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頚椎症(頚椎症性神経根症)

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詳細 2024年8月25日 13:21更新

〜頚椎症(頚椎症性神経症)〜

親指や人差し指の痺れ…肩凝り…頭痛…足の痺れ…だるさ…眩暈…


※頚椎症性神経根症とは頚髄から枝分かれした頚神経根(神経の根元)が頚椎症性変化により圧迫され首〜肩〜腕〜指への痛み、シビレ感、筋力低下などをもたらす疾患です。尚、症状は障害をうけた頚神経の領域に現れます。診断は診察所見とレントゲン検査、MRIにて確定されます。

※頸椎の椎体骨(ついたいこつ)の骨棘(こっきょく)(とげ状の突起)形成、椎間板(ついかんばん)(椎体と椎体の間にあってクッションの役割をしている)の後方突出、靭帯(じんたい)の石灰化、骨化などによって、脊髄から出て肩や腕に行く神経(神経根)または脊髄(せきずい)自身が圧迫・刺激を受ける病気です。

※頸椎の変化は主に加齢や外傷が原因で起こります。加齢による頸椎の変化には個人差がありますが、一般的には40歳ごろから明らかになります。高齢になるほどその変化が強くなるため、頸椎症は中高年者で多く発症します。

※症状が急激に現れることはなく、頸部の症状から始まり、徐々に上肢や下肢の症状が出てきます。
 頸部の症状としては、肩や首の筋肉が緊張し(肩こりなど)、圧痛がみられます。また、頸部の前屈や後屈時に後頸部から肩、上肢に放散する痛みが現れます。
 上肢の症状としては、上肢の痛みとともに脱力感、疲労感、手指の感覚異常、冷感、こわばりを感じることがあります。また手先の仕事、書字、物を摘むなどの動作ができにくくなり、時間がかかるようになります。感覚異常は圧迫部位の高さに一致しており、たとえば第5頸椎椎間板による圧迫時は母指が、第6頸椎椎間板の時は中指が、第7頸椎椎間板の時は小指にそれぞれ感覚異常を来します。症状が進行すると、手の筋肉が萎縮したり、皮膚温の低下、発汗異常、手指の変形などがみられます。
 脊髄に圧迫が起こると下肢の症状が現れ、歩行障害、便秘、排尿障害などの症状が現れます。
 また椎骨の変形により頭蓋内に行く動脈が圧迫されると、首を曲げた時などに血行障害が起こり、めまいを引き起こすこともあります。

※首を横に曲げ、頭部を圧迫した時に上腕に痛みが走ったり(スパーリング検査)、首を軽く後方へ曲げ、頭部を圧迫した時に上腕に痛みが走れば(ジャクソン検査)、この病気が疑われます。
 頸椎の単純X線写真で、椎体骨の扁平化、硬化、骨棘形成、椎体間腔の狭小化の所見がみられれば、診断はほぼ確実です。脊髄や神経根の圧迫の状態をみるには頸部MRI検査が有用で、椎間板の後方突出、くも膜下腔の狭小化や消失、脊髄の圧迫、変形などの変化がわかります。

※神経根の圧迫症状に対しては、頸部周囲の筋肉の緊張を和らげる治療を行います。就寝時の姿勢も大切で、枕の高さを調節して軽度の前屈位をとるようにします。薬物療法としては、非ステロイド性消炎薬や筋弛緩薬(きんしかんやく)が有効です。痛みが強い時は頸椎固定用のカラーを首に装着します。そのほかの理学療法としては温熱、頸椎牽引(けんいん)、低周波、レーザー治療などがあります。
 牽引やカラーを用いた装具療法を早期に行えば、症状の進行をかなり食い止めることができます。日常生活に支障を来す場合には、入院して強力な牽引を行うか、手術による治療が行われます。

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2009年7月6日

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カテゴリ
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