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2009年10月05日00:07

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あなたを感じたい。あるいはコレット・カラッショーネの絵。

誰だったか失念したが、フランスの哲学者が言うには「ラブレターは精神的なセックス」だそうだ。
これは小学生時代からラブレターを連発していた私にとっては、分かり切っていたことで、小学六年の時にこっそり読んだエオン・エキスの「強姦の形而上学」(現代思潮社)で、女性もまたラブレターで意中の人を精神的に強姦するということを悟った。

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従って、画像のように木のうろにラブレターをこっそり忍ばせる図はロマンティックさと同時に、女性の隠れた性欲を感じてしまうようになった。

中学生になって自分でも小説を書くようになった頃、鍛え上げた文章力で“精神的な強姦”であるラブレターを一筆入魂で書いて相手に送ったのは二人だったが、一人が交際を了承する返事をくれた。
返事をくれなかったもう一人は真っ先に父親が読んで、何かを感じたのだろう、娘の目の前でびりびりに破り捨ててしまったのだそうだ。
だから、私宛てに一体何を書いたのかとわざわざ聞いてきた彼女に、私はただニヤッと笑ってみせて「キミはキレイだ、ヤリたくてたまらんというのを遠回しに書いたんだよ」と言った。
その時の彼女はドン引きしたが、親友の一人が私からのラブレターがきっかけで私とつきあうようになったのを端から見ていて、私のラブレターがどういう文章なのか知りたくてしょうがなくなったらしく、親友に強く頼み込んでやっと見せてもらい、そこで号泣してしまったという。

何と書いてあったのかは、書いた本人なので照れ臭いから打ち明けることはしないが、どこにも“キミとヤリたい”と書きはしなかったとだけ言っておこう。

それでも乙女にとっては結論として“私とヤリたいのね”と受け止められるので、異性から熱烈な想いを打ち明けられるというロマンティックな乙女の夢は叶えられるのだ。

若かった私はほんとうに“タチ”の立場で、肉体的にも精神的にもヤル側というのは早見純の「ラブレター・フロム・彼方」の領域に近かった。

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ラブレターでも猛然と「攻める」。

そんな私が生まれて初めて異性の方からラブレターをもらったのは、高校一年の時で、「ラグビー部の練習が終わって泥まみれのまま、美術部で絵を描いているあなたの不思議さに惹かれました」と書かれているのを読んで、その夜は正体不明の差出人の女の子に小便の最中に背後から包丁で刺されるという夢を見て昂奮した。

やはり、女の子の側の“精神的な強姦”を感じたのだ。
強姦への衝動のもとには、男尊女卑などありえなく、突き詰めれば男女平等のケダモノじみた欲望しかないのだが、それは決して卑しいものではなく、かえって嘘偽りのない、まっさらな正統さを感じる。
テレビドラマやマンガなどに憧れて、自分自身を偽って、憧れのシチュエーションになぞった恋愛ほど空しいものがあるだろうか?

だから、憧れのシチュエーションとはほど遠いところにいる私にラブレターをくれた女の子を私は尊重した。
いざ会ってみると、彼女も私と同じように自分自身に真っ正直で、かなりの変人だった。
それで卒業まで楽しいおつきあいをした。

それ以来・・・数多くのおつきあいを重ねたが、いずれも電話とメールが主な連絡手段で、ラブレターはさっぱりだった。
高速のおつきあいばかりで、遠回しなおつきあいは皆無だったせいだろう。

それが今日、この年齢になって人生二度目のラブレターをもらった。
差出人は近所の犬神チルドレンの小学六年生である。
彼女にラブレターを書かせたのは、文面によると、見た目はエロオヤジなのに中身は全然違うので興味を持ったのだそうで、そもそものきっかけが、かっこいい待ち受け画像をちょうだいと頼んだら、コレット・カラッショーネの絵をくれたことだったとのこと。

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註)コレット・カラッショーネについては以下のサイトを。私の好きなアーティストの一人です。

https://www.pinterest.jp/simonalarom/colette-calascione/

最初は前にmixiのトップにしていた日野日出志先生の絵をあげようと思ったのだが、

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小学生にはキツイだろうと、比較的ロマンティックなコレット・カラッショーネにしたのである。
携帯の待ち受け画像にしたところ、クラスで大評判で、今までと全く違う目で見られたので、自分も違う自分自身にならなければならない、そこで私のことばかり考えていたら、私をもっと感じたいと思うようになったと、かなり強い調子で書いてあるのを読んで、私はなにゆえに彼女がコレット・カラッショーネ本人をもっと感じたいと思わないのかを考えてみた。
確かに紹介したのは私である。
紹介されてその絵に魅了されたのなら、絵を描いた画家の方へまっしぐらに突き進むのが当然だと思っていたのだが、彼女がほんとうに“感じた”のは、絵を選んだ私自身の遊び心だったらしい。
だから、自分のためにこの絵を選んだ私の内側の世界をもっと知りたくなったのだろうと・・・

そんなわけで。

小学生が相手では肉体的なセックスは無理なので、精神的なセックスのみの関係になることであろう。
それは、肉体的なそれよりはるかにみだらでありながら、同時にプラトニックでもある。
その関係を申し込んできた彼女を、私はもちろん心の底から尊重する。

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