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架空図書室 それいゆ文庫コミュの第36回 課題本は井上靖の「あすなろ物語」でした。

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まだ寒い寒い2月の夜。女性2名、男性4名。著者没後20年を記念して、昭和の名作について熱くゆるく語りました。



                          *

・登場する女性たちが、魅力的。

・冴子と加島が心中した理由は何だかわからないが、冴子が主導したように感じる。

・心中が多い土地柄で深い理由はないのかもしれない。

・遺体をみにいくシーンが美しい。

・出来事や人物について深く掘り下げて描かれていない。さらさらと流れている。

・主人公は親との縁がうすい。でもぐれずに生きていく。良い人に恵まれる明るい人生。

・風景描写がきれいなので、映像化できそう。

・神童ではなくなるが、鮎太は何だかんだいってエリート。さらに上の人たちには劣等感を抱いているが、下の人間には上から目線。そう思うと結構いやな奴。

・鮎太の周囲に魅力的な女性が次々と現れるが、平凡な女と結婚している。実人生ってそんな感じ。

・佐分利信子は、鮎太を歯牙にもかけてない。鮎太の押しの弱さが歯がゆかったのか、それとも経済力のなさがネックだったのか。

・信子役は若尾文子か高峰三枝子がいい。

・鮎太は松山ケンイチ、あるいは柄本佑。

・清香役は黒木華か蒼井優のような薄幸そうな女優がいい。

・井上靖は中国歴史ものを多く書いている。仏教に造詣が深い。

・女性たちが次々登場するところ、源氏物語に似ている。無常感が漂っていると読めなくもない。

・鮎田がもててるだけの話では? 何だかむかつく。

・高校生くらいの課題図書だったと思う。大人向けなのか、当時は全然面白いと思わなかった。今読むと、本当に面白い。人間観の深さと明るさが見事。

・檜になると、死んでしまう。不幸になる、だから翌檜がちょうどいいといいたいのだろうか。鮎太よりも優秀そうな人物は早死にしている。

・向上心を持ちながらも、何者にならなくてもいいんだ。あすなろでいいんだ。そう思える作品。


                                 *

「敦煌」「天平の甍」など中国の歴史を描いた作品群に共通して漂うのは、劣等感。それから母への思慕。そのあたりも日本人の民族性を反映していると言えるのかもしれません。
あすなろ物語、このタイトルが何とも素敵。


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