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2009年11月18日17:22

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座敷わらしの作り方。

「座敷わらし戻って」と義援金
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1024453&media_id=2

母の実家は白蛇を祭る家柄で、何人か祈祷師を輩出しているため、子供の頃はそれ系の話ばかり聞かされたものだ。
雪女が空を飛んできて追いかけてきたとか、祠を壊したら真っ黒な毛むくじゃらのものが飛び出してきたとか、そういう話は聞いてて楽しかったのだが、人間のドロドロしたものがからむともう聞くに堪えない陰惨な話になる。

そのひとつが、「座敷わらしの作り方」であった。

その家に座敷わらしを棲みつかせたいと望むならば、自分の子供、または孫のうち、病弱なものがいたら、一室を与えて広々としたなかに布団を敷いて寝たきり生活をさせる。
世話は食事、排泄、入浴のみ。
本などいっさいの娯楽を与えず、ぴったり閉ざした雨戸のなかの暗い部屋で孤独なままに六歳になるまでに死なせる。
念を入れるべきは、雨戸に覗き穴を開けて、子供が外の様子をうかがうことが出来るようにすること。
外では近所の子供たちを招いて、思うがままに楽しく遊ばせること。
そうすることで、子供の心のうちに現世への執着が生まれるように仕向ける。
それらすべてがうまく成った暁には、子供の霊は浮かばれずにその家を彷徨い続けるであろう。
その霊を祭ることで、座敷わらしは完成する。

大叔父からその話を聞かされた幼い私は、いくつか質問をした。
「もし病弱じゃなかったらどうするの?」
「毒を飲ませて弱らせるんじゃ」と大叔父。
「もし六歳までに死ななかったらどうするの?」
「そりゃ殺すしかないわいなぁ」と大叔父。
「そこまでして座敷わらしを棲みつかせたいの?」
「そりゃそうじゃ、家を栄えさせるためなら何でもやるもんじゃ。我が子より家。昔はそういう家が多かったんじゃ」と大叔父。

ニュースを見て。
義援金が集まって旅館を再建するだけでは、座敷わらしは戻ってこないだろう。
元々いた座敷わらしが自然に生まれたものなのか、意図的に作られたものなのかは分からないが、すべての妖怪が人間のなかから生まれたものである以上、ほんとうに戻すためには、やはり子供をいけにえにするしかないだろう。

そして。
幼い頃の私は大叔父の陰惨な話を聞いた直後、はっと気がついた。
なにゆえに、座敷わらしが去った後はその家が没落するのか・・・
そういう作り方をすれば、“祟り神”になるのは当たり前だからだ。
それを祭っているあいだは祟られずにすむが、少しでも禁忌を犯せばたちまち子供の霊に復讐される・・・

火事になったのは、遠い昔、家の繁栄のために殺された子供の祟りの封印が解けたからに違いない、と心の隅で私は確信している。

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