気まぐれ花便りコミュの【ホウチャクソウ】イヌサフラン科・・・(310)

漢字では宝鐸草です。『ほうちゃく』とは、お寺の軒先にぶら下がっている風鈴状のものだそうです。
実からイメージしたネーミングでしょうが、あまり似ているようには思えません。

ホウチャクソウは東南アジア原産の多年草で、日本各地の雑木林のひらけた場所や林縁などに見られます。地下茎で繁殖し、群落を形成します。

花の形はスズランの大きい版で、５月頃に淡緑がかった白い釣り鐘状の花を付けます。花弁の先端が緑色を帯び、白から緑へ美しいグラデーションの花を楽しむことがでるので、鉢物としても人気があります。果実は黒く熟します。

以前、ホウチャクソウはユリ科チゴユリ属（Disporum）に分類されていましたが、DNAによるAPG分類体系Ⅲでは、チゴユリ属は『ユリ科』から『イヌサフラン科』に変更されました。
ホウチャクソウは、同じ仲間のチゴユリと容易に交雑することが知られています。

ホウチャクソウの姿形に似た仲間に『ナルコユリ』と『アマドコロ』があります。
以前はホウチャクソウ、ナルコユリ、アマドコロは共にユリ科でしたが、APG分類体系ではナルコユリとアマドコロは、ホウチャクソウと別れてクサスギカズラ科（キジカクシ科と言われることもある）ナルコユリ属になりました。

ホウチャクソウとスズランは毒草ですが、ナルコユリとアマドコロは薬草です。
ナルコユリは『黄精』、アマドコロは『萎蕤（いずい）』と呼ばれる生薬です。

撮影場所は自然教育園です。