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架空図書室 それいゆ文庫コミュの第27回 課題本は川上弘美著「センセイの鞄」でした。

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5月といえばもう初夏。梅雨の前の気持ちの良い夜、3名の参加者で熱くゆるく語りました。



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・センセイがカタカナなのが良い。

・居酒屋の出会いのシーンから美味しい食べ物がたくさんでてくる。

・二人を意識せずに対応するサトルさんのようなお店があったら行ってみたい。

・月子が積極的だったから成立した恋愛だと思う。センセイは引いていて、押しに負けた感じ。

・このストーリは妙齢の女性が老境の男性を好きになり、同世代の男性を袖にして突き進んだところが
魅力的な話だが、逆だとただのエロジジイとなり素敵な小説にならない。


・こういうことが有り得るとは思うが、センセイの知的で穏やかで相手を思いやる精神がないと無理だろう。

・老人である自分を意識してセンセイは、自分の亡き後の月子を案じている。

・「老い」を綺麗に描きすぎている感じがやや不自然にも思う。


・月子は生徒のころからセンセイが好きだったとは書かれていないが、気になるセンセイだったのだろうか。

・二人とも変人気質。きちんとしているが、他人に何だか厳しい。

・月子は一見普通なのだが、同世代とはタイプとは付き合えない女性。女性の友人もいなさそう。人を惹きつける魅力もあるが、関わると冷たくされそう。

・センセイ役はジュリーだとかっこよすぎ。柄本明の渋さがあっている。小泉今日子の月子役はぴったり。一人で飲みに行けそう。

・センセイは今でこそ穏やかだが、昔は妻にきつかったことだろう。奥さんが出奔した気持ちが分かる。

・奥さんは天心爛漫な変人で、厳しく実直なセンセイの前では自己表現が上手くできず、どう付き合えばよいのかわからなかったのかもしれない。


・国語の先生は何となく素敵な雰囲気の人が多かった。どうしてだろう。

・数学の美人だった先生のことを思い出した。

・元先生と付き合うと安心感からスタートする恋愛になりそう。

・少年が年上の女性に恋をすると「たぶらかした」ということなるが、男性教師が教え子と恋愛をすると一応恋愛になるのはずるい。

・年の離れた恋愛に対しての世間の目は冷たい。男性が上だと財産目当てだとかロリコンだとか言われてしまうし、女性が上だとこれもお金がらみだとか勘ぐられてしまう。

・空っぽの鞄に月子は何を感じたのだろう。「あれ、お金が入ってない」とがっかりすることはなさそう。月子とセンセイは最後まで清らかで世俗の垢にまみれていない。

・月子さんとセンセイは一緒に暮らしたのだろうか。センセイの息子とは葬儀で初対面の様子だが。

・このあと、月子さんはどう生きるのだろう。センセイの思い出が豊さをもたらすだろうか。それとも喪失感と閉じた世界に身を置くのだろうか。

・文体が全体的にほんわかした空気感に満ちている。ぼうぼうなど擬態語や擬声語が巧みに使われている。自分も登場人物になった気持ちで読める。



                                 *


お互いどこか傷ついている二人が、そっと寄り添う恋愛をするのはよくあることですが、
年齢が30歳以上離れている。元教え子と先生となると、世間の目を意識せざるを得ません。

それでも、死という別れを意識しながら、二人は互いへの恋心を大切にして強く清らかに突き進んでいきます。何という勇気でしょう。

あくまでほんわかした雰囲気と穏やかな知性に彩られながら、こんな生き方ができる二人に強い憧れを抱く読者も多いのではないでしょうか。

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