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野口修一の社会活動レポートコミュの地域活動参加と車椅子街角探検隊の誕生+「福祉のまちづくり」

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15.地域活動参加と車椅子街角探検隊の誕生+「福祉のまちづくり」実現

1)環境共生ネットワーク宇土
 私が参加する色々な活動をご紹介します。環境共生ネットワーク宇土との出会いは、九州発見塾の友人である藤井氏から「野口さんは、熊本市では活発に活動をしているようだが、住まいの在る宇土のために何かしませんか。今度、環境と福祉のネットワーク会議があるので参加してください。」と誘われました。

 100名を越える会員には、宇土市内の多分野の有志の集まりでした。元々は、市民生協のグループから広がり、市長をはじめ、議員、JC、婦人会、漁協、生協、教師、一般市民と参加者が多様で、領域を越えた意見を言える場でした。

 私は、自己紹介をして、静かに意見を聞くだけの会員でした。宇土の街の問題や情報が活発に意見交換がなされていました。3回目の会議で、福祉が議題に移り、隣に居た人が
「宇土の街は、障害者には住みにくい、どうにかできないでしょうか?」
と発言があり、みんなが聞きたそうな顔をしたので、つづけて
「私の息子が中学で大ケガをして、障害者になり車椅子生活に成り、息子が進学する高校・大学と、だんだんバリアフリーに変わりました。でも宇土の街は変わりません。」
参加者の中に、介護の仕事をしている人も居て、
「そうね、確かに使いづらい。」更に、労災病院の介護施設の方から、
「宇土の図書館は、大人の本が二階に在って、エレベーターが無いので、車椅子利用者は自分で本が選べないから、行かないようになった」とか、
「最近歩道の改修工事があったけど、勾配が急で通行がむずかしい。」など、意見が意外とあるもので、皆さん関心がある気付きました。そこで、車椅子探検隊の誕生です。


2)車椅子街角探検隊in宇土(略、車椅子探検隊)
 静かに聞いていた私が、「みんなで、車椅子を使って体験しながら調査をしませんか?」と提案しました。静かに聴いているだけの会員が、事務局に深く関わるようになって行きます。まず準備は、ボランチィアグループ「車椅子キャラバン」や地元の介護施設から借り、車椅子キャラバンのリーダーに車椅子の指導をお願して、準備に一ヶ月弱、呼びかけるとなんと六〇名の参加者あり事務局もびっくり、「そうか、みんな感じていたのか」と企画して意味が有ると感じました。

 こうして「車椅子街角探検隊in宇土」は、参加者に市街地を約2時間近く車椅子の体験をしながら、車道や施設を調査しました。終了後は、市の福祉施設に移動して、感想と意見交換の会を開催し、壁一面の大きな市街地地図に、問題点を書き出すことにしました。
 まず、それぞれ意見を述べてもらい、子供には絵日記にしました。参加者からは、
「車椅子に乗るのは、腕が筋肉痛になりそう」
「歩道の勾配がちょっとあると、真っ直ぐすすまない」
「出入り口のちょっとの段差で入れない」
「図書館に、エレベーターがないのをはじめて知った」
「市民会館の小ホールは、車椅子の人は使えない」
「利用者の意見を聞いたまちづくりが必要」
など、様々な意見が出ました。車椅子キャラバンの指導者から、
「一般の生活からは見えないことが、体験で得られるので、ぜひまちづくりに反映していただきたい。」とまとめをしました。

 その後、車椅子探検隊は、2回目が、バス、JRの調査「車椅子交通探検隊in宇土駅・熊本駅」、3回目が、市営住宅の障害者用住宅の完成調査「車椅子住宅探検隊in宇土」と続き、必ず報告会あるいは提言を行いました。この資料整理・報告書を基に、熊本大学のまちづくり研究の大学院生も協力して、インターネットのホームページを利用した、市民が意見を書き込めるサイトの開発して、地域づくりのモデルの試みも行いました。

 この車椅子探検隊の報告会には、100名近い参加者と市長も参加され、色々な意見や質問があり、最後に市長に意見を求めると「宇土市も高齢者の時代になる。バリフリーのまちづくりを推進したい」とコメントがとび出し、大きな成果を得たと感じました。

 第2回目の報告は、宇土駅と熊本駅に提言書をだした。探検隊実施前の宇土駅は、車椅子利用者が事前、駅に連絡が必要でしたが、調査し改善点を提案したのは、線路部分にスロープを設け、自走できるよう提案を出しました。その回答が1ヶ月もしない内に、車椅子ごと乗せて階段を昇降できる機械が宇土駅設置されたのです。理由は、線路横断は危険等言うことでした。
 お礼を述べに、駅に行くと駅長から「現在のJRは、健全経営です。市民の要望にどう応えるかが大事。要望を出していただければ、大改修は予算と時間が必要ですが、簡易な対応や方策を応えられます。」とうれしいお話をもらいました。やはり、民営化してJRは、良かったと感じた出来事でした。

 3回目の「車椅子公営住宅探検隊in宇土」では、調査後の座談会で意見が出たのが、
「利用者の意見が反映しない障害者住宅は使いづらい、建築士の経験だけで、ユーザー(障害者)の個々のケースに合わせることは難しい。」
「はじめに当事者からの意見を聞く場が公共住宅作りも必要と思う。」の意見がでました。
 実際、露天の駐車場から玄関まで四十mの屋根無し、ポーチの勾配のきつくスロープにも屋根が無い、雨天では腕力の弱い人は、自走できない。また台所の水栓が遠く使いづらい、トイレの手摺の使い勝手が理解できない、ベランダのスロープ近くに駐車スペース、色々意見が出て市住宅課担当、設計の建築士事務所担当、一般市民、環境共生ネットワーク宇土、障害者のユーザーとの意見・質問は厳しいものでした。

 この市営住宅には、宇土市内の障害者の方が入居されたのですが、使い辛いために二ヶ月で退去され、今は障害者に使われてないと聞きます。十年ほど前に、私が関わった熊本市営の集合住宅は、入居する人が決まってから、入居者の障害に合わせ、水回りやトイレ、手摺を取り付ける計画でした。熊本市の住宅課ができて、考え方でこうも予算の使い方が違うのかと感じました。障害を持つ方は、一度住まいを決めると移転はあまりないと聞きます。宇土市の障害者用住宅は、「障害者に使えない」と退去されるようでは、現代の福祉の理念「利用者中心主義」から、程遠いサービスになっていると感じました。


3)福祉公募債の政策
 また車椅子探検隊は、宇土駅の車椅子用階段昇降機の設置だけに止まらず、宇土市が政策として福祉のまちづくり推進を表明し、厳しい予算を解決する知恵「福祉公募債(現在、市民公募債)」を募り二億円を集め、公共施設、学校等にエレベーターの設置、歩道のバリアフリー化工事を行うことにつながり、だんだん街がやさしいまち(地域)に変身しています。また、小規模の公共工事は、地域経済にも貢献しているようで、地元技術者のバリアフリーの技術が進んでいることすばらしいと思います。
 この車椅子探検隊の学びから、市の政策に関わる市民モニターの公募で現在、次世代の問題を真剣に行政担当官とやり取りをしています。


4)熊本大学で、実践のまちづくり講座の講師に
 私は、この車椅子探検隊が縁で、現在熊本大学の教養課程の学際科目「実践のまちづくり講座」で非常勤講師をしています。社会人五人の連続講義で、最後の2週を担当しています。学部の領域を越えた多様な生徒が集まり、若者もまちづくりに興味を持っていることが理解でき、講話と討論形式で講義を進めていますが、車椅子探検隊の経験から始まった実践講座を、まちづくりに興味有るように、充実させて行きたいと思っています

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