昼寝の際、実質一時間弱の眠りだったのだが、丸三日くらい眠っていたような虚脱感とともに目覚めた。ものすごいユメを見た。
そして超高速であれやこれやがパズルのように組み合わさり、以前から書くつもりでいた和製クトゥルーの物語の骨子が出来上がった。タイトルも自然に「陽愚の樹」に決まった。陽愚(ようぐ)。即ち、ヨグ・ソトースである。
「まさか!」黒一色をバックにネグリジェ姿の少女がワンページで慄くシーンは、楳図かずお先生などの作品で何度も見た構図だ。それがしつこく何コマも「まさか!」と繰り返すのは、カタルシスにつながるトランス効果を生む。ひばり書房以来の我が国独特の演出を復活させつつ、幼いころから私の脳内で何度も繰り返された恐怖の“反芻”を表現したい。
大雪で閉鎖された温泉郷の上空に国籍不明のジャンボジェット機が現れ、真っ逆さまに墜落して大爆発、大炎上。村人がご神木と崇めている巨木が燃え、一晩にして枯れ木となる。隣接していたサナトリウムや温泉旅館、ホテルも全焼し、多くの死傷者を出す。にもかかわらず、村と県は自衛隊の救援を断り、すべて県警だけで処理することを国に通知する。外部のものが全く入れないなか、一体何が起こっているのか。
かつて領主は天空に棲む醜い神に祈るため、神木の枝に実をぶら下げるように生贄の身体をぶら下げた。老若男女を問わず大勢をぶら下げるために、生贄用の部落を作り、年貢代わりに人間を差し出させた。
その領主の一族と部落の生き残りが現代につながっていって、待ち受ける破滅に向かってさまざまなピースが超高速ではまっていく。
封鎖が解け、ロシアの芸人たちによる謎のサーカス団が慰安と称して村を訪れて巨大なテントが張られ、露店も集まって異様なお祭り状態が現出するなか、大男たちの手によって枯れ木になった神木が倒される。そこから大量の温泉が噴出し、百度近い高温の湯の洪水で村は再び壊滅状態になる。
私は一人の客として泊まっていて、屋根に積もった雪が高温の湯でたちまち溶け流れていくのを目の当たりにし、崩壊する旅館のなかでここはこうだともっと面白い!と忙しく頭を働かせながら目を覚ましたのであった。
とにかく材料が揃っていれば料理するのはカンタンなので、書き上げるのが楽しみである。
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