架空図書室　それいゆ文庫コミュの第８6回　課題本は村上春樹の「一人称単数」でした。

石のまくらに
・さらっと読めるが、さらっとしすぎている。
・口語の短歌は若者も好きそう。
・昔の春樹作品の感じがして好き。
・人とうまくいかない、生きずらさの表現が上手い。
・石のまくらは「死」を意味するのだろうか。

クリーム
・春樹氏は１０代の少女の残酷さを描きたかったそうだ。思春期の女の子は何でもやる。
・若者に話している状況になっている。
・この少女は主人公のことが好きだったのだろう。
・サイコパスみたいな少女、実際にいる。

チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ
・この作品が一番好き。春樹氏のジャズ好きが伝わってくる。
・レコード店で躊躇せずに買うと良かったのに。買う人生を送りたいでも買わなくてもよい
・クリント・イーストウッドがバード役を演じた映画がある。

ウィズ・ザ・ビートルズ　Ｗith the Beatles
・クリームの延長にあるような作品。
・兄に後から再会して彼女は自殺している。このパターンは春樹作品によくある。
・表紙の絵がこの作品。

「ヤクルトスワローズ詩集」
・エッセイのよう。
・神宮好きでヤクルト好き。いいと思う。
・春樹氏がヤクルトファンなことを、ヤクルト側も知っている。
・ＨＰに春樹氏の文章が載っている。

謝肉際（Carnaval)
・女性の美醜にこだわりすぎ。
・醜いことを気にするなといいたいのか。
・実は詐欺師だったとは、驚いた。
・美人の友人も実は詐欺仲間かあるいは被害者側なのか。

品川猿の告白
・品川猿のその後が読めて嬉しい。
・礼儀正しい猿が好き。
・会話が良かった。
・品川猿は実は複数匹いるのかもしれない。

一人称単数
・これはつらい体験だ。
・女性から誘われると思ったら、身に覚えのない悪意をぶつけられるとは。
・女性からすると彼の所作や洋服やら、すべてが気に入らなかったのではないか。
・春樹氏の実体験ではないか。
・「私」が主語での場合、作家から離れて自分について書いているように思う。
・「僕」の場合は作家として主人公を描いているようだ。
・雨月物語が好きな村上春樹らしい作品集。