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六命+一揆 営業日誌コミュの《Melntese》49日目

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「イチジク起きて〜、お昼寝はお終いだよ〜。」

樹にもたれてうたた寝をしていた九の肩を揺さぶる。

「あんまり寝ると〜、夜寝れなくなるよ〜?」

3回ほど揺さぶると煩そうにねこっぱちの腕を振り払って、目を開ける。
ねこっぱちは起きがけでまだボンヤリしている九を改めて観察してみた。

寝乱れた綿飴のような髪のせいで昼下がりの陽射しの下、不思議な陰影をつけているココアの肌。
薄紅色の長い睫毛に縁取られた淡い色の瞳は、寝起きのせいか水気を帯びて揺らいでいる。
程よく存在感を主張した鼻梁の先にある唇。
うっすらと開かれた唇は紅を刺さずとも色づき、ふっくらとして。

普段の暴言と横暴ぶりに忘れがちではあるが、九は自他共に認める美少女である。
それも本来は、黒砂糖と桜の花びらでできた綿菓子のように甘い美少女である。

久しぶりにマジマジと至近距離で九を見たねこっぱち。
あの滑らかな頬を撫でたいと思う。
どうしたらいいかな…?
ねこっぱちの丸い瞳が獲物を狩る獣のように若干細められる。

「やっぱりイチジクはカワイイよなぁ。」
「……は?」

九は眉をひそめる。
ねこっぱちはうっとりと九を見つめながら「それに美味しそう」と続ける。

「頭から丸齧りしたくなるくらいだよ〜。」
「おい。」
「そんな事したら勿体無いから、やらないけどさ〜。」
「お前な!ミニミニの分際でオレが齧れるわけないだろ!」
「あ、確かにボクはキュートなサイズだったね〜。」

妙なところにこだわりを覚えた九にねこっぱちは何故か照れる。
そんなねこっぱちに九はイラつく。

「オレを頭からかじるなんてちゃんと成長してから言えよ……って、お前それ以上大きくなれないもんな。へっ、ざまぁー!」

鼻で笑う九。

「もう……モノの例えだってば。本当に齧ったりなんかしないよ〜。」

彼女の罵詈雑言には耐性があるねこっぱちは特に反論せず肩をすくめるだけ。

「それくらい可愛いってことだよ〜。」
「まぁ、オレは確かにかなりの美少女だが。」
「ホントホント。一体いつになったらボクと契約してくれるのかなぁ。」
「待て。全く脈絡ないだろ。」
「え、ずっと言ってるじゃない。ボクと契約してって。」
「それはそうだけど、今の会話と関係ないだろ!」
「あるよぉ〜。」

ねこっぱちは腰に手を当てて偉そうにふんぞりかえる。

「イチジクってば、油断してるとうっかり食べちゃいそうになるくらい可愛いんだもん。早く契約したいよ〜。」
「全然関係ない!」
「男心がわからないんだから…」
「ブタネコウモリに男心もクソもあるか!」

忌々しそうに切り捨てる。
しかし、ふと悩ましげな表情になる。

「っていうか……オレと契約したらどうするんだよ?」
「どうするって……」
「まさか、契約した後なら食べても構わないとか思ってるんじゃ…」
「あぁ〜、そう言う手もあったのか〜!」

イチジク冴えてるね〜と呑気に相槌を打つ。

「ふざけんな、アホっ!」
「も〜、ボクは紳士だよ?そんな事はしないよ。」
「お前の普段の行いからは信用できねーよ!」
「大丈夫だってば……でも、まぁ、ちょっとくらい舐めても……」

わりと真剣に悩んでいる様子のねこっぱちに、九はひきつった顔で両腕で自分の体を抱きしめる。

「うわ、絶対契約しない!お断り!ハウス!」
「酷いよ、イチジク。だいたいね、舐めるくらいなら…」

今でも出来るんだから、と言いながら九の頬をペロリンと舐める。

「……うん、やっぱり甘いね〜♪」

満足そうに頷くねこっぱち。
突然のことへの驚きか、ザラザラの舌に舐められたせいか、一瞬ポカンとしていた九だが、見る見る間に頬が真っ赤に染まる。


「バカ猫ーッ!!!」




怒号とともにねこっぱちは殴られ、放物線を描いて草むらに吸い込まれて行った。

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