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架空図書室 それいゆ文庫コミュの第84回 課題本は夏目漱石の「三四郎」でした。

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・名古屋の女の登場は衝撃的。三四郎のように当時の読者は度肝を抜かれただろう。

・三四郎は23歳にしては幼い。美しい女性とそうでない女性しかない。しかも美禰子に振り回されている。童貞だから仕方がないのか。

・与次郎が重要人物、お金をかりるきっかけをつくったり、何かと物語をリードしている。

・本郷界隈の三四郎が歩いた場所は、漱石ゆかりの散策コースとして知られている。

・当時、家で人と会うことが多い。電話もないので、突然誰かがが訪ねてくる。

・女性の着物の描写が濃やか。心情や季節を着物の柄に合わせている。

・美禰子が登場すると場面が輝く。詩的な言動や思わせぶりな行動が印象的。目の描写が官能的で、性描写がなくても生々しい女性を感じさせる。

・美禰子は美貌と教養あり自信もあるが、両親と長兄が死亡、次兄が結婚する状態で自分も結婚するしかなかった。

・当時の女性は自活の道はない。行動範囲も狭く、兄の友達と関わるしかない。美禰子はもっと違う生き方がしたかったが、それが何かは見いだせていない。

・美禰子は野々宮が自分と結婚しないことで苛立っている。三四郎がそこに登場した。三四郎の恋心を利用したところもあるが、美禰子にとっては深い慰めや温かさを感じる存在だったのではないか。

・三四郎は失恋したが、美禰子の苦悩や自分の存在の意味、告白したことで彼女の絶望を深めたことを理解している。

・借金を返すことで、三四郎は美禰子への気持ちに踏ん切りつけたかった。あるいは対等になりたかったが、美禰子は受け取ろうとしない。三四郎とはこのままでいたかったからではないか。

・数カ月の物語だが、三四郎の成長ぶりは計り知れない。

・美禰子の延長線上に「虞美人草」の藤尾がいる。

・「それから」の美千代が美禰子の将来だとしたら、銀行員の婚約者は平岡。苦労する。

・野々宮、原口、与次郎も皆美禰子が好きだが、積極的な行動には出ない。ノラのような自意識を高くもつ新しい女への気おくれのようなものがあったのではないか。

・主語がいろいろである。「美禰子は」「女は」が混在したり、三四郎目線で書かれたり、三四郎のことを描写したりしているが、読んでいてい違和感がない。

・原口が美禰子を描くところで絵画論、「心を描くのではなく心が外へ見世を出しているところを描く」。漱石の文学論を聴いているようだ。

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