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架空図書室 それいゆ文庫コミュの第60回 課題本は松本清張の「黒革の手帖」でした。

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松本清張の傑作。悪女中の悪女の物語について熱くゆる〜く語りました。


                         *

・原口元子の生い立ちについては触れられいない。そこがいい。

・当時、女性行員の横領事件が頻発していた。多くは隠ぺいされていたようだが、男性に貢いでいたケースが多そう。元子はバアの開店資金にした。その発想が面白い。

・この時代はオイルショックから立ち直り、景気がまあまあのころ、社用族が銀座のバアを活用していた。仕事とはいえ銀座のホステスと付き合うことはある種の憧れであった。

・総会屋の高橋にとって、元子は小物にすぎない。浪子に泣きつかれて仕方なく潰そうとしたが、殺すつもりはなかった。

・ラストシーンで元子は殺されそうになっている。この展開はホラーよりも怖い。

・元子に男性のパトロンがいないことを、長谷川が驚いていたが、普通はバッグがいるもの。元子は自分でも気が付かず一人で闇社会に殴り込みをかけていた。

・元子はお客様の個人情報をネタに脅迫し続けた。銀行では隠ぺいされたが、銀座でそれをやると、銀座全体の評判が落ちていく。銀座全体を敵にまわしていたことにも気が付いていない。

・浪子と村井の恨みが元子を追い落とす策略をつくりだし、それに元子は気が付かなかった。他人の恨みの上に幸福はないと清張は言いたかったのだろうか。

・闇社会と通じる夜の社会、政治の社会、経済の世界、それぞれに暗黙のルールがある。元子はすべて無視して、自分の流儀が通ると思っている。銀行の横領と脅迫が成功したため、それがどこでも通ると思ってしまった。

・元子は昭和の名女優が演じたがった役。平成の女優、米倉涼子も武井咲も好演していた。

・ドラマ化された作品は原作と少し違っていたが面白かった。原作が面白いからだろう。

・清張は女性の着物の描写も詳しく書いている。女性の心理や行動に興味がありそう。

・元子は悪女だろうか。横領や脅迫は悪いことだが、相手を選んでいる。

・医学部の裏口入学や総会屋と政治家や銀行の闇のやりとり、銀座のバアの仕組みなど、社会の裏側を詳細に描いている。綿密な取材と詳細な描写が今読んでもとても新鮮。

・良い人間が一人も登場しない。



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