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こころに絵本をコミュの【08年も絵本ですごすアドベントを】

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コミュメンバーのみなさん

モンとのです

ほんとに時の過ぎゆく早さにおそれを感じながら
あっというまに、そして、なにも書き込めないままに
また、冬になってしまいました。

このコミュを愛してくださって、じっと退場せずに
堅い椅子で待ち続けてくださった皆さんに
感謝を込めてクリスマスまでのアドベントの贈り物をいたします

コミュの復活とクリスマスは
希望と愛でつながるコンセプトかなと
勝手に自己弁護してます。

絵本ですごすアドベント
降誕を待ち望むしずかな時間なのでしょうが
信仰は自由にしていただいて
その博愛の精神をクリスマスに託したいと思います

クリスマス関連のすてきな(とご自分がおもえばいいです)絵本
クリスマスもサンタもでてこないけど、愛が感じられるあたたかい絵本
そして、児童文学やおとなの文学まで
こころのなかに薪ストーブを運んできてくれる本なら
すべて出場者としましょう。

できれば、画像や、著者名、出版社名などの情報もつけましょう

では、始めます
毎日続けることを「目標」にしますが・・・

コメント(25)

2008年のアドベントは、絵本ではなく児童文学からです

『アドベント・カレンダー』
ヨースタイン・ゴルデル著
NHK出版(1996年初版)

題名から、アドベントカレンダーですから
このトピの表紙を飾るにふさわしい本ですね。

この著者の名前に「どこかで見たような?」という想いを抱く人も少なくないでしょうね
そうです、かなり前になりますが、若い人にまで哲学ブームをもたらすという
社会現象をおこしてしまった
世界的なベストセラー『ソフィーの世界』を書いた人です。

そのヒットに便乗するように出版されたのでしょうが
『ソフィー』ほどの売れ行きではなかったので
もう、入手が難しいかもしれませんが
図書館ならまだ並んでいるはずです。

この本は、児童文学ですが、おとなのこころにも十分以上のおいしさをとどけてくれます。

味わいの「おだし」は、ファンタジーとミステリーとヒューマンラブ
それが、ほどよくバランスしています

主人公の少年と両親
秘密のアドベントカレンダーに隠れている」物語の主人公の少女
(何十年も前に行方不明になった実在の少女)
そして、ファンタジーの物語が
一日ずつ24日間、息もつかせずに時空の旅に連れ去ってくれます

一気に呼んではもったいない感じがする本です
お子さんに、1〜2週間かけて読み聞かせしたらぴったりかもしれません。

映画にロードムービーというカテゴリーがありますが
この本と作者のあたまは
それを遙かにしのぐ想像力で読む者を唸らせます

なにしろ、北の果てのスカンジナビア半島から
ヨーロッパをずんずん突っ切って地中海から中東まで
その雄大な地理的スケールと
現代(20世紀ですが)からイエス生誕の時までを
タイムマシンのように2000年をさかのぼりながらの旅です
作者のことばを借りるなら
「下りのエスカレーターを駆け下りるような」旅です

キリスト信者でなくても、どうしてこんなに歓迎されているのか
クリスマスの意味が、おおきくうなずけるうれしさもあります

12月10日の「ファンタジー物語」部分の最後には
こんな言葉がおいてありました。
せりふの主は、旅の仲間の天使のひとりエフィリエルです。


  「・・・同じ人間がいないように、同じ天使はひとりもいない。たぶん人間はまったく同じ機械を千台作るることができるだろう、でも、そんなことは簡単だから、人間にもできるのだ」
  最後にエフィリエルが言ったことばを、エリーサベトはしっかりと心に刻んだ。
  「地上の一人ひとりの人間は、その人であるというだけで、もう完璧な創造物なのだよ」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

*アップしようという段階で表紙の画像がみつかりません、日記には張ってあるのですが??
 明日、別に貼り付けます。


『アドベントカレンダー』のカバーです

すてきな装丁なので見開きのようにして取り込みました
お楽しみください。
『ゆうびんやのくまさん』
フィービとセルビ・ウォージントン さく・え
まさき るりこ やく
福音館書店

小型の絵本です
世界傑作絵本シリーズのイギリスの絵本のなかの1冊です

一人暮らしのくまさん
ゆうびんやさんのお仕事を、朝早くから一日中せせとこなしています

クリスマスという特別な季節に
このちいさなくまさんのような郵便屋さんが
たくさんの贈り物をサンタのように
こころをこめてとどけているのですね

ほころびた包みを繕い治して人形をはこんだり
すこしおもてなしをうけたり

でも、いちにち働くととても疲れて
あたたかいお風呂とベッドがいちばんののです

クリスマスをむかえる人々(こどもたちも)と
それをささえる
ちいさな献身のすてきさを
かわいいちいさなくまさんの奮闘ぶりを
力まずに静かな語り口で描写してくれて
こころが、ふんわりとあたたまります。

テディベアのゆうびんやさんが
贈り物をとどけるために、さまざまな郵便の作業をしている

きっと、あなたのちいさな献身も
くたびれるけど
充足感にみちた夜を持ってくるはず。

淡い色調の水彩で、レトロな雰囲気の
やさしい絵が、
寒いイギリスの冬を
あたたかく見せています

地味ななかからきらりと光る
おすすめの1冊。
今年の冬もクリスマス絵本、楽しみたいと思います(*^_^*)

『クリスマス・イブ』
マーガレット・W・ブラウン 文
ベニ・モントレソール 絵
やがわすみこ 訳
ほるぷ出版

クリスマスの絵本表紙というと赤や緑、
夜空を表す深い碧が定番でしょうね。
こちらは白のバックにオレンジと黄色が目を引きます。

四人の兄妹が主人公、
クリスマスイブの晩に寝付けない子供たちが階下のツリーを見に行くお話です。
父母の部屋の前をしずかにしずかに通り過ぎ、
階段がきしむ音さえも胸がどきどきします。

毛布を引きずりながらの妹に、こちら側の読者も思わず息をひそめずにはいられません。
特別な夜の小さな冒険です。
一人きりじゃない、と勇気と安心がいったりきたりしているのかもしれません。
ツリーの魔法に導かれる、本当に特別な夜。

彼らの存在を通して澄んだ空気と輝く世界を体感させてもらえます。

表紙のようなツリーをご一緒に楽しみませんか?
柿乃さん

ワイズブラウンの文章はとても簡潔でその奥に深い味わいがひそんでいますね
ご紹介の本はまだ手にしたことがありません
ワイズブラウンファンとしては、見逃せない一冊!

また、さらなるアップをお待ちしています。

モンとのの今夜の分は
『黒ねこのおきゃくさま』にしようと思います
これからNY(お風呂)に行ってきてから
深夜便でアップしましょう!

『黒ねこのおきゃくさま』
ルース・エインズワース 作
荒 このみ 訳
山内 ふじ江 絵
福音館書店

こころに傷をかかえて生きてきた人は
自分を含めて、人間を信ずることがちょっと苦手です
その代わりのように、小動物や植物が好きだという傾向がつよいのですが
その傾向の中でも、ダントツに多いのが「ネコ好き」という人たちです。

ねこと会話をしたり、猫たちの集会を傍聴したり
さまざまな話を聞きます。

この絵本の主人公も猫が好き
ただ、孤独と老齢と貧しさの三拍子がそろってしまって
ネコを飼ったり、お客さんへのもてなしなど思いもよらない暮らしです

そこへ雪の夜に倒れ込むようにしてちん入してきた
真っ黒なネコ
大変な思いをして暖めたり、食べさせたり
自己中心的ともおもえるような「要求の塊」のそのネコちゃんに
てんやわんやしつつも、最後の食べ物や薪までつぎ込んでしまって・・・
やっと翌朝には元気になってわかれを告げるのですが

その瞬間、振り返ったネコが話しかけてきます
「・・・どうして、わたしをおいだして、とびらをしめてしまわなかったの?」
でも、おじいさんは、普通のことのように
驚きもしないで、ネコと言葉を交わして
分かれます

「・・・知らない者同士だったけれど、今じゃあ、ほら友だちじゃないか」

そして、ミルクも、食べ物も、薪も使い果たした老人の家に
しずかな奇跡が現れます。

このお話は、英国BBCラジオの番組「LIsten With Mother」のために書かれた
いくつかの作品のなかに入っていたものだそうです。
作者は1984年になくなっていますから
英国で絵本にはならなかったようですね

絵本としては、日本の出版社から10年前に出版されました
ですから、画家は日本の女性作家です
最初、そういう東西のコラボレーションとは気がつかないほど
とても自然に、英国の冬が描かれていて
絵も輸入かな?とおもっていました。

パステルを主体にしたとても柔らかい色調です

くろねこの姿や表情がなんともきれいですし
場面ごとにさまざまな姿態が表情豊かに描かれていて
ネコ好きにはたまらないページがつづきます
小さいからだいっぱいに
いのちの尊厳を感じさせています。

クリスマスの愛にふさわしい一冊です。
『月夜のみみずく』
ヨーレン 詩 / ショーエンヘール 絵
くどう なおこ 訳
偕成社

1988年度のコルデコット賞受賞の傑作ですね
この本はクリスマスに直接関わるテーマではありませんが
静かな雪の夜の田舎(アメリカのですが)の情景と
父と娘がたいせつなものを探しにいく
かならずあえることを信じたくて

静かな中に、こころを踊らせながら
待ち続ける・・・
待降節というこの時期につうじる気持ちが感じられて
アドベントのなかに入れました

文章は、表紙に「作」ではなく「詩」といれているように
ポエムそのもののスタイルは
美しい響きをもっていて
短いだけに、いっそうこころに染みいります。

最後のページの一節をご紹介しておきます


  おしゃべりは いらないの

  さむさも へっちゃらなの

  あいたいな あえるかなって

  わくわくするのが すてきなの−−

  それが とうさんに おそわったこと
『聖夜のおくりもの』
トリシャ・ロマンス 文・絵
中村 妙子 訳
岩波書店

作者のトリシャ・ロマンスはニューヨークでうまれカナダで育って暮らしています
欧米で美術教育をうけたあと、
新聞社のイラストレーターとして活躍しています
この絵本は、彼女の最初の絵本ですが完成度の高さには唸らされます。

その理由のひとつは、扉の献辞にあるこんなことばからくみとれるように思いました。

 
   わたしたちのポニー、トルインの思い出に

  *****          *******

   長いこと、わたしの胸にきざまれていたお話を
   ようやく絵本にすることができました
   (中略)
   わたしがあるとき出会ったトナカイの子
   スターにも、この絵本を贈りたいとおもいます
   「いつかきっと、あなたのお話を書くわね」という約束を
   スターはおぼえていないかもしれませんが
   約束は約束ですから。

   クリスマスのおおきなよろこびが、今年も、そしていつも
   この絵本をひらくみなさんとともにありますように


この献辞にあるように、ポニーとトナカイの子と、そしてまるでサンタのような
一人暮らしのおじいさんが主人公たちです

北ヨーロッパのどこかを思わせる村を舞台に
クリスマス前の、ひとびとの関わり合う絆と
しずかに、たくさんの星のような喜びをつくりだす暮らしぶり
おくりものも、デパートで買ったものなんてひとつもない
それに、お店屋さんさえなさそうな村です
しかし、とてもゆたかな、愛のあふれるクリスマス

そこにポニーとトナカイの子がからむので
こころを、きゅっとつかまれてしまう人も少なくないはず

なんといっても、たしかな絵描きとしての力と
遠近法さえ最小限にした構図に
抑制された色遣いの水彩でくりひろげるページは
あのノーマン・ロックウェルを
静謐で上品にしたようなすてきな世界です。

トリシャ・ロマンスという人の名前を記憶させて
きっと、いい絵本をこれからたくさん描きそうな予感と
本格的作家の登場を告げる1冊です
『とんでとんでサンフランシスコ』
ドン・フリーマン 作
やました はるお 訳
BL出版

こんなすてきな絵本がまだ翻訳されていなかったのですね
1958年のコールデコット賞オナーブックに輝いた作品
1978年作者は70歳で天国へのぼっています。

この絵本はいわゆるクリスマス本ではないのですが
こころが暖まる本
そして、西海岸の花の街サンフランシスコを思うとき
あそこはホワイトクリスマスにはならなくて
どんより曇ったり、雨が降ったりの冬になる
そんな街の様子も描かれているのがうれしいので
アドベントに加えました。

ミッジとシッドという愛し合う鳩のカップルと
サンフランシスコの街と
ふれあう人々と、こころを騒がせる文明社会との軋轢と・・・
からみあうヒューマンドラマのような絵本です。

それを、雄大な鳥瞰的なアングルや
ダイナミックなクローズアップで
あの街の魅力を余すところなく描いてしまった
ある意味の「サンフランシスコ賛歌」です

鳩を飼ったことのあるひとは今は少ないでしょうが
その愛らしさは、ネコやワンコと同じくらいです
この絵本に描かれた鳩は、顔や体型からも
すばらしい素質を持った鳩だとわかります
フリーマンも飼育したことがあるのかもしれませんね。

このひとは絵の勉強をしながら
jazzの才能もあったらしく、ジャズ・トランペットプレイヤーとして稼いでいたそうですが
あるとき地下鉄でその商売道具をなくしてしまい
それを機会に、すべての情熱を絵に注ぐようになったとか
おかげで、いまでもたくさんの絵本を楽しむことができるのですね。

色鉛筆と水彩の醸し出す、やさしくちょっとレトロな世界は
きっと虜になりますよ。
『雪の日のたんじょう日』
ヘレン・ケイ さく
バーバラ・クーニー え
あんどう のりこ やく
長崎出版

別のバーバラ・クーニーコミュには新刊情報としてあげてきましたが
このないようはアドベントにふさわしいと思います。

絵本と言うより児童文学の一編に
ふんだんに挿絵がつけられているような造りです

アメリカ大陸でも雪の深い地域はあんがい限られているのですね
この本の舞台は、その降雪地帯の冬に誕生日を迎える少年の
「特別な一日」をまちこがれ
わくわくしながら準備をみまもるうちに
それを意地悪くじゃまする大雪が・・・

自動車もすっぽりゆきに埋もれて身動きできなくなって
ともだちからは泣きそうな声のパーティー参加断りの電話
立ち往生した他人が助けをもとめてきて
家中からは、誕生日の空気が消えてゆく

でも、大雪という困難ななかで
ひとびとのこころは通じ合い
たすけあって
喜びを分かち合う

クリスマスはイエス・キリストの誕生日

だからというわけではないのですが
この本の読者には
「天使になる法」があたえられるという特典付きです。

クーニーの未翻訳の絵本はまだあるのでしょうね
この挿絵も、クーニーらしい静かななかにしっかりした存在感のある
いいイラストレーションです。
申し訳ありません、日記には詳細を報告しましたが
放火事件にまきこまれて
くたくたです。

アドベントは、週末にまとめてアップします
お待ちください。
初期消火に貢献したヒーローというひともいるけど
その後の扱いは、丁寧に取り調べられている???といういや〜な数日でした。
まだ、アドベント完全再開にはちょっと時間とパワーが不足してますが
まちきれない登場絵本たちがだまってくれませんので
とりあえず、タイトルと画像をさきがけにしておきます

あら!と思い当たるかたは
どんどんコメントでブックレビューなさってください。
『ぼくの村のクリスマス』
ソフィー・クニフスキー 文・絵
波木居 滋子 訳
リブロポート 刊
ISBN4−8457−0673−3
『森のクリスマスツリー』
牧野 鈴子 作
文研出版 刊
ISBN4−580−80865−7

ボローニャで「エルバ賞」というのを獲得した作品だそうです。
『サンタさんのいたずらっこリスト』
レンス・ディビッド 文
デルフィーヌ・デュラン 絵
石津 ちひろ 訳
小学館 刊
ISBN4-09-727359-0
『クリスマスんのまえのばん』
ターシャ・テューダー 絵
クレメント・ムア 文
中村 妙子 訳
偕成社 刊
ISBN4-03-327800-1

あまりにもターシャ的な・・・
『太陽へとぶ矢』
ジェラルド・マクダーモット 作
じんぐう てるお 訳
ほるぷ出版
ISBN4-593-50015-X

アメリカ・インディアンにつたわるはなし
そういう名称が許された時代の翻訳ですからちょっと古いです
しかし、ないようは古びていません。

太陽と人間の男の子の、壮大な挑戦と変身のおはなし
ネイティブ・アートの味わいにあふれた
躍動的な画風がいっそう力動感をあたえています。
『クリスマスだいすき』
ピーター・スピア 作
講談社 刊
ISBN4-06-187857-3

イギリスの小さな町のクリスマス前から
ときめきと祝福のよるをすごして
やがて去ってゆくまでを
言葉を一切介在させずに
コマを割って、コミックのように展開する
味わい深い絵本です。

この手法は、大御所のレイモンド・ブリッグスなどで
すっかり英国絵本のひとつのジャンルになっています

この絵本では、コマの枠線がありません
白地に区切られるだけの展開は
雪の中に、コマが埋め込まれたような感触をあたえてくれます

普通は、なにも印刷されない、表紙と本文をつなぐ「ちから紙」まで
全部絵本として描ききったとてもお得感のある造りです。

最初の絵には、銀行の窓口に「クリスマスまであと12日」とあり
最後の絵には、おなじクリスマス預金のお誘いボードに「クリスマスまであと353日」とあります。
その左に並んだ町並みの絵は、すっかり飾りの消えた冬の通りですが
もう、ひとびとのこころのなかに、次のクリスマスが種として
育ち始めていることを告げるのです。
『たからもの』
ユリ・シュルビッツ 作
安藤 紀子 訳
偕成社 刊
ISBN4-03-201530-9

この絵本は1980年のコルデコット賞<銀賞>をうけたとか
シュルビッツは1969年のコルデコット賞をアーサー・ランサムと組んで
『空飛ぶ船と世界一のばか』(岩波より邦訳)で獲得していますから
そちらでも、見覚えのある画風ですね。

文章はきわめてすくないのですが
質の良い昔語りをここちよい響きできいているような響きがあります
絵は、ペンとおそらくカラーインクとおもわれる淡さと鮮やかさをもった
昔語りにぴったりの味わいです。

「ちかくにあるものをみつけるために、とおくまでたびをしなければならないこともある」
クリスマスににあった心温まる「ちいさな奇跡」のお話です。
『なぜ戦争はよくないか』
アリス・ウォーカー 文
ステファーノ・ヴィタール 絵
長田 弘 訳
偕成社 刊
ISBN978-4-03-202720-4

アリス・ウォーカーは小説『カラー・パープル』でピューリッツア賞を受賞した
現代アメリカを代表する黒人女性作家ですね
その彼女が
「アメリカに、そしてこの星に長く生きてきたもののひとりとして
幼い人たちのことを考え守ることに、自分のもてる力のすべてをそそぎたい」
という思いをこめて書いた文章にヴィダールが絵を添えてできた
立派な、そしてなくしたくない一冊です。

詩人の長田弘の翻訳もすぐれています。

ヴィダールの絵は、戦争の暗さを描くのではなく
平和でうつくしい自然と生活を鮮やかな色合いで描くことに力を入れています
そのことで、いっそう戦争の無意味さ、悲惨さを際だたせています
おさない人たちのこころに、平和と愛を育てる絵本です。

war is over 
どこかからあの歌声がながれてきそうな気持ちになりました。
『セクター7』
デイビッド・ウィーズナー 作
BL出版 刊
ISBN4-89238-784-3

デイビッド・ウィーズナーは、C.V.オルズバーグといいライバルの
シュールな世界を描き出す天才肌の絵本作家で
ここにピーター・コリントンを加えると
私の好きなシュール派ベスト3が完成します。

なんといってもあの『かようびのよる』(92年:コルデコット賞)は衝撃的でした

この作品は、あれと比べるともっとマイルドですが
ファンタジーで繰り広げてみせてくれる視界は
とてつもなくダイナミックで、そしてやさしさとおどろきとで満たされています。

あなたは、雲がどこでどんな機械で造られているか
想像したことがありますか?

ひとときの空中散歩を、くもの坊やと楽しめます。
『しーっ!ぼうやがおひるねしているの』
ミンフォン・ホ 作
ホリー・ミード 絵
安井 清子 訳
偕成社 刊
ISBN4-03-201470-1

暑い国、タイのおかあさんと幼子のひるさがりを
ゆったりと愛情込めて描いています

熱帯の豊かな自然を、少し濁らせて落ち着かせた色調で描くという技法は
やさしいおおきな大地の力、そこにつながる大きないのちと母親のちからを
おおらかに表現することに成功しています。

この母と子の醸す無償の愛の空間は
あの、ベツレヘムの馬小屋の母子と通じている
そう感じて、加えてみましたが
どうでしょうか?

ちなみに、1997年のコルデコットを惜しくも取り損ね次席になった作品ですと。
『おやすみ かみさま』
レイチェルフィールド 文
エリザベス・オートン・ジョーンズ 絵
なかむら たえこ 訳
燦葉出版社 刊
ISBN4-87925-072-4

1941年に初版がでていますからずいぶんながい間あいされてきた絵本です
扉の献辞には For Hannah と名前が記されて
後ろ姿のパジャマを着た女の子が描かれています
このハンナちゃんも、もう十分に年を重ねていらっしゃることでしょう。

この絵本は、クリスチャンの家庭でおやすみまえのお祈りを教える絵本でしょうか
最初の見開きに、こどもがつぶやくような言葉で
かみさまへの感謝と恵みとしていただけるものと
だいすきなものたちと
やさしくつつんでくれるかぞくと
そして、とおくの、ちかくのおおぜいのこどもたちにまで
思いをはせながら
捧げるお祈りがつづられています。

この全文を、こまぎれにして
ページごとに、大きな絵と
短いお祈りの言葉を見せていきます

すなおな写実的描写は、安心して見ていられます
おやすみまえのこころを落ち着けるには
こういう、ゆったりした絵はいいですね

日本のこどもたちが
一所懸命サンタさんにプレゼントのお祈りすることと
この幼い女の子の祈る姿は
ちょっと、距離があるかな
無理もないですね、クリスマスの姿が
そのくらい違っていますから

祈ることの原点をみせてくれる絵本です

かわいいですよ〜

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