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架空図書室 それいゆ文庫コミュの第66回 夏の忘年会兼読書会を開催。課題本は大岡昇平の「野火」でした。

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西荻窪の聖地といえば「戎」。安くて美味しくて、5時から飲めます。
8月は戦争文学を読みます。今回は大岡昇平の「野火」について熱くゆる〜く語りました。


                          *


・田村一等兵、普通の会社員のようだ。

・安田のような狡猾人物はどこにでもいる。

・永松は従順なようでいて、一線を超えた行動をとる。安田とは不可解な従属関係。

・第二次世界大戦の日本軍の南方の戦死者は、ほとんどが餓死。この作品をよむとその実態がよくわかる。敵と戦うよりも食糧のなさが死因とは、とてもつらい。

・極限状態下の過度なストレスによる自殺も多かったことがよくわかる。

・投降も簡単にはできない。作品中も班長にとめられている。

・味方同士の敵対があり、誰も信じられない状態になる。

・死んだ兵士の肉を食べていたが、そのうち生きている兵士を殺して、人肉を食するようになるまで時間はかからない。飢餓状態は人間から理性を簡単に奪ってしまう。

・田村一等兵は、猿の肉だといわれて口にするが、自分からは人肉を食べようとはしない。神の目を感じる田村。極限状態の人間の行動の歯止めとなるのは、神を信じることでしかないのだろうか。

・田村一等兵は、穏やかで知的な人物。その彼も罪のない女性を殺ししまうが、彼は罪悪感を感じている。

・肺病のため戦力外通告をうけて田村だが、貴重な塩を手に入れて、社会復帰のような形で他の兵士との交流を再開する。こういうことは現実社会でもある。

・最近も映画化されたが、リアルな描写で観るのがつらかった。

・船越が演じた田村一等兵は、本当の兵士のようだった。役者の多くが戦争体験者で、皆が痩せていて演技を超えていた。

・こんなに苦労して戻ってきても、田村は世の中から歓迎されてない。精神病院に入院して、主治医から手記を作り話と思われて、妻を寝取られる。

・戦争に負けるということは、存在や精神を踏みにじられるということである。相手がアメリカだったから民主的国家として再建できた現実を感じる。

・田村のような極限状態を体験することは、現代でもある。食糧不足の餓死はないが、心の餓死はある。

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