http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=16363
映画「トロン」を観たのは中学に入ってからだったと記憶している。
当時はまさにこんな具合のテレビゲームが巷に溢れていて、画面の奥深く広がるマトリックスに実際に身を躍らせられたらどんなにエキサイティングだろうと夢想していた。
当時はまだサイバーパンクという言葉自体がなく、そういう意味で「トロン」は革新的であった。
ただ、何回もやれば飽きるゲームのように、「トロン」も見飽きれば記憶にすら残らない出来だったのは否定出来ない。
事実、「トロン」の続編が出来ると聞くまで、すっかり忘れていたくらいだ。
あらためてようつべで当時の映像を観ると、何と古臭い絵だろうか!!でも、同時に、八十年代の不確かな空気そのものが肌に蘇ってきて、学校帰りにゲーセンでゲームに没頭していたあれやこれやを思い出して、思わず微笑んでしまう。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=336755
そして現在。
約三十年の時を経て、続編が出来たとのこと。
サイバーパンクが死に絶え、ローテクとハイテクがクロッシングした今。
「トロン」の世界観はクリアにはなったものの、前作のビビッドな感覚は全くないのには、まあこんなものだろうとため息をついてしまった。
若者には確かにイマドキで、前作の「トロン」は観るに値しない、ジャンクSFだろうが(あの「JM」でさえジャンク扱いされているくらいだ)、電子世界がまだ出来たてのホヤホヤだったあの時代、個人の人間性が失われてゆく朦朧、曖昧とした空気、あの瞬間にああいう映画を観ることが出来た興奮は、逆立ちしたって味わえるものではない。
従って、私は「トロン・レガシー」に「トロン」の影を追い求めながら、自らの内に八十年代の空気が蘇るのを愉しむことだろう。
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