「カルマヨーギーは心の中にあるラーガ・ドヴェーシャ(好き・嫌い)から湧く様々な思いや欲望をヨーガによって昇華させ、知識を妨げる不純な障害を取り除くことができます。カルマヨーガは心を浄化する手段です。しかし、サンニャーシー(出家者/放棄者)にはこの心を浄化するためのカルマヨーガという手段がありません。サンニャース(出家/放棄）の生き方を選ぶ人は、すでに心の浄化はできているということが前提だからです。・・・（略）・・・クリシュナはアルジュナに、カルマヨーガを勧めました。この時点のアルジュナにとっては、知識を理解するための心の準備がまだ必要であることを見抜いていたからです」
『やさしく学ぶYOGA哲学 バガヴァッドギーター』 向井田みお・著
『カルマヨーガで浄化したのち、自我の放棄でムクティが訪れるのだが、まだその段階ではない者にはカルマヨーガを勧める』というのが真であるが、バガヴァッドギーターでは「ジュニャーナヨーガよりもカルマヨーガの方が優れている」と訳されているものが多い。
未熟な者は“優れていると言われている”ので、プライドを持ってカルマヨーガに取り組むであろう。
ジュニャーニは、「優れている/劣っている」といった二元論に惑うこともなく、この表現が方便であると理解できる。
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