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日本デジタルゲーム学会コミュの関連分野の動向

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はじめまして.夏の学会総会では会員サービスの向上が議論になり,ウェブサイト業者への委託ということも話し合われたので,今年度後半にはオンラインでの会員相互の情報共有も進められるのではないかと期待しています.
 会員としても出せるものは出していきたいと思っているので,公式サービス開始まではこちらで情報交換できればと思います.

とはいえ(DiGRA JAPANのカレンダーを見てもわかるように)関連する分野が多岐にわたるので,まずはざっくりとした各分野のまとめ情報をならべてみます.

- ゲーム学
[研究動向]──発展するゲーム学── 伊藤憲二┼井上明人
http://www.glocom.ac.jp/j/chijo/108/index.html
- コンピュータサイエンス
ACM学会誌「ゲーム学の創造」特集
http://www.igda.jp/modules/news/article.php?storyid=1330
- ゲーム批評
井上明人 "ゲームという認識の枠組み ―日本の先行研究を中心に―"
http://www.digrajapan.org/modules/tinyd5/index.php?id=2
- コンテンツ産業振興
『シリアスゲームの現状調査報告書』(財団法人デジタルコンテンツ協会)
『デジタルコンテンツ制作の先端技術応用に関する調査研究報告書』
http://www.dcaj.org/report/2007/ix1_07.html
- R&D, 研究と産業とのマッチング
CEDECラボ
http://www.igda.jp/modules/news/article.php?storyid=1474

この他にも ゲームプレイの研究(メディア心理学,社会科学, シリアスゲーム, etc.)ではさらに新規参入がすすんでおり,こうした諸分野の中で目についたものを書き込んでみたいと思っています.

個人レベルの情報収集なので,足りないところは補足していただければ幸いです.

コメント(8)

アメリカ心理学会のシンポジウムに見るゲーム研究の新展開

アメリカ心理学会(American Psychological Association: APA) はアメリカ最古で最大の心理学の専門家団体です.
そのAPAが8月に開催した2008年大会の中で,ゲームの教育効果についてのシンポジウムが開かれたので紹介します.


APAは大会に先立って詳しい問い合わせ先を含むプレスリリースを出しており,それにもとづいて取材した報道も流れています.

- 学会プレスリリース
http://www.apa.org/releases/videogamesC08.html
- AP報道
http://www.courant.com/news/nationworld/hc-games0818.artaug18,0,5225883.story


 オンラインプログラムで公開されている概要は以下の通りです.

シンポジウム「ビデオゲームをプレイすることで子供は何を学ぶのか?」

発表者:
William Stone and Douglas A. Gentile
http://forms.apa.org/convention/viewabstract.cfm?id=7802
Valerie Shute
http://forms.apa.org/convention/viewabstract.cfm?id=7769
John L. Sherry
http://forms.apa.org/convention/viewabstract.cfm?id=7782
Constance Steinkuehler and Sean C. Duncan
http://forms.apa.org/convention/viewabstract.cfm?id=7824
Kurt D. Squire
http://forms.apa.org/convention/viewabstract.cfm?id=7875
Fran C. Blumberg and Sabrina S. Ismailer
http://forms.apa.org/convention/viewabstract.cfm?id=7881

ディスカッサント:
Kathleen Kremer
Debra Lieberman

World of Warcraftを使った実験や長期間にわたる実験報告など,発表内容は多様です.また実験結果を評価する尺度もそれぞれ異なり,各方面で現在進行中のチャレンジを展望する内容になっています.

 これまで心理学界でのゲームについての実証研究は,メディア暴力についての研究が多く紹介されてきました.
今年の紹介事例としては以下のものがあります.
東京大学大学院情報学環での2008年度授業の1コマ「テレビ、テレビゲームの暴力シーンが青少年に及ぼす影響」
http://iiionline.iii.u-tokyo.ac.jp/index.php/lecture/60
11月の日本パーソナル心理学会での招待講演
http://www.jspp17ocha.org/index.html

メディア暴力についての知見が積み重なる一方で,どのようなゲームがどのような効果を持つのかというところまで踏み込んだ研究が注目されることは多くありませんでした.
それに対して,今回のシンポジウムでは学会がプレスリリースを出したことからもわかるように,心理学の実証研究の新しい方向性を示すものとなっています.
また,シリアスゲーム研究をすすめてきたウィスコンシン大学のJames Paul Gee門下のConstance Steinkuehler(http://www.constances.org/) などゲーム研究でも知られた発表者が加わっているのも目につきます.

ゲームプレイについて取り組む心理学者の層の厚さを示すとともに,APAの社会に向けての情報発信の姿勢を示すイベントだと言うことができるでしょう.

おお、メディア攻撃性についての講演がDiGRA JAPANの臨時ニュースレターで紹介されていた。

> 11月の日本パーソナル心理学会での招待講演
> http://www.jspp17ocha.org/index.html

上記投稿ではオールドスクール扱いしていたのだが,まさかDiGRA Japan会員に向けて紹介されるとは.この講演にはDiGRA JAPANは特に協賛していないけど、IGDA日本が協力している関係でDiGRA JAPAN会員に向けてもアピールしているものと推察いたします。

 新しい研究動向の話もあるようなので,APAが夏のプレスリリースを出したような,ゲームの効用研究へのシフトの話があるのではないかと期待していました.が,お茶の水COEの方の講演予告では、予想の斜め上をいく「地球温暖化」という研究トピックが言及されていて、展開がまったく読めません。

「暴力の連鎖は、地球温暖化(報道)のせいだったんだよ!」「な、なんだってー」
という話ではないと思う...たぶん。
国際学会の日本開催について.

世界各地から研究者が集まって場を共有する国際学会の大会は、研究開発を進める上で重要な役割を負っています.そして,大会を日本に招致することは国内の研究者にとって便利なだけでなく,研究への国内の関心も高め,また日本が研究開発の拠点となっていることを世界に発信し、さらなる国際貢献も期待できます.
 ゲーム研究分野においても,昨年のDiGRA2007に続き,今年は12月に横浜でACE2008が開催されます.
ACE 2008 (International Conference on Advances in Computer Entertainment Technology)
http://www.ace-conf.org/ace2008/

ACEはゲームテクノロジー関係の国際会議で,今年建物ができたばかりの慶應義塾大学のKMD(メディアデザイン研究科)で開催されます。昨年東大で開催された国際会議DiGRA2007+CEDEC2007に匹敵するイベントになるのではないかと期待しています.

 ACEもDiGRAもゲームに関する研究の世界大会をアジアで初めて日本に招致する,という点では似ていますが,細部は異なっており,学会の活動というのはいろいろなやりかたがあるものだと思わされます.
DiGRA2007は東京中心の少数精鋭による運営組織(http://digra2007.jp/Organizingcomm.html)で,日本語ページをつくり(http://digra2007.digrajapan.org/)、産業方面においてもCoFesta,CEDECとジョイントでの同時通訳セッションや国内ゲーム企業のスポンサーシップ,海外からの参加者には東京ゲームショウに秋葉原ツアーと、日本の産学連携戦略と連携していた(http://chi.iii.u-tokyo.ac.jp/?p=19)総合イベントでした。それに対して,ACEカンファレンスはACMシンガポール支部が主催して,世界各地の第一線で活躍中の研究者による運営組織(http://www.ace-conf.org/ace2008/committee.html),広報は英語のみで日本語情報なし,企業スポンサーもなし,という国際学会らしい学術イベントになってます。対照的な国際会議を比較してみると興味深いものがあります。
 過去のACEカンファレンスのウェブサイトを見ることができますが(http://www.ace-conf.org/),今回のACE2008は特定分野に絞ったワークショップは募集しない規模縮小という印象を持っています。その一方で, ICAT 2008 (18th International Conference on Artificial Reality and Telexistence) と同時開催されることで,バーチャルリアリティー研究の成果をみることができると期待しています.コンソール向けというよりも電脳コイルの方向というか.
 論文投稿の〆切が遅れたためか,ACE2008のプログラムはまだ決まっておらず,早期割引申込も10月31日に延期になりました.
http://www.ace-conf.org/ace2008/registration.html
事前プログラムがおもしろければ早期割引で参加しようと思っています(しかしNetGamesとか開催直前までプログラムを出さなかったりする会議も多いので、プログラムがでなかったらどうしよう...)。
 しかし,外部スポンサーをつけなかったためか参加費設定がすごいことになってます.同時開催のICATと一緒に開催すると、10万円を越えます,GDC並みの価格設定です.これは各国の第一線のゲーム研究にはある程度の予算がついていることを示していますが,国内の研究者に世界水準の成果に触れさせるという点では厳しい。DiGRAはCEDECとの共通チケットとか出してましたし、学生ボランティアの募集もしてましたが、ACEはトップレベルの人に限定された方向を狙っているのかなと思います。
> おお、メディア攻撃性についての講演がDiGRA JAPANの臨時ニュースレターで紹介されていた。
>
> > 11月の日本パーソナル心理学会での招待講演
> > http://www.jspp17ocha.org/index.html

来日するAnderson教授の研究がiNSIDEで紹介されていますね。
http://www.inside-games.jp/news/320/32033.html

うーん...背景を紹介しないとアメリカの心理学者はアホかと思われそうなので注釈します。
もちろんゲームやマリリン・マンソンやFPSが銃乱射事件の原因だと本気で思ってる心理学者はいないと思います。これは社会に向けてのアピールです。

 この背景には、メディア心理学の最前線を形成するための競争があります。
特に、いまゲームと心理学の領域で起こっているのは、「ゲームと暴力性についての研究はこれからも研究投資を行う意義がある」というグループと「ゲームの有効利用についてこそもっと研究投資すべきだ」というグループのパラダイム争いとして見ることもできる。
 心理学研究者集団からメディアに向けて流される情報は、APAのプレスリリースだろうがiNSIDEの記事だろうが、それがどちらのグループから出されたものかを読む必要があるんじゃないかと思います。

> 来日するAnderson教授の研究がiNSIDEで紹介されていますね。
> http://www.inside-games.jp/news/320/32033.html

その後、坂元章先生をはじめとする日本からの共著者も加わり、さらに範囲を広げた国際比較のリサーチペーパーが出ました。
"The Effects of Prosocial Video Games on Prosocial Behaviors: International Evidence From Correlational, Longitudinal, and Experimental Studies"
http://psp.sagepub.com/cgi/content/short/35/6/752
昨年度はAnderson教授を日本に招いて国内にどんなインパクトがあるのかよくわからなかったのですが、こういう国際研究プランがあったのですね。

 で、インパクトのある研究は例によって大学広報でも紹介されています。

 一番情報が早かったのはアイオワ州立大で、なにしろ出版されるまえの掲載決定時点でプレスリリースをながしてます。
http://www.public.iastate.edu/~nscentral/news/2009/apr/vgbenefits.shtml
そして出版直後に、ミシガン大学でも共著者の一人のビデオインタビューを流しています。
http://www.ns.umich.edu/htdocs/releases/story.php?id=7200

 こうしてペーパー出版前から注目を集めた本研究は研究者コミュニティのみならず、アメリカのゲーム業界を応援するロビー活動サイトGamePolitics.comでも「暴力的ゲームを批判してきたDouglas Gentile と Craig Andersonがこんな研究もしている」と紹介されています。
http://www.gamepolitics.com/2009/04/08/study-non-violent-games-may-enhance-pro-social-behavior

肝心のペーパーは有料なので私も読んでないのですが(-_-)、アメリカ部分に関与したという研究者がかなり詳細な紹介コメントを書いてくれているので助かります。
http://vgresearcher.wordpress.com/2009/03/28/multi-study-international-prosocial-behaviours-gentile

 このようにインパクトのある研究に日本の研究者が日本からの知見を提供したのはとても意義があることだと考えます。
今年は日本開催となるSIGGRAPH Asia 2009について、ゲーム関連の紹介記事を書きました。
http://igdajac.blogspot.com/2009/12/siggraph-asia-2009-1216-19.html
一応国際学会なのですが、ホームアドバンテージを生かして:-)、日本語での発表、日本のゲーム産業の取り組み紹介が満載になっています。これには驚いた。ただし国内の取り組みはすでにDCAJ報告書でも紹介されているので、個人的には、上海やシンガポールの取り組みをフィーチャーした方がSIGGRAPHの水準としても日本の業界全体にとっても意義があるのではないかと思います。しかし、国際学会を日本に誘致し、無難な構成ではなくあえてホームディシジョンを前面に出す勇気は賞賛に値すると思いました。

余談ですが、長津田の東工大で開催される会議が「横浜開催」と書いてあったので驚きました。あそこは横浜市だったのか(^^)。
情報処理学会全国大会にて「ビデオゲーム開発の現場では今何が起きている?」というイベントがありますね。
http://www.ipsj.or.jp/10jigyo/taikai/72kai/event/23.html
IGDA日本のアカデミック・ブログに春休みのイベント案内をまとめました。
http://igdajac.blogspot.com/2010/02/23.html

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