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2010年09月28日22:45

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伏魔殿より、「メーテル・ライジング」。

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万太郎の妹、馨は教職の身でありながら、コミケでは名を知られた同人作家だ。
無節操に、版権もののジュネ本(今ではジュネとはもう言わないそうだが、要するにお耽美ボーイズラブのことである)を連発するので、悪名高いといった方がいいかもしれない。

その馨が今度は松本零士先生の作品をボーイズ・ラブ化する計画を立てているのだそうで、よしながふみさんの「大奥」みたいに、メーテル、エメラルダスを美青年にし、ハーロックを美女、鉄郎を美少女にして、メーテルとエメラルダスの恋愛関係を描くと意気込んでいる。
それは彼女の妄想だから、あっそ、で終わるはずだった。

当寺の土蔵は犬神図書館の別館で、貸し出し禁止の超激レア本(祖父が集めていた江戸時代の妖怪本、オヤジのエロ本コレクション、海外のエロコミック雑誌コレクションなどなど)が所蔵されているけれども、奥の納戸は“伏魔殿”と呼ばれていて、この私の、誰にも見せたくない、いちばん恥ずかしい「黒歴史」が詰め込まれている。
そのなかに、私が小学校の時にわら半紙で作ったマンガ本があって、自己流の「銀河鉄道999」シリーズがあるのだが、私がいつだったか、馨の前でうっかり漏らした、「メーテルがガイコツになって、冥王星の氷の下に眠る生身の身体を取り戻しに行く話を描いたことがある」を馨がいつまでもしつこく覚えていて、読みたい!!の一言を一日だけで一万回は言い放ったので、根負けした私は、現物は絶対見せないことを無理矢理呑み込ませ、詳しい筋を教えた。

小学生の稚拙な絵柄が先行してしまって、イメージが壊れてしまってはただのネタでしかないからだ。
こう見えても、ちゃんと真面目に二次創作していたのである。

メーテルの導きによって無事機械の身体を手に入れた鉄郎は地球に戻って、熱い心を持つゲリラとして、生身の人間、半機械化人の仲間たちと、全機械化人が率いる地球政府と戦う日々を過ごしていた。

註)当時はまだ少年キングで連載中で、原作の鉄郎はメーテルと旅の途中であった。

次々と仲間を失い、自らも重傷を負い、脳を破壊される寸前で、地球政府軍の軍隊がワープしてきた999に蹴散らされ、車掌に救出される。
999によって新しい身体を得た鉄郎が客室で見たものは、黒マントを頭からすっぽり被った細身の女性で、マントからのぞく手はしわくちゃの老婆だったが、目はメーテルのものだった。

自分のオリジナルが眠る冥王星が移民系地球人の武装組織によって支配され、太陽系を離脱し、暗黒星雲へ隠れてしまった。
そのため、オリジナルと仮の姿を結ぶ脳波が弱まり、急速に年老いているのだと。
仮の姿であるメーテルが死なないうちに、新しく宇宙の戦士に生まれ変わった鉄郎は、メーテルを影で助ける声(ドクター・バン)とともに、999で廃線になった「移民用銀河鉄道路線」を辿って、冥王星の行方を知る生身の人間たちを追う・・・

私のマンガは松本零士先生の絵柄をそっくりに真似たつもりだったが、メーテルがガイコツになった、鉄郎が無表情な機械化人になった絵が当時の999ファンの友人たちにはショッキングだったようで、三話描いただけでお蔵入りになってしまった。

以上の筋を馨に語って聞かせたら、友人に松本零士先生の大ファンの絵描きがいる、早速話して一話分「再現」してもらうと興奮していた。

ちなみに馨には話していないのだが、私の「メーテル・ライジング」の元になったのは、松本零士先生の初期の作品、「機械化人都市(マシンナーズ・シティ)」、「ミステリー・イヴ」だ。

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読んだことのある方なら、ははぁ、なるほどとニヤリとしてしまうだろう。
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