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2013年02月06日19:27

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ラブ・コマンドとタギー。

インド愛の逃避行お助け

【ニューデリー=田原徳容】女子大生の暴行死事件を機に女性蔑視の風潮を見直す機運が高まっているインドで、自由恋愛を求める男女を支援するグループがある。その名も「ラブ・コマンド」。家族の決めた相手との結婚を拒むと、主に女性が殺される名誉殺人※の被害防止を目的に、全国に散らばる弁護士やジャーナリストなどのボランティア隊員が、愛を貫くカップルのために24時間体制で待機する。

※名誉殺人

家族や部族が名誉を守るため、同じ身分など親が決めた相手との結婚を拒むなどした若者を、「名誉を汚した不届き者」として殺害する風習。カースト間の差別意識が強いインドやパキスタン、中東などで頻繁に行われている。インドでは2010年6月、名誉殺人が多いパンジャブ州など北部6州について、最高裁が政府に防止策を求めたが、具体的な動きはない。

弁護士ら 名誉殺人の悪習に対抗

カースト背景 「親から守る」 24時間待機

首都ニューデリー中心部のあばら家で携帯電話が鳴った。「ラブ・コマンドです」。グループ代表のサンジェイ・サチデブさん(52)が対応し、隣の仲間に言った。「親から殺されそうな男女からだ。近場の隊員に連絡を」。同様の電話は一日約500件を超えるという。
記者だったサチデブさんは、「名誉殺人のような悪習をなくしたい」と、2010年に仲間とラブ・コマンドを設立し、専用電話番号を公開。年間平均約5000組の「逃亡」を手助けする。賛同して隊員になる人は年々増え、全国に約50万人いるという。
あばら家など拠点の住所は、家族に知られると困るので非公開だ。カップルは複数の隊員の手引きで拠点にたどりつき、シェルターに入る。
追いかけてくる親を追い払うため、隊員は唐辛子スプレーを使うことも。カップルはシェルターで隊員と今後を相談。警察や裁判所の保護を求めるケースが多いが、国外脱出希望者もいる。
インドでは、カーストや宗教の違う男女の交際や結婚を認めない傾向が根強いが、今の若者は自由恋愛を好む。このギャップが名誉殺人につながるとされる。犠牲者の大半は女性で、政府によると、年平均1000件近く起きているという。
あばら家には、逃走後に結婚した夫婦6組が暮らす。ダンス講師のサレンドラさん(23)は妻クシブさん(20)よりカーストが低く、二人は「家を辱めた」と双方の両親から殺されかけた。
イスラム教徒のネハさん(27)は、ヒンズー教徒でカーストも違うラフルさん(27)との交際を反対する家族に8ヶ月監禁され、暴力を受けた。四人は口をそろえて訴える。「親が子を殺すなんて狂っている。インドは本当に民主主義の国なのか」
女子大生暴行死事件から1ヶ月以上過ぎたが、女性が襲われる事件は連日発生。政府に対策を求める抗議活動は収まる気配がない。
サチデブさんは「社会が自由な恋愛をもっと認めれば、女性を巡る犯罪も減り、若者が希望を持てる国になる」と語った。

――2013年2月6日付朝刊より抜粋

ラブ・コマンドのサイトはこちら。

http://lovecommandos.org/

フォト


当寺のミスラ君は「国外脱出」を手助けするために2011年にラブ・コマンドに参加した。彼自身はカーストでいうと2番目にあたるクシャトリヤの家の出だが、裕福な家族の支援で海外の大学で学を修めるのと同時に家族に嫌気がさし、仏門に入ることを決心したところを縁あって私と友情を結び、当寺に住むことになった。現在は家族と和解したけれども帰国すると必ず結婚沙汰になるので、そのへんの立場をハッキリさせるためにもラブ・コマンド入りを果たした。

「ラブ・コマンドにとって最大の脅威は金持ちの親が雇うプロの殺し屋なんです」とミスラ君。
「まあ、我が子を直接手にかけたくないだろうからなあ。後、わざわざ自分の手を汚したくないってのもあるな」と私。
「そうですね。殺し屋はきまってタギーが雇われます」
「タギー?」
「スカーフで首を絞めるのを特徴とする集団の名前です」
「サッグか!マンガ(小池一夫原作の青年コミック「デュエット」に世界最強の殺し屋集団として登場する。その若き首領が日本人という設定)で読んだ。スカーフはサギー・コードっていうんだってな」
「恐ろしい相手です。音もなく忍び寄ってあっという間に絞め殺して姿を消してしまう・・・」
「なるほど、そりゃ拠点をたくさん持っていちいち移る必要があるわけだ。そして一番安全なのはやっぱり国外脱出だよなあ」
今でも古来の暗殺集団が存在しているのは驚きだが、カーストが存在する以上、当然のことと思われる。

最後に。
インドの結婚相手の選び方は、我が国の天皇家のそれよりもはるかに厳しく細かい。
カーストや宗教だけでなく、星占いの結果、背の高さ、見た目、性格、家族構成、資格、成績、食習慣、果ては一日に排出する糞尿の量まで徹底的に調べ上げられるのだそうだ。
それを調べるのもミスラ君によるとタギーの仕事とのこと。
そして幼少時のミスラ君にはタギー出身の家庭教師がいた。彼いわく、カーストはインドのアイデンティティである、なんびとたりとも不可侵の神聖なものだ、と。それゆえに名誉殺人は「名誉」そのものなのだ、と。
「ゴッドファーザーの世界かよ!」と私。
「名誉と恋愛。全く昔も今も人間というやつは変わりませんよ」とミスラ君。

ラブ・コマンドの闘いはまだまだ長く厳しいものになりそうだ。

※タギーについては以下のウィキをご参照あれ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%AE%E3%83%BC
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