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架空図書室 それいゆ文庫コミュの第19回 課題本は太宰治の「人間失格」でした。

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太宰 治の代表作にして自叙伝的名作「人間失格」。どうしても暗いムードが漂うこの作品について
男性6名、女性1名で、本当に熱く語りました。


                           *


・走れメロスの明るさが全然ない。

・この時代、過激な作品が溢れているなか太宰の作品はおとなしめだったはず。

・当時の軍国的な風潮にまったく影響されていない。これといった思想もなく自分自身に耽溺している姿が見事である。

・高円寺など杉並区の地名がいくつもでてきて親しみがもてる。

・あまりのナルシストぶりに、ちょっと距離を置きたい。そばにいられると困ってしまう。

・現代でいうパーソナリティ障害、パニック障害など精神的な疾患を抱えていたことがうかがえる。

・他人と自分の間に何かを置かないと居たたまれない主人公、道化を演じてやっと人と関われる様子が
 とてもつらそう。それでいて女性にはモテている。秘密を守れる感じが良いのだろうか。

・太宰の写真はどれもかっこいい。役者が演じているようなかっこよさである。

・薬物中毒や病気を抱えながらのこの文章の美しさはいったいどうしてだろう。

・主人公の葉蔵は太宰自身だろう。この迷惑っぷりとそれでて憎めない感じがとても魅力的。

・太宰の小説は、自分ひとりに書いてくれているような錯覚を感じさせる。この辺は村上春樹の作品に似ている。しかし春樹にはマラソンというスポーツがある。そこが大きな違いである。

・暗い作品だが、どことなくユーモアが漂っている。

・主人公をとりまく女性たちも、何だか不幸。生きようとする力を感じない。

・金木村に行ったことがある。荒みを感じさせる自然の中に太宰の豪華な生家があり、彼の人格形成にこの家が暗い影を宿したことがよくわかる。

・この主人公は何をしたいのかが分からない。それでいて何かをしなくてはいられない人、死にたくて仕方がないのだろうか。

・父親が悪かった、ということを言いたいのだろうか。確かに父親をはじめ登場人物が冷たい。

・太宰の作品の全てが、彼を語る素材になっている。作品よりも太宰を語りたくなる。


                               *

芥川龍之介にあこがれて、しかし芥川賞をとれなかった太宰。川端康成にも三島由紀夫にも嫌われた彼の作品の比類なき文章の美しさとナルシシズムが凝縮されたこの名著。今後も生き残ることは間違いありません。太宰の孤独の中に、魂をゆさぶる「何か」を感じます。

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