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コピペの部屋コミュの【不思議・心霊】入ってはいけない部屋

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(転載元)
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1738806948/73-75
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?381より 

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でははじまり

━━

『入ってはいけない部屋』

74本当にあった怖い名無し ハンター[Lv.16] (ワッチョイ 634c-zKn+)
垢版 | 大砲
2025/02/10(月) 16:48:00.19
ID:sH2lFtFa0
俺の実家には、一つだけ「入ってはいけない部屋」がある。
そう言われたのは、物心ついた頃だった。

「この部屋には絶対に入っちゃダメよ」

母はきつい口調で釘を刺し、父も

「ここは使っていない部屋だからな」

とだけ言った。

ドアには鍵がかかっていたし、家族の誰もがその部屋について話したがらなかった。
俺も最初は気にしなかったが、成長するにつれて、その「タブー」の存在が無性に気になり始めた。

ある日、俺が高校生の頃。
家に帰ると、いつも閉まっていたはずの「その部屋」のドアが、わずかに開いていた。
背筋に寒気が走る。

部屋の中を覗こうとした瞬間、ひやりと冷たい風が足元を撫でた。
ただの風とは違う、"生ぬるさ"の混じった、不快な空気だった。


75本当にあった怖い名無し ハンター[Lv.16] (ワッチョイ 634c-zKn+)
垢版 | 大砲
2025/02/10(月) 16:48:26.76
ID:sH2lFtFa0

「……」

中は薄暗く、古ぼけたタンスや机が埃をかぶっている。
だが、それだけじゃない。
壁に無数の"爪痕"のようなものが走っていた。
まるで何かが暴れたような、鋭い引っかき傷が、部屋の隅々まで残されている。

(……なんだこれ)

気味が悪くなり、そっとドアを閉めた。
リビングにいた母に

「あの部屋、開いてたけど……」

と話しかけると、母の顔が一瞬でこわばった。

「……もうその話はやめて」

それ以上何も言わせない、強い口調だった。

父は新聞を読んでいたが、俺の言葉を聞いた途端、ピクリとも動かなくなった。

「……」

完全に無視するつもりのようだ。


76本当にあった怖い名無し ハンター[Lv.16] (ワッチョイ 634c-zKn+)
垢版 | 大砲
2025/02/10(月) 16:48:49.23
ID:sH2lFtFa0
そして、おばあちゃんが、かすかに震える声で言った。

「……あの部屋を開けるんじゃないよ」

俺はゾクッとした。
普段は優しい祖母の声が、妙に硬く、切迫して聞こえた。
それ以上、俺は何も言えなくなった。

それからしばらくの間、俺はその部屋に近づかないようにしていた。

だが、ある夜——
深夜2時。
喉が渇いて目を覚まし、リビングへ向かおうとした時だった。

 ギィ……

あの部屋のドアが、また開いていた。


77本当にあった怖い名無し ハンター[Lv.16] (ワッチョイ 634c-zKn+)
垢版 | 大砲
2025/02/10(月) 16:49:11.57
ID:sH2lFtFa0
開けたのは俺じゃない。
家族も寝ているはずだ。

心臓がバクバクと鳴る。
逃げようとしたその時、部屋の中から、かすかに"誰かの声"が聞こえた。

「……ぃ……あ……」

子供の声?
いや、違う。
何かが這いずるような、喉の奥で濁った音が絡まるような、不明瞭な囁きだった。

俺は恐怖で足が動かず、硬直したままドアを見つめた。
そして——

「こっち、見ないで……」

その瞬間、俺の意識はそこで途切れた。


78本当にあった怖い名無し ハンター[Lv.16] (ワッチョイ 634c-zKn+)
垢版 | 大砲
2025/02/10(月) 16:49:44.05
ID:sH2lFtFa0
翌朝、俺は自分のベッドの上で目を覚ました。
喉はカラカラに乾いていて、全身が冷え切っていた。

「昨日……俺、どうやって戻った?」

訳がわからず、リビングに行くと、母が心配そうに俺を見つめた。

「昨日の夜、急に部屋の前で倒れちゃって……」

倒れた? 俺が?
記憶がない。

母は何かを言いかけたが、

「やっぱり気のせいよね」

と苦笑いして、台所に戻っていった。

——その日から、俺はその部屋に近づかなくなった。

高校を卒業し、進学を機に一人暮らしを始めた。

そして俺は、"実家に帰ること"を、自然と避けるようになっていた。


79本当にあった怖い名無し ハンター[Lv.16] (ワッチョイ 634c-zKn+)
垢版 | 大砲
2025/02/10(月) 16:50:20.47
ID:sH2lFtFa0
ある日、久々に実家のことを思い出し、ふとアルバムを開いた。
家族の写真の中に、見知らぬ子供が映っている。
家族全員で撮ったはずの写真。

——俺と姉の間に、"もう一人"、誰かがいた。

顔がぼやけてよく見えない。

「……なんだ、これ」

気味が悪くなってアルバムを閉じた瞬間、スマホが震えた。
実家の母からのLINEだった。


「最近、あの部屋がまた開くのよ……」


俺は、既読をつけずにスマホを伏せた。
……あの部屋が、今どうなっているのか。
もう確かめる気はない。


  (了)

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