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2012年01月19日18:24

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クラリスはどのように成長したか。

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「カリオストロの城」が公開された当時、私は10歳であった。
もちろんリアルタイムで劇場で観ている。
確か、「戦国自衛隊」、「マッドマックス」と続いて、次に観たのである。

70年代最後の年、東京はまだ泥臭く、私より年上の兄ちゃんたちはジャッキー・チェンの「蛇拳」の真似ばかりしていて、それを私は低く笑いながら、こちらの思いのままに触らせてくれるクラスの女の子と怪奇小説に夢中になっていた。

原作とテレビアニメのルパン三世で育った私にとって、宮崎駿描くルパン三世は限りなくソフトだった。「マモーとの対決(現ルパンVS複製人間)」のようなラフさがなく、すでに中年(おじさま)という設定だったからであろうが、ルパンらしく見えなかった。

でも映画は素晴らしかった。名作である。今でも、DVDで観てしまうと、作業を忘れて見入ってしまう。

ヒロインのクラリス・ド・カリオストロ。

私は当時クラリスのファンが発行した同人誌を家庭教師経由で持っているのだが、下世話なパロディなど頭になかった時代だから、映画のあのシーン、このシーンと再現していきながら、クラリスの気持ちは、行動はと細かく、うるさく語っている。
そのなかに、カリオストロ公国の再建、クラリスのこれからというのをテーマに語りつくしたページがあって、私も私なりにあれやこれやと考えたものだ。

アニメージュ文庫から「あれから4年・・・」という本が出ており、宮崎駿のイラストでクラリスとルパンが再会する様が描かれているので、発行当時はすわ、後日譚かと色めきたったものだが、中身は単なる映画の再構成であった。
それでも宮崎駿がカリオストロについて語ったインタビューはなかなか読ませてくれる。

偽札作りがダメになったから、ローマ遺跡の観光で外貨を国の資源として・・・

このへんは誰もが思いつくことであろう。ジョドーだって、暗殺者の頭から観光ガイドに鞍替えしているかもしれないのだ。

クラリスはルパンに思い焦がれる少女ではなく、対等のおつきあいが出来る、ほんとうの女性。

これこそ、宮崎駿のヒロイン全員に通じる女性観で、私も大いに賛同する。
従って、公国をうっちゃってまでルパンを追いかけたり、再会をたくらんだりするのはありえない。「カリオストロの城」を美しい思い出として胸に秘めて、指導者、政治家として強く成長していく姿こそ、正しい成長といえよう。
ファンならば当然、ここに行き着くはずなのだが、同人誌は残念ながら、ルパンと結婚するにはどういう進め方が説得力あるかとか、無理な話に異常にこだわっていた。

そういうわけで、シナリオに特別出演するクラリスは、三十路の若き政治家として登場する。ユーロ危機に頭を悩ませながら、突然現れたルパン小僧に三世の面影を見、少女の顔、大人の女性の顔、そして母の顔・・・を見せる。
ファンとして想像力がイチバン働く、幸福な瞬間だ。
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