなしでのセックスだった。どうゆうことか?音声だけのセックス、ケータイセックス。先生は耳が悪いのにもうそこまでイッちゃってんの?先生がケータイに出るのは相手の声に慣れたことを意味する。相手の声が分かれば――カラダが触れ合えなくても――先生のコトバはまっすぐおまんこに突っ込んでくる。
マミちんいわく。
「いやらしいことをあんなにいやらしく喋るのは聞いたことがない」
クッソォ〜、先越された。
「それでそれでなんて言ってんの?」とあたし。
「毛が生えそろっていない未熟なワレメをまじまじと観察して、反応を楽しむって」とマミちん。
「うはー、マジか」
「それでおまえは羞恥心に身をよじり、いっぱいになった心の杯からちょっぴりこぼし、どこかが濡れたことを知るって」
「いかにも言いそう。先生ってそういうところだけはクドイよね」
「うん、濡れるとかヨダレを垂らすとか目をうるませるとか見てもいないくせにそう決めつけるのがアレなんだけど、意外とイヤじゃないのよね」
「結構・・・クる?」
「当然」
「じゃあ、イケたんだ?」
「もちろん。言葉責めに酔っちゃった」
クチでは羨ましがってマミちんを持ち上げたけれど、ホントのところは――悔しくってたまらなかった。そして――18歳になるまでセックスはお預けというあたしのなかのルールが音を立てて崩れるのを聞いた。そういう手もある。なぜ思いつかなかったのだろう。そんな自分が情けなくなり――帰り道のなかであたしは泣いた。バーカ!バーカ!チキショー、チキショー、Fuck you kiss my ass!
後日、DoCoMoだったケータイをソフトバンクに変え、姿見で自分を見ながらパンチラを自撮りして、先生に送った。マミちんが音声ならあたしはヴィジュアルで迫ってやる。食らえ、サーティーンのしっとり濡れたパンツ攻撃。おっとメールを送信するの忘れた、「写メセックスしよ−、TVコールセックスでもいーよ!」っと。
・・・・・・
その晩のことはクチにしたくない。翌日のあたしのカオを見たマミちんいわく。
「クマができてて、キモいくらいににやけっぱなし」
あははっ、あははは・・・あーっはっはっは!ハイテンションで高笑いし続けるあたし。処女のままだけど、何かが満たされたキブン。
あたしのおまんこはコスりすぎて真っ赤っか。
それにしても。
世のなかの処女の皆様方も。
TVコールでセックスしてみるがいいで御座いますよ。御座いますよ。カメラに向かってちんぽこをこーやってナメたげるね、べろべろ!オッパイさらけだして勃起した乳首を押しつけてぐりぐり!果てはパンツずらしておまんこパックリ、カメラに向かってベットリ!こいつは燃えるぜ。間違いない、ヤッた本人が保証する。
こんな痴態をまっすぐに受け止めてくれる先生。ほんとうにありがとう。
あたし、もっといい子になるから。本をたくさん読んでイロイロなハナシについていける子になるから。またセックスして下さい。
さてバタイユの「眼球譚」の続き。
シモーヌはふだんは平凡な性格だ。大柄な美人で、眼つきにも声つきにも自暴的なところはすこしもない。だが官能への欲求があまりに烈しいため、些細な刺戟にも表情は一変し、血行は早まり、不意の恐怖に襲われ、犯行へと、絶えず幸福と安寧を破滅に陥れる行動へと突っ走るのだ。
シモーヌに激しい感情移入。
こればっかりは上っ面じゃない、心の底からこみ上げる衝動。そいつはまぎれもなくホンモノ。
あたし自身もびっくりするくらいのホンモノの衝動だ。
家に帰って目玉よりは小振りだけれどビー玉を探し出して、アルコール除菌ペーパーで念入りに拭き、例によって姿見を見ながらケータイで写メった。おまんこのなかにビー玉を義眼のようにハメるのを。処女でもこれくらいのことはできるのね。ウケる。
先生に「衝動でシモーヌごっこ」とメール。
30分くらいして「見事だ」と返信。思わずガッツポーズ。
その夜・・・
あたしは・・・
写メってきたあたし自身と・・・
真っ向から向かい合う夢を見た・・・
場所は夜の歩道橋。何年も行き来した古い歩道橋だ。ヒビ割れたなかから生える草。そこの真ん中で対峙している。向こうはマッパ。こちらは制服。お互いなんにも言わずに見つめ合っている。下を無数の車が通り抜け、ライトの眩しい光線があたしたちのカオを照らす。
ようやく、夢のなかのあたしはクチを開いた。
「あんた、誰?」
するとマッパのあたしはにやっと笑った。「分かってるくせに」
「それより聞いて、処女をこじらせると・・・」
「処女をこじらせると?」
「癌になる」
「癌?マジで?」
マッパのあたしはにやにや笑いながらこっくり頷いた。
そこで目が醒めた。
処女をこじらせると癌になる。
この本のタイトルはそーやってできたので御座いますよ。御座いますよ。
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