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2010年01月25日23:14

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行燈の灯りであやかしを見る。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1381216120&owner_id=1640816

過去日記で述べた通り、おヒルの妖怪小説の執筆は順調に進んでいる。
作品の重要なアイテムが行燈だということで、私は犬神図書館から「民家のデザイン」(川島宙次著・相模書房)などの資料を持ってきて、見た目からの知識を仕入れさせると、

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骨董店などを巡って、実際の行灯に触れさせたりした。

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そして、行灯の描写が素晴らしい、泉鏡花のドイツ語版を知人から借り受けて読ませたりもした。

私自身の行灯体験は。

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祖父の隠し部屋であった。
土蔵の中二階にリスの巣穴のような丸い格子窓のついた部屋をこしらえ、そのなかにコタツやら火鉢やら行灯やらを持ち込み、鉄格子のはまった小窓から吹き込んでくる冷たい外気を脳天に浴びながら、東京日日新聞から妖怪の記事ばかり集めてスクラップブックを作っていたのだ。
このへんは、過去日記で語っているので新しいマイミクさん、読者さんは以下のリンク先をご参照あれ。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1089675382&owner_id=1640816

昭和十一年以降、ナショナル電球(裸電球)が取り付けられても、祖父は頑固に行灯を使い続けていたのだが、その理由を日記でこう書いている。

本日初めて、電気による灯りの下で家族とともに夕食。
なるほどこんなに明るいと、鰤の照り焼きの飴色の輝きもハッキリ見えてきて食欲がわいてくる。
本も今まで以上に読めそうでなかなか便利だ。
しかし、自分にはやはり行灯の灯りが性にあっている。あんまり明るいと、今までせっかく見えていたものが見えなくなってしまうからだ・・・

今までせっかく見えていたものについては書いていなかったが、わざわざ口に出して言わなくても、読者諸兄には分かりすぎるくらいお分かりのことであろう。

幼少時、祖父に土蔵の中二階に呼ばれて、妖怪記事のスクラップブックを見せられた時は、そのなかから妖怪が抜け出てきて自分の背後に立っているような奇妙な感じに襲われたものだ。

暗闇を強調する灯りと祖父は行灯の灯りについてそう表現していたが、その通り、妖怪を妖怪としていちばん感じとりやすい灯りであった。

現在。

祖父が愛用していた行灯は、「有明行灯」といって、本などを読む時は箱から上げ、寝る時は箱の中に灯りをつけたまま下げるというもので、それなりに価値あるものだそうだから、麻雀でボロ負けしたオヤジが負け分を支払うために古道具屋に高く買い取ってもらって、現存していない。

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私は火事が怖いので、今はニトリで売ってる行灯風ライトを使っているが、祖父が言う、蝋燭の揺らめきで影が忍び寄ってくるような感じが電灯では味わえないので、やっぱり蝋燭だなあとしみじみ想いを馳せている。

おヒルの帰国時には行灯もプレゼントするつもりだが、これは自分で造った方が早いので、アンティーク家具の店から木材、通販で和紙を仕入れよう。
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