みちしるべ〈仮〉コミュの書物はどのように役に立ちますか？

Ｑ：書物はどのように役に立ちますか？

マハルシ：書物は、われわれの霊的熱望を増大させるかもしれない、ということがあるだけです。
聖なる書物を研究することは、真実を明らかにするには十分ではないでしょう。
心の中に、ヴァーサナ(＊)が潜伏している限り、実現を達成することはできません。
聖典を学ぶということそれ自身が一つのヴァーサナです。
サマーディだけが実現をはっきりと示すことができます。
さまざまな想念が実在を覆うヴェールを投げ与えます。
したがって、サマーディ以外の状態においては、実在が明らかにされることは不可能です。

(＊条件づけに基づく生来の傾向や気質)

Ｑ：瞑想の修練をするのと、ウパニシャッドのような霊的な書物を研究するのと、どちらがよりよい方法ですか？

マハルシ：それはまったく、それぞれの人の気質の問題です。
もし瞑想があなたに適しており、進歩を達成する助けになると思うならば、そのときはそれを続けなさい。
他の人びとは書物を研究することが瞑想よりも彼らに適していることを発見します。
異なった人びとは、異なった道をとらねばならず、それは個人の好みと気質の問題です。
個人の実例と個人教授はその道において、もっとも役立つ援助です。
一方、修練は書物よりも、より優れています。
書物を読んでいるとき、あなたの目は文字の列を追っていきますが、あなたのハートは一者の中にあるべきです。
グルは、内的・外的両方の道標ですが、書物は道にとって単なる外的な道標にすぎません。
内的なものとしては、グルは一つの活動力であり、ある意味であなた自身のより高次の真我です。

〈読書が好きだった人に対して〉

マハルシ：あなたが探し求めているのは、内部のあなた自身です。
書物はそれ自身、外部のものです。
なぜ、それらを研究して、寄り道をするのですか。

『不滅の意識ラマナ・マハルシとの会話』P156～157より