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2015年01月18日21:57

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タデウシュ・コンヴィツキ著 「ぼくはだれだ」を読もう。

タデウシュ・コンヴィツキの名前の綴りが合っているかどうかを確認するためにググったら、何と今年今月の七日に逝去していた。何たる偶然か。

http://instytut-polski.org/konwicki/

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%87%E3%82%A6%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%84%E3%82%AD

こうして見ていくと、小説だけでなく映画の方面でも活躍していたことが分かる。特に「尼僧ヨアンナ」の脚本。

そして中学時代の私の心の背中にべったりとはりついた「動物人間妖怪(獣人妖)」が登場する「ぼくはだれだ」。

某ブログでは次のように紹介されている(幻想文学ガイドからの引用である)。

ぼくはだれだ
タデウシュ・コンヴィツキ Tadeusz Konwicki ポーランド
内田莉莎子、小原雅俊:訳
晶文社


厭世的な少年のピョートル。
少年らしくない大人びた物言いの彼のもとに人語をしゃべる犬が訪れる。
犬の名前はセバスチャンといい、ピョートルを別な世界へと連れて行くという。
セバスチャンの瞳を覗きこんだピョートルは、突然見知らぬ川岸に座っていた。
遠くには黄金色の館が見え、そこではピョートルと見かけはそっくりの、凶暴な性格の少年ルトピョが暮らしている。
そして、ルトピョの館にいる少女エヴァがピョートルに助けて欲しいと懇願する。
その頃、元の世界では彗星が地球に衝突して世界は滅びるというニュースが流れていた。
ピョートルは元の世界と、パラレルワールド的なルトピョの世界を行き来してエヴァを助けようとする。

あちらの世界では自身の影の部分と思われるルトピョと争い、現実の世界に戻ってくれば彗星騒動のまっただなか。
前世はイギリスの貴族だと主張するセバスチャンに、薄幸の少女エヴァ。
さらには現実世界で映画撮影の子役として志願したピョートルは、ピョルトという名前で主役をもらう。
ピョートル、ルトピョ、ピョルトの関係性はどうなのか、エヴァを救うことは出来るのかなどと謎がたくさん。
実家では失職した父親が凹んでおり、近所に住むあだ名がモンスターのセシリアおばさんはガミガミ言ってくる。

まったく無名の物語だけど、ファンタジーとして良質の一冊だった。
舞台演出は古典的だけど、たんなる冒険物として楽しいだけではない。
時に真顔になって人生の暗い側面について問いてくるときがある。
そのひとつに「獣人妖」がある。
翻訳タイトルは『ぼくはだれだ』となっているが、原著のタイトルを直訳すれば『獣人妖』となるらしい。

獣人妖って、一生ぼくたちにつきまとっている何かなんだ。ぼくたちに理解できない自然の不思議、人間の知られない部分、そういうものすべて、未知のことすべてが、このなにかに含められている。獣人妖を目のあたりに見たものはだれ一人いない。でもみんなそれをよく知っている。

人間のもつ暗い意識のことだろうか。
ルトピョのように冷酷で残忍な性格の自分が存在し、そいつと真正面から闘うことを言っているのだろうか。
すべての冒険物語は自分探しの物語だとも言える。
本作もそのとうり一人の少年の通過儀礼の物語として読むことが出来る。

さまざまな謎が絡みあい、エヴァとセヴァスチャンとの逃避行が続き、現実世界に帰れば人々は彗星の衝突を恐怖しているというカタストロフの状況。
しかし、ここで訪れる結末がすごい。
もう少し納得の行く結末だったら良かったのだけど。

Amazonはこちら。

http://www.amazon.co.jp/dp/B000J956EC

\325より。

コドモの頃の思い出に癒されたかったら、絶対にこれは買い。
動物人間妖怪という奇怪な生き物と出会いたかったら、とにかく買い。

そしてじっくり読み込もう。
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