一日早いですが、エイプリルフールネタで。ちょっとリア→サガ混じりのロスサガ。
エイプリルフールでアイオロスに「お前と別れてアイオリアと付き合うことにした」と言ったサガさんが、真に受けたアイオロスにひどい目(エロい意味で)に合わされる話です。エロい目に合うサガさんを妄想したくて考えただけの話です。
ちなみにサガがアイオリアを相手に選んだのは
デスマスク→「え〜、やだよ、アイオロスに殺される」
シュラ→「そういうジョークは感心しないな…」
アフロディーテ→「あっはっは。やめておいたほうがいいよ、サガ」
アイオリア→「兄さんを驚かせる?面白そうだな!」(←バカ)
というわけで、乗ってくれた相手がアイオリアしかいなかったからです。
次は双子誕になると思います。
『四月の嘘』
4月1日の土曜日。その日は仕事もなく、教皇アイオロスは教皇の間にある私室の居間でコーヒーをすすりつつ、読書をして昼を過ごしていた。
その時、扉がノックされた。
「アイオロス、私だ」
「ああ、サガか。どうぞ」
訪問者は、彼の首席補佐官であり恋人でもある双子座のサガだった。だが彼は一人でアイオロスを訪ねたのではなかった。部屋に入って来たサガの傍らには、アイオロスの弟、獅子座のアイオリアが付き添っていた。
「アイオリアまで、どうした。何か用か?」
顔を上げたアイオロスは読んでいた本を閉じて机に置いた。
「アイオロス…」
いつになく真剣な顔で、サガはアイオロスを見つめた。彼の向かいにある長椅子にサガが腰を下ろすと、その左隣にアイオリアも腰かける。
そしてサガは形の良い唇を開いてアイオロスに告げた。
「アイオロス…。私と別れてくれないか?」
「…は?」
この時、アイオロスがコーヒーカップを持っていなかったのは幸いだった。手にしていれば、驚きのあまりカップを床に落としてコーヒーをこぼしてしまっていただろう。
サガは胸の前で手を組み、眉根を寄せていかにも苦渋の表情を取ると話し続けた。
「こんなことになってしまってすまない…。だが、だが私は…アイオリアと付き合うことにしたのだ!」
がしっとサガが隣に腰かけるアイオリアの腕に手を回した。
「そ、そうだ、兄さん!実はおれもサガのことが好きでさ!」
慌てたようにアイオリアもサガの肩に右手を回して彼を引き寄せた。
「私の罪を許して受け入れてくれたお前を裏切るようなことになってしまって、本当にすまないと思っている。でも私はアイオリアを愛して…」
サガが切々と訴えていると、無言のまま、アイオロスが立ち上がった。
「アイオリア」
「な、なに?兄さん」
アイオロスは弟の胸ぐらをつかんで彼を立たせた。そしてその左頬に思いっきり拳を打ち込んだ。
「…ぐおっ!」
悲鳴を上げてアイオリアがのけぞった。殴られた衝撃でバランスを崩し、彼は長椅子の背を乗り越えて反対側に転がり落ちた。
「ア、アイオリア!?」
慌ててサガは背後を振り向いて、床に転がるアイオリアに長椅子越しに心配そうな目を向けた。
「アイオリア、大丈夫か!?」
案じるサガの声も無視し、アイオロスはさらに床に転がる弟の腹を力任せに足で踏みつけた。
「ぐわぁっ…!」
内臓に衝撃を受け、アイオリアは痛みで気を失った。
「ア、アイオロス、やめ…!」
アイオロスは一言も発さぬまま、ただ瞳に嫉妬と怒りを浮かべて、意識を失った弟になおも暴行を加え続けた。そんなアイオロスを制止しようと慌てて立ち上がったサガだが、彼はアイオロスによって腕を強くつかまれた。
「来い、サガ」
「ア、アイオロス!?」
サガはそのまま隣室にあるアイオロスの寝室にと引きずり込まれた。アイオロスは扉を閉め、サガの体を乱暴に寝台の上に投げ上げた。
「アイオロス…っ」
うろたえるサガの体の上に、アイオロスは伸し掛かった。サガが着ていたチュニックの襟元に手を掛け、力任せに服を引き破る。
「ひ…っ」
乱暴なアイオロスの振る舞いに、サガの顔に怯えが走った。腕を振り回して抵抗しようとしたサガだが、アイオロスは舌打ちし、彼の頬を平手打ちした。
「ロ、ロス…」
いつもは優しく寛容な恋人から受けた暴力にサガがひるんだ。アイオロスはサガのチュニックを締めていた帯をほどき、それを使ってサガの両腕をまとめて寝台の天蓋を支える柱に縛りつけた。
「アイオロス、いやぁ!やめて…!」
自分を拒否するサガに、アイオロスはますます怒りを募らせ、悪鬼のような形相でサガをにらんだ。
「許さんぞ、サガ」
「ロスぅ…」
「おれから離れるなど…許さん!」
(以下はR-18なので割愛)
アイオロスはサガの両腕を緊縛していた帯もほどき、彼を自由にした。だがサガは逃げ出すことも動くことも出来ず、力なく横たわって泣いていた。
「サガ…」
アイオロスはサガを背後から抱き締め、首筋や白い肩にキスをした。
「サガ、愛してる…。お前は誰にも渡さない…」
「うう…ひっく…」
「ああ…でもこの部屋から出たら、お前はアイオリアのもとに行ってしまうんだろうな…」
縛られた跡が残ったサガの手首をつかみ、真新しいあざに口づけながらアイオロスが呟く。
「いっそお前の手足の腱を切って、この部屋に閉じ込めてしまおうか…」
「違う、違う…誤解だ、アイオロス…」
泣きながら、サガが言った。
「何が誤解だ!?お前はアイオリアを…」
「エ、エイプリルフールだったのだ!」
「……」
叫んだサガの言葉に、アイオロスは目をぱちくりと開いた。
「い、いつも忙しくしているお前を、こういう季節のイベントで楽しませてやろうと思って…。アイオリアと二人で嘘を…」
「…う…そ…?」
「こ、こんなことになるなんて…。ひどい、アイオロス…ひどい…っ」
顔を覆ってサガはうわっと号泣し始めた。
「サ、サガ…」
今度はアイオロスがうろたえる番だった。
「な、泣かないで、サガ…。ごめん、まさかサガがこんな冗談を言うなんて思わなくて…」
「わ、私が心変わりなど、するはずがないではないか!ましてアイオリアとなんて…。お、お前は私のことをちっとも信じていないのだな…。ひどい…っ」
「ご、ごめん、ごめんよ、サガ!」
「そ、それに…あんな真似をするなんて…!ひどいっ!ロスの馬鹿!意地悪!変態!」
「お、おれが悪かったよ。ごめん!許してくれ、サガ!」
アイオロスとサガの攻守が逆転した。アイオロスをひどいとなじって泣き続けるサガを、慌てるアイオロスが懸命になだめて謝る。
「で、でも…サガがおれと別れるなんて言うから…。おれ、頭の中が真っ白になっちゃって…」
「うう…ぐすっ…」
「ねぇ、サガ、もう嘘でも、あんなことは言わないでくれ。おれ…言葉にならないくらいショックだったよ…」
「うん…ひっく…。私も悪かった…。すまない、アイオロス」
はあっとアイオロスがため息をつく。
「アイオリアを殺してやろうとまで思ったよ…。本当、嘘で良かった…」
ただ殺すだけでは気がすまない。どんな残酷な方法で殺してやろうかと、アイオロスは愛しているはずの弟をなぶり殺しにする方法まで考え始めていたのだ。自分の中にあれほど恐ろしくて醜い一面が潜んでいるとは、アイオロスは今まで思いもしなかった。己の心の闇に巣食う獰猛で残忍な獣に、彼は秘かに恐れを抱いた。そして二度とこの獣が表に出てこないことを祈った。
改めてアイオロスはサガを抱きしめ、頬に優しいキスを繰り返した。
「さあ、サガ、仲直りしよう」
「ぐすっ…、うん…」
涙をぬぐったサガは鼻をすすり、今度は自分からアイオロスに口付けた。
この日と次の日曜日、アイオロスとサガの二人は教皇の寝室で二人きりで籠って過ごして「仲直り」をした。
サガを手酷く責め苛んだ詫びにと、アイオロスはいささか乱暴に扱ったサガの前の穴と後ろの穴を何度も舌で丁寧に舐め回し、彼の痛みを癒したのだった。
勘違いした兄に理不尽な暴力を受けたアイオリアは、その後、アイオロスから謝罪としてコニャックの上物を贈られた。
私邸で兄からもらったブランデーを飲みながら、アイオリアは、
『抱き寄せたサガ、すごくいい匂いがしたなぁ…』
と、自分の右手を見てはサガの肩の感触を思い出し、一人やるせないため息をつくのだった。
<FIN>
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