[橘玲の日々刻々]からの抜粋転載です。
「親の経済力の差が教育格差を生む」は本当か?
トマ・ピケティの『21世紀の資本』が経済書としては異例のベストセラーになったことで、また「格差」をめぐる議論がにぎやかになってきました。
ある大学では、4万人を対象に、親の年収や学歴を合成した指標(家庭の社会経済的背景=SES)と子どもの学力の関係を調べました。それによれば、SESが最低で毎日3時間勉強する子どもよりも、SESが最高で学習時間ゼロの子どもの方が、小中学校ともに学力が上だったといいます。
これを報じた記事では、この結果を「衝撃的」として、「親の経済力などが高い子どもほど高学力と高学歴を獲得しやすく、それが次の世代への連鎖を生む」としています。
しかし、この話は明らかにヘンです。SESは親の年収と学歴を合成したといいますが、なぜこんなことをしなければならないのでしょう。子どもの学力の決定要因を知りたければ、年収と学歴を別々にしてその影響を推計すればいいだけです。
記事では「親の経済力の差が教育格差を生む」としていますが、この指標からは「親が高学歴なら子どもの成績もいい」という説明も可能です。しかしなぜか、こちらの因果関係についてはひと言も触れられていません。
「中略」
これがどのような値かは、身長66%、体重74%という遺伝率と比較すればわかるでしょう。背の高い親から背の高い子どもが生まれるように、親が高学歴だと子どもも高学力になるのです。「知能の高い親は社会的に成功してゆたかになり、遺伝によって子どもの成績もいい」と考えれば、経済格差と教育格差の謎はすっきり解決します。
私が問題だと思うのは、SESを開発した研究者(教育学者)たちは、当然、知能と遺伝の関係を知っているはずだからです。親の学歴と経済力を混ぜたのは、意図的に遺伝の影響を見えにくくするためでしょう。
なぜこんなことをするとかというと、教育格差の原因を親の経済力のちがいにしなければ、「教育」に税金を使わせるのに都合が悪いからです。問題が経済的なものであれば、教育費を無料にするなどして、教育格差を解消できるはずです。これは教育産業に莫大な補助金を交付するのと同じですから、研究者(大学教員)にとってこんなおいしい話はありません。
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学問を離れて、スポーツ選手は莫大な経費がかかるのが普通です。
フィギュアスケートの選手、今話題のテニスの選手などは、練習場所の確保やコーチの費用で莫大な費用がかかります。
でも、金の力でスポーツ選手になった!
経済格差がスポーツ選手を育てるなんて話は聞きませんね。
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