http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=16826
高校時代。
私は友人とパルコへケン・ラッセルの映画特集を観に行った。
そこで、上映が始まる前にトイレで小便をしていたのだが、赤鬼みたいに顔を真っ赤にした白髪の白人が隣に立って小便をし始めた。そこで、白人は私のを覗き込んで、私の顔を見てニヤッと笑ったので、私もニヤッと笑い返してやった。
その白人がケン・ラッセルだった。
その場で初めて観た「肉体の悪魔」。
有名なルーダンの悪魔憑き事件を題材にした、“史上最も凶悪な映画”とうたわれたカルト作品を目の当たりにした私はただ、ただ、圧倒されるばかりだった。
http://www.msz.co.jp/book/detail/07397.html
ケン・ラッセルは真面目に撮ったと語るが、それはその通りであろうが、ケン・ラッセル特有のお茶目さが混在したブラックな演出には思わず笑い声があがってしまう。
それゆえに公開当時は英国にて教会の非難を「ダヴィンチ・コード」の比ではないくらい浴びたそうだが、現在ではカトリックの教材として使われているというのには耳を疑ったものだ(ただし狂乱のシーンはさすがにカットされているとのこと)。
まずオリバー・リード演じるグランディエに想いを寄せるせむしのシスター(演じるのは名女優ヴァネッサ・レッドグレーブ)が凄まじい怪演である。
他の出演者も圧倒的な存在感なのだが、個人的には悪魔祓い師がロックスターみたいで、ここにケン・ラッセルのお茶目さを感じた。
ちなみに以下の映像が、我が国のビデオ、カトリックの教材からカットされた狂乱のシーンの一部。
素晴らしい!!笑。
そして、無実の罪を着せられ、両脚に杭を打たれ、火あぶりの刑で黒こげになっていくグランディエに熱狂する民衆に、私はリアルでもすっかり民意というものを信用出来なくなってしまっていた。
そういう意味で、人間のなかに潜み行く「悪魔たち(原題がTHE DEVILS)」を描いた映画だと思い知らされたのであった。
ちなみに美術デザインを担当したのが、若きデレク・ジャーマン。
こんな作品は二度と世に出ないであろう、それだけに絶対に一度は観ておくべきである。
ログインしてコメントを確認・投稿する