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気になるロコモティブシンドロームのRT:

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運動機能の維持が重要 ロコモティブシンドローム防ごう 「健康寿命」をより長く 超高齢社会の新たな課題

[更新日時]2012年12月28日
●日本整形外科学会理事長 九州大大学院医学研究院整形外科学分野教授 岩本 幸英氏

超高齢社会を迎え、「自立した老後」への関心が高まっています。そんな中「ロコモティブシンドローム」(略称・ロコモ)がクローズアップされています。ロコモとは何か、なぜ重要なのか、日本整形外科学会理事長で九州大大学院医学研究院整形外科学分野教授の岩本幸英氏に聞きました。

▼脳血管障害を抜きトップに

−2013年度から始まる健康推進の国民運動「健康日本21(第2次)」でも取り上げられている「ロコモティブシンドローム」について教えてください。

岩本 体を動かす器官である骨、関節、筋肉、神経(総称して「運動器」)の障害によって、既に要介護になっているか将来なるリスクが高い状態です。簡単に言えば、立ち上がって歩くという移動の能力が落ちている状態で「運動器症候群」ともいいます。ロコモは、日本整形外科学会が07年に提唱しました。

−提唱の背景にはどういうことがあったのですか。

岩本 要介護・要支援となる原因のトップ3は、脳血管障害、認知症、加齢による衰えですが、4番目の関節疾患、5番目の転倒による骨折などをくくった「運動器疾患」が占める割合は、脳血管障害を上回ります。国民に運動器疾患の重大性を分かりやすく伝えねばならないと考えました。もう一つは、患者さんが複数の運動器疾患を抱えてロコモの状態になっていた場合、治療者側に骨や関節など一つの病気を治す意識しかないと、本人は歩けるようになりません。運動器全体に目配りした治療を促す必要もありました。

▼予備軍含め4700万人

−ロコモになる原因は何ですか?

岩本 運動器の疾患、加齢による筋力低下、同じく加齢に伴うバランス能力の低下−の三つです。ロコモの原因となる運動器疾患で代表的なものを挙げれば、骨粗しょう症、変形性脊椎症、変形性膝(ひざ(しつ))関節症などです。住民健診の結果から、これらの疾患のいずれかを有する人は、予備軍(まだ症状はなくても、既にエックス線検査などで異常所見がある人)も含めると、全国で4700万人と推計されています。いかにロコモが多いか、お分かりになると思います。

−自分がロコモなのか、そこまでいってないかは、病院で診てもらわないと分かりませんか?

岩本 日本整形外科学会は、自己チェックするだけで判断の目安がつく「ロコチェック」を、冊子やホームページなどで示しています。具体的には(1)家の中でつまずいたり滑ったりする(2)階段を上がるのに手すりが必要(3)15分くらい続けて歩けない(4)横断歩道を青信号で渡り切れない(5)片脚立ちで靴下がはけない(6)2キログラム程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難(7)やや重い家事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難−の7項目のうち、一つでも当てはまればロコモの可能性があり要注意です。

該当することが最近悪化しているとか、複数当てはまる場合には、ぜひ整形外科を受診してください。例えば、「15分くらい続けて歩けない」人には、関節や脊椎の疾患が隠れている可能性があるからです。医師は、診察や精密検査の後に、必要があれば疾患の治療を行います。

▼筋力とバランス能力が低下

−ロコモと診断された場合、どんな治療になりますか?

岩本 ロコモと診断する過程で運動器の疾患が見つかれば、治療を優先します。病気の進行を止めないと重症化し、最終的に寝たきりになってしまうからです。整形外科治療の80%以上は保存療法といって、薬物治療、リハビリなどの運動療法、温熱療法などです。保存療法でどうしても治らないときに手術となります。

−ロコモの状態の改善や、ロコモになることを予防する方法はないのでしょうか?

岩本 運動器疾患がなかったロコモの人やロコモが心配な人は、運動器の状態に応じて筋力とバランス能力の低下を防ぐトレーニングを実践してほしいですね。日本整形外科学会が考案した「ロコモーショントレーニング(ロコトレ)」がお勧めです。

その中で中心になる運動が「開眼片脚立ち」と「スクワット」です(図参照)。前者はバランス能力と筋力を、後者は太ももの大腿(だいたい)四頭筋やお尻の大殿筋を鍛えます。他にもウオーキングやストレッチなどもロコトレに入ります。体重が標準体重より重い人にはダイエットを勧めています。

−筋肉や関節は鍛えないと衰えるということですね。

岩本 寝たきりになると筋力は1週間で20%落ちるというデータもあります。重力のない宇宙空間で生活する宇宙飛行士も筋力、筋肉量、骨密度がすぐに落ちます。ただ、トレーニングは負荷が大き過ぎないように注意することが肝心です。登山で膝関節にかかる負荷は体重の5倍なんですよ。その上、重いリュックなど背負うと、変形性膝関節症の方は、症状が悪化してしまいます。逆に水中歩行やサイクリングは、あまり負荷をかけずに筋力を付けることができます。例えば太極拳は、バランス力も筋力も上がる有効なトレーニングです。

▼健康で自立した老後生活を

−ロコモの改善や予防の重要性が、よく分かりました。

岩本 ところが「ロコモ」自体、実はまだあまり知られていないのです。今年2月に日本整形外科学会が実施した調査で「ロコモティブシンドローム」を知っている人はわずか17・3%でした。国は第2次「健康日本21」で、ロコモの認知度を10年後80%に引き上げることを目標にしています。

かつてロコモ並みの認知度だった「メタボリック症候群」も00年からの「健康日本21」で取り上げられ、今では9割超の人に知られています。来年から、地方自治体もロコモの啓発や予防にこぞって力を入れるので、目標は達成できるはずです。

−ロコモ予防に国も本腰ですね。

岩本 日常的な介護を必要とせず、健康で自立した生活が送れる生存期間を「健康寿命」といいます。国は今年6月、10年の健康寿命を、男性70・42歳、女性73・62歳と発表しました。同年の平均寿命は男性79・55歳、女性86・30歳ですから(グラフ参照)、亡くなるまでの10年間前後は何らかの病気で健康を害し、残念ながら自立できない生活を送る計算になります。

日本人の寿命は、この先も若干延びると予測されているため、「健康寿命の延伸」は、国民一人一人の幸福のためだけでなく、国の医療費抑制のためにも最重要課題なのです。健康寿命を延ばす有効な方法の一つは、運動機能の維持です。中年以上は運動器を適度に鍛える生活を心掛け、高齢者は自分の運動器の状態を「ロコチェック」で把握し、健康な老後を送っていただきたいですね。

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