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脳神経外科を考えるコミュの頚動脈ステントについて

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頚部動脈ステント留置術(CAS)、どうやら4月から保険適用になるようです。

しかしそれには条件があり、受ける患者側にしてみれば、出来れば事前に保険適用に出来る施設かは知りたいところですね。

現在覚えている範囲で解説しますが、どなたか詳しい方いましたら、補足宜しくお願い致します。

1.患者側の条件(技術的な面も含めて)
・50%以上の狭窄で症候性、または80%以上の狭窄で無症候性
・狭窄率≒ 100%は出来ない(チューブが通らない)
・全周性でないもの(血管の内周全てにプラークがあるとリスク高い)
・腎機能が著しく悪い方は造影剤を多用するので、一般的に出来ない(直後透析かMR用造影剤を使えば出来ないこともない)
その他厚労省の定めるところ


2.手技の条件
従来の一般的な手技では保険認可がおりません。
具体的には、
従来は狭窄部拡張→ステント留置する際は、血管遠位部をバルーンで血流遮断(反対側の内頚動脈があるかたは10〜20分遮断しても平気)して、
拡張→ステント留置→(必要に応じて更に拡張→)
血管内膜から出てきたプラークを遮断下で血液ごと取り除く→
血液をフィルターで濾してプラークがなければ血流再開→
終了でした。


保険適用になる手技は、
続く

コメント(5)

つづき

2.保険適用になるには、
まず全身を高ヘパリン化に保つ(270以上?ちなみに従来の方法では140くらいだったような)。要は血液サラサラ状態です。

バルーンを使わず"傘"みたいなのを使います(AngioGuard、これを使わないといけません)。
これは、傘の部分がメッシュになっていて、手技の間、内膜からはがれたプラークなどを
"血流を遮断することなく傘に受け止める"ものです。
あとは基本的には同じで、
傘を狭窄よりも遠位部に留置→
拡張→ステント留置→(必要に応じて更に拡張→)
傘をしまって終了

ただこの傘は、プラークを一定量受け止めるとつまってしまいます。
従来は2人でも出来たのですが、この為安全に行うには3人が望ましいといわれています。


さてこの新しい手技に伴う保険適用は、昨年10月頃に発表になりました。
更にこの手技を行うには、従来の方法を熟知した方であっても、指導医から教わらなければなりません。

つまり全国にはまだまだこの方法で出来る医師は少ないです。

4月の段階でどれくらい増えているかはわかりませんが、もしステント留置を控えている方は、受診されている病院で保険適用の方法で出来るか確認してみると良いと思います(もちろん4月の段階で、ですが)。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/hoken/iryokiki/index.html

厚生省のHPより参考にしました。

頭部ステントについては記述が見当たりませんでした

http://www.e-radfan.com/files/news425.html

上記に頚部ステントに関する記事がありました

http://www.jaame.or.jp/kanren/sin_iryo/H19/70928jo2.pdf

上記はAngioguardの臨床試験に関して

頭部ステントは余り一般的ではなく、第一選択な手術とは言い難いと思います。
冠動脈ステントの認可もここ2〜3年ですし、次年度からようやく頚部ステントです。
頭部に関しては自分も施術した例を見ないので
何ともいえません。


余談ですが
頚部ステント留置術は「戦後最大のヤミ治療」とも言われて来ました。

その訳は、
欧米に倣って日本で少しずつ施術されてきた頃
ステントを請求することが出来なくて、施術する病院では
良心的な病院では病院が全額負担、
そうでない病院では、
「ウチの売店でステントが売っているので、それを買ってきたら
ステント留置しますよ」(極端な例ですが)
とか言っていたそうです。

特に問題視されていなかったみたいですね
海外の医薬品を輸入するようなものだったのでしょうか?
脳神経血管内治療専門医です。

頸動脈ステント留置術を行う「実施医」になるためには
所定の講習や指導医の監査を受けなくてはなりませんが、
それ以前に血管内治療専門医であり、助手を含めた治療経験が30例必要です。
循環器内科の先生や放射線科の先生にも別に基準が設けられています。

現在、指導医が監査に飛び回っており、徐々に増えているはずですが、
保険治療になった事で患者さん側の適応条件もきびしくなっており、
むしろ始めは少しステント留置術が減るのでは?という声もあるようです。

ちなみに頭蓋内ステントに関しては全く日本には入って来ていません。
やむを得ない場合には冠動脈用ステントを使用するしかありません。

もちろん、海外では脳動脈瘤塞栓に使用する自己拡張型ステントが使用可能です。
これが入ればかなり治療の幅が広がるようで、一日でも早い日本導入が望まれます。
貴重なコメントありがとうございます。

ついこの間、日本でも薬剤の承認がおりやすくなりました。
医材や手技についても、おりやすく、とはいわないまでも、もっと前衛的になると良いですね。

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