藤子不二夫A先生のダークサイド大爆発の最高傑作、「魔太郎がくる!!」。
犬神図書館にちゃんとあるのだが、「ブラック商会変奇郎」は読まれても、なぜか魔太郎だけは敬遠されている。
ウチに出入りしている子供たちに、なぜ読まないんだ?と聞いたら、生々しくてなんかイヤだとの返事。
そうかもしれない。
実際、私も小学校の時、魔太郎に生き写しなクラスメイトがいて、そいつをイジメていたことがあるのだが、そいつがとうとうブチ切れて「うらみはらさでおくべきか!!」と絶叫したのをきっかけに、手もみをしながらご機嫌取りをしたものだ。
イジメる方も、イジメられる方も、ちょっと表情がこわばってしまうくらいの生々しさがこのマンガにはあるのである。
私はこのマンガのおかげで、無意味なイジメはやめようと改心したくらいだけれども、別の角度から読んだら、徹底的なダークサイドぶりがかえって痛快な作品であることに、少し大きくなってから気づいた。
ツッコミどころはたくさんあるのだが、以下の秀逸なサイトがすべてを代弁しているので是非ご参照あれ。
http://kuromakumiai.web.fc2.com/mata-uramiharasade.html
私はなぜか、魔太郎が着ている薔薇柄のロンTが欲しくて、実際に売ってないかどうか上野のアメ横をさまよったことがある。
ああいう突き抜けた悪趣味ぶりに一種のカッコよさを感じたのである。
一番好きなエピソードは何といっても、「人形の家」だ。
からくり仕掛けの人形で魔太郎をイジメる(イジメなんてものじゃなく、放火もやってのける)少女が魅力的で、サディズムに走る乙女の可愛らしさをかえって感じたものだ。
だから、魔太郎もフェミニスト(?)らしく、大ヤケドを負った自分の形相を見せつけることですませている。
それにしても。
現在。
魔太郎がネット社会の陰湿さに沈んでいたとしたら。
うらみ念法は一体どういう形で炸裂するだろうか?
そして。
魔太郎を知らない子供たちは、ネット社会での心の修行がまだまだ足りない。
なぜ、心から「うらみはらさでおくべきか!!」と叫べない?
そういうことなのだ、これからは親御さんもしっかり我が子に読ませるべきだろう。
ちなみに。
私がイジメた、リアル魔太郎は、今ではパソコン部品を扱っている会社のセールスマンである。
ほんとうに根暗なヤツだったから、セールスマンをしていると聞いた時に、「笑うセールスマンじゃねえのか?」と思ったものだが、元気でやっているというのには安心した。
七十年代を子供として過ごした大人たちのなかには、魔太郎のおかげで救われたのが確かにいるのだ。
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