お見合いは、即結婚という運びにはならなかったけれども、破談でもないという、煮え切らない結果になった。
八重バーのお花の弟子である三人の京娘たちは、事前に私とメールのやりとりをしていたおかげで、ヘンな先入観念なしに、スッと自然体で会話に入っていけたのだが、それぞれの親御さんたちは初対面だけに、私とは紋切り型の付き合いしか出来なかった。
今までの経験からして。
交際相手の親御さんに好かれたことは例外を除いて、ほとんどない。
はっきり言って、娘とヤッたバカ野郎として嫌われたのだが、嫌われ方は以下のパターンに分かれていた。
� 崋�分以上に物知り、経験豊富なのが気にくわない」
�◆崢鯵仂祿下圓里�せに頼ってこない、自信たっぷりなのが気にくわない」
��「本気なのか冗談なのかいまいち掴みきれず、なかなか隙を見せないのが気にくわない」
これは私のことが嫌いな人全員に共通することなのだが、こればっかりは改善しようがない、私自身のキャラクターなのだから、知人という名の他人ならば目の前から消えることで事が足りる。しかし、娘を通して家族になるかもしれない相手だったら話は違ってくる。
それで今までにおいて、交際相手のおやじさん、おふくろさんとはあまりいい思い出がない。
今回のお見合いも、事前に私の社会的立場、収入などに一応合格点は出したけれども、いざ会ってみると、娘の結婚相手としては不合格とのことであった。
一人は「昔いじめられていたいじめっ子に似てる」、二人は「かわいくない」と好き勝手なことを言っていたそうだが、要は好きになれないわけだから何を言っても同じに聞こえる。
それとは逆に、三人のお見合い相手は、三人とも私のことが好きになってくれたようで、親は無視してこれからも末永いお付き合いをと希望してきたので、私はにっこり笑って承諾した。
そんなわけで。
私はこれからも親御さんだからと、猫かぶりをして、おべっかを使ったり、好物の付け届けをしたりするような真似はせず、本音まるだしで、嫌われ上等という付き合い方をしていくだろう。
なあなあの付き合い方も大人の付き合い方だということは知っているけれども、私個人はそういうのがいちばん大嫌いなのだ。穢らわしい。
八重バーはその場にいなかったが、弟子たちから事の子細を聞いて、ふうーっとため息をついていた。
「ま、別に、あちらの親御はんと結婚しはるわけほなりまへんさかいな」
私は八重バーのやれやれという顔を見て、にっこりとニヤリの中間点でいい笑顔を見せてあげた。
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