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こころに絵本をコミュの【広場】こころにいいよ!この本

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次回予告からまたまた長期間の空白になってしまっています。
このコミュは、自由にトピも立てられるようになっているのですが、なんだか、モンとのだけが「発表」する結果になっています。

臨床的作品論は、続けますが、それとは別に
皆さんが、こころに響いたという絵本・児童書を
一言のコメントと共に紹介する場を造ります。

モンとのも、毎月買ってしまう新しい出会いの本を
その時の動いたこころのままにご紹介します。

できれば、書名と作者・出版社は正確に表記して
自由なコメントを添えて、一作品ごとにトピを分けてください。

では、お待ちしています。

コメント(15)

『ねえ だっこして』
竹下文子・文/田中清代・絵
金の星社・発行
ISBN4-323-07040--3
定価(本体1,300円+税)

マイミクさんには、すでに日記で紹介しましたが
どんなところに感じたか、
少し、中身を掘り進めてみます。

だれでも、下の兄弟姉妹がやってくるときに感じた
あの切ない思いを、かわいいネコちゃんの目に置き換えて
モノローグですすめてくれる展開です
それぞれのページに描かれたネコが
絶妙の位置と表情で、お母さんを求める情感を漂わせています

 わたし もう おおきいから
 くさの なかでも ねむれる
 わたし もう おおきいから
 やねの うえでも ねむれる

こう、健気に自分をはげます上の子のこころですが

 だけど だけどさ
 わたし まっているから
 あとでで いいから


 すこしで いいから 
 だっこして

最後のページは、縁側でおかあさんにすっぽりだっこされているネコと
並んで座ったおとうさんにたかいたかいをしてもらっているあかちゃんの
ロングショット。
絵だけですが、じーんときます。
そらとぶペンギンさん

『たいせつなきみ』マックス・ルケード
数年前に買いました
引きこもり気味の若い女性にも一冊贈ってあげて
たっぷり癒してくれた本です。
『うんちしたのはだれよ!』
ヴェルナー・ホルツヴァルト文/ヴォルフ・エールブルッフ絵/関口裕昭・訳
偕成社/定価(本体価格1300円+税)
ISBN978−4−961130−7

「ねえねえ、ぼくのあたまにうんちおとさなかった?」
災難にあったモグラ君が、次々に訊ねると
それぞれの動物がそれぞれのうんちを発射して
身の潔白を主張する。

こどもはある時期に「うんちネタ」にこってしまうものですが
それを逆手にとって、うんちに市民権をあたえ、太陽の光のなかで
狂想曲をみせてくれる絵本です。

でも、こころにひびくのは・・・
ハンサムじゃない三枚目風のもぐらくんが、自分の尊厳を汚されたとき
敢然と犯人捜しにとびだしていき
ついに犯人をつきとめて、胸のすく復讐劇をしてくれることです。

尊厳を傷つけられて、尊厳などないもののように従属して生てきたこころは
このヒーローの演じる尊厳の回復劇に喝采するでしょう
けっして大きくもないし、近眼風だし、いつも暗い地下生活のもぐらくんだから
低い評価に甘んじてきた自分とかさなるのでしょう。

ダイナミックで暖かみのあるモダンな絵を描いたエールブルッフは
アンデルセン画家賞など数々の賞をもらっている人です。
補足します
『うんちしたのはだれよ!』 の画像です。
『きつねのおきゃくさま』
あまん きみこ・文/二俣 英五郎・絵
出版社: サンリード (1984/01)
ISBN4-914985-27-6
定価(本体980円+税)

きつねはやせたひよこと出会い、太らせてから食べようと企んで世話を始めます。
ひよこは「やさしいお兄ちゃん」ときつねを慕います。
その言葉にうっとりとした表情のきつね・・・。
その後、あひるとうさぎも「かみさまみたいなお兄ちゃん」を慕ってきます。
ある日、おおかみがやってきて・・・。

二年生の子供の国語の教科書(教育出版)に載っていて話の意外な流れに
衝撃を受けました。(先日、日記にも書きましたが)

人のほんの少しの優しい一言で、純粋で正直な自分に戻って
満足な人生を送れるのだとこの本は教えてくれました。

生まれたばかりの赤ちゃんは、人を傷つけたりは決してしませんよね。
心の中の悪を持つのも成長する証ですが、悪ばかりの人生で幕を閉じては
悲しすぎます。
きつねの表情の移り変わりに心揺すぶられます。

満足な人生、というのは人それぞれで
若い私にもまだわかりませんが
自分の為に涙を流してくれる人がいる、
それは何よりの幸せ・感謝だと思います。
モンとのさんに紹介していただいた「おぢさん」を読みました。とても深い絵本でした。

ある朝男の子が目覚めると、口の悪い裸んぼうの小さな「おぢさん」が目の前にいます。その日から、男の子は「おぢさん」のわがままに振り回され喧嘩しながらも男の子にとっては初めての色々な経験をします。そして3日過ぎた日、初めから決まっていたと御礼の手紙を残して「おぢさん」は姿を消します。


そもそもおぢさんは何のために男の子のところへ現れたのか?
おぢさんのこの態度は何?疑問だらけで何度も読み返しました。

何度も読んでいると、このおぢさんは、姿と同じで人間そのまんまんまの裸の心を出している。私が生きている中で隠しているものをさらけ出すとおじさんのようになるのでは・・・おぢさんはごく普通の人間ではないか?と思うようになりました。

訳者の林さんが「自然食だ、手作りだと浮かれている人たちにチクリと針を刺すのである。ごく普通の世俗的な生活にこそ、真のヒューマニズムがあるといいたげである。」と書いてあるのを何度も読んだ後に読みましたが、大変共感出来ました。

おぢさんは決していい人間ではありません。でもごくごく一般的なよくいる人間です。

話が少しずれるかもしれませんが、先日、以前ミクシィでも本を紹介した、大西さんの「水になった村」という映画を見てきました。
ダムに沈んだ徳山村に最後まで住んでいた、おじいさんおばあさんを撮ったものです。
食べるシーンがとても良く出てくるのですが、ここに出てくるお料理の食材はすべて自分たちの育てたものです。80過ぎのおじいさんやおばあさんが何時間も歩いてわさびを取りに行ったり、自分の作った野菜を無駄にしないよう、いろいろな種類のお漬物を作ったりします。
手に入った食材だけで本当に美味しそうなお料理を、大量に作って大量に食べます。(1日動いているのでお腹が空くのでしょう)
都会では、オーガニック料理だマクロビオテックだと、あちこちのお店を探し回って高いお金を出してその食材や作り方を手に入れます。動かないで手に入れた高い食材なのでそれをちょこっと食べます。
この映画を見た後、「これが本当の食生活であり、私たちのしているのは少し違うのでは・・・何かずれているのでは・・・?」と思いました。

食生活についてこだわるのは大切です。ただ世の中を見ることはもっと大切な事かも知れません。もちろんそれは食生活に限らず、生活すべてにおいてです。
この絵本の家庭(特にお母さん)がどの程度かはわかりませんが、世俗的な生活を批判・・・までは行かないかもしれませんが否定しすぎると人間らしい人間に育たないのでは・・・それをおぢさんは心配して現れたのかな?と今は思います。
おお、素敵なこだまが返ってきました。

『おぢさん』の原題は『THE MAN』ですもんね
人間の本質のある部分を「タテマエ」じゃなく描いてくれているんだろうな
翻訳した林望さんは、英国ブームを起こしたエッセイがたくさんあって
その内容について、亡き友人の英国人と、笑い転げながら語りあったこともあります。

いい人間、いいお母さんが、かならずしも「いい」とは限らない
『アダルトチルドレン・マザー』という本を書いた橘由子さんは
「よい母」があぶないと警告していますね

自分が自分であること
人間にとって、人生とは、個的な存在である自分をつくりあげること
それが『おぢさん』のいいたかったことかもしれないと思っています。

そういえば、作者のレイモンド・ブリッグスは
あわい色鉛筆のやさしい色彩世界とファンタジックなストーリーで
不動の人気を保っていますが、どの作品にも深い人間への洞察が
秘められているように感じています。
アニメにもなった『風のふく日』(?)は、異色ですが、核戦争の恐ろしさを
やさしさのなかで、深くふかく訴える傑作でした。
『おりこうねこ』ピーター・コリントン作・絵/いずむら まり訳
徳間書店刊 ISBN4-19-861292-7
定価:本体1500円+税 2000年12月初版発行

 ねこのシマシマは、まいにち、まいにち、ずーっと、
 まって、まって、まっていました。
 
 みんないそがしくて、シマシマに
 ごはんをくれるひまもないのです。

 ある日、シマシマは、もうまつのがいやになり……
 自分でキャットフードをあけて、たべはじめました。

 でも気が付くと、しあわせじゃない!

 とつぜんおりこうになったねこの、お話しですが
 ほんとうの「おりこう」ってなんだろうと
 考えさせてくれます。

 《 カバー裏のコピーを引用しリライトしました 》


 こころを傷つけたまま生き延びたひとの「生き辛さ」はこんなことなのかもしれないととても簡単明瞭に、ユーモアを込めて表現しています。「いいこじゃなくていいんだよ」というメッセージは、回復のためにこころを休めなくてはいけない時期でも、「いいこ」しか出来ない呪縛を解いてくれるかも知れません。

 日々育って行くおさないこころが、「あ、おりこうじゃなくてもいいんじゃないかな、だってわたしはおとなじゃないんだもの、ねこちゃんたちのようにのんびりしてもいいんだよね…」そういう眼差しで、それなりに「いそがしい日常」を見つめ直せれば、作者のピーター・コリントンは、ぐふぐふと得意そうに笑うのでしょうね。

 イギリス人特有のちょっとだけひねったユーモアは、この作家の作品群でも健在です。また、季節になるので、ご紹介するかも知れませんが、コリントンの『天使のクリスマス』は、読んでしまうとクリスマスの夜には眠らずに見張りたくなる!微笑ましい一冊です。
ピーター・コリントン!好きです。
この本も読んだことがないので早速読んで見ます!
tomokoさん

そうですね、おたくのおじょうさんが好きな『トゥース・フェアリー』も、コリントンの傑作ですもんね。
この作家は、どこかレイモンド・ブリッグスに通じる味わいが感じられませんか?
『もうすこしまってくれたら』 
文/スージー・シック
絵/モニク・トゥヴェ
訳/いまい あや
アシェット婦人画報社

フランス絵本をあたらしい感覚で紹介するシリーズの1冊らしい。

この作品は、いのちをテーマにした優秀な絵本におくられる
「Prix Chronos de Litteerature賞」を2007年度にとったばかりのところです。

この受賞が示しているように
いのちのながれとかかわりあいを
やさしい色彩と、ちょっとシュールなタッチで描いてくれます。

 まいあさ、ぼくは
 あのちいさな木に
 会いに いってた。
 だいすきな あの木に

という主人公は、白いモグラ??のようなキャラクターです

野原に立つ大きな木と、毎朝会いに行くボク、
そしてついてまわる観衆のウサギや蛙
だいすきな木と ボクのかかわりは
与えることと 待つこと・見守ることを
ゆっくり展開してくれます。

こどもの成長と重なりますね
早くはやくって言わないで・・・とこころでつぶやきながら
必死になって「期待」や「指示」に追いつきたくて
こどもも結構急いで生きている時代です。

そういう繰り返しがつづくと
疲れ果てて やっとオトナになったこころは
まってくれる この絵本のボクの眼差しが
そして ゆっくりながれる時間が 
とても貴重な宝物に感じられます

そうだ、生きづらいのは 
自分を待ってあげていないからだ
そう気付かせてくれるかもしれません。
『マディソン街の千一夜』
オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション
千葉 茂樹 訳 
和田 誠 絵
理論社

20世紀前夜の大都会ニューヨークを舞台に、さまざまな人生の哀歓を描いた作家
オー・ヘンリーが残した272編の短編から8編をセレクトした短編集。

若い読者にも配慮して、ほとんどの漢字にはルビがふってあります。

人生は、様々な悲しみや事件や不幸までが待ちかまえている、
しかし、それでも人間というものは愛すべきモノだし、人生は捨てたモノじゃない・・・
作者の、一貫した人間観は1世紀以上経っても、
おなじような重みをもって読む者に迫ってきます。

本のタイトルは、最初に掲載されている短編の題からとっています。
短編小説の名人といわれ、後の日本という東洋の国で興った「ショート・ショート」ブームの
タネ蒔きはここにあったと思われる本です。

気楽に、どこからでも読めて、どこからも、ちょっとじんわりとした暖かみがもらえる、
うれしい本です。
『もしも暗闇がこわかったら
 夜空に星をくわえましょう』

クーパー・エデンス 作
角田 光代 訳
ほるぷ出版
本体:1000円+税

人生は、たくさんの閉塞が待ちかまえていたり 
さらに、追いかけてきたり
わたしたちはそのたびにこころが鉛に充填されて
思わず、歩みを止めてしまいます。

それでも、がんばって歩けとは考えたくない
休もうよ〜と、こころが言っているなら 
それが一番確かで信頼すべきことだから

辛いときこそ負けるな
死ぬほどガンバレという声は 
どこかから投げかけられたり、
ごこかで刷り込まれたりの異物。

そして、蹲ったこころに
絶望しなくていいさ、
どんなときにも次の一手はあるんだから
そういう、そよ風や冷たい清水を
ちょっとシュールなことばと絵で
紡いでいる 素敵な小型絵本です。

作者のクーパー・エデンスは、クラシック絵本のコレクターとしても著名
描かれた世界にちょっとレトロスペクティブな味わいがあるのも
その美意識が通じ合っているのかと納得し、絵の味わいに引き込まれます
ただ、視座はあくまでも革新的、
さながら、クレーンカメラで位置を変えるように描いていて
画面ごとに驚きのタネをひそめています。

どちらかというと、思春期からおとなの絵本かな
いや、いや!
子どもにも充分楽しめるのです‥‥ちゃんとルビもふってあるしね
子どもの純なこころなら、このシュールなイマジネーションに伴走しながら、
思いもよらないほどの想像の翼を広げるのかもしれません。

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