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アイルランド独立の歌コミュのÓró sé do Bheatha Abhaile

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※Chorus
Óró sé do bheatha 'bhaile
Óró sé do bheatha 'bhaile
Óró sé do bheatha 'bhaile
'Nois ar theacht an tsamhraidh.

Sé do bheatha a bhean ba léanmhar
Ba é ár gcreach tú bheith i ngéibheann
Do dhúiche bhreá i seilibh meirleach
's tú díolta leis na galla!

※Chorus

Tá Gráinne Mhaol ag teacht thar sáile;
Óglaigh armtha léi mar gharda
Gaeil iad féin is ní Frainc ná Spáinnigh;
Is cuirfidh siad ruaig ar Ghallaibh.

※Chorus

A bhuí le Rí na Bheart go bhfeiceann;
Muna mbíonn beo ina dheoidh ach seachtain,
Gráinne Mhaol is míle gaiscíoch;
Ag fógairt fáin ar Ghallaibh.


別トピで紹介されております、映画「Wind that shakes the Barley」で、IRAが行進しながら合唱する“Óró sé do Bheatha Abhaile”を取り上げます前に、まず私の知識不足の酷さを、深くお詫び申し上げます。

まずこの詩は、パトリック・ピアース・・・ゲーリックリーグの活動家、聖エンダ校の校長にしてIRAの前身であるIRBの幹部、イースター蜂起の中心人物で、アイルランド共和国臨時政府大統領、英国軍に降伏し、弟ウィリーと共にキルメイナム刑務所で処刑された後に神話となった詩人・・・の手によって作られたものでありました。

そして、この詩に登場します Gráinne Mhaol なる人物は、エリザベス一世時代に“反逆者の母”“海賊女王”という異名を持つ実在の人物でした。

その後、色々調べましたところ、この歌の正式なタイトルは“AN DORD FEINNE”・・・The Fenian Chant「フィニアン賛歌」とものです。Fenianとはアイルランド神話に登場する赤枝戦士団の戦士を語源として持ち、1850年代に発生した共和国思想(王国と反対する意味で、アイルランドの独立を目指す)に賛同したフィニアン運動全般を指し、19世紀末に確立したIrish Republic Brotherhood (IRB)の活動家や賛同者の総称となりました。当初は英国からの完全独立を目指す運動(ゲリラ活動も含めて)でしたが、1910年頃にパーネル議員主導の穏健化方針により英国連邦の自治国として留まる勢力が主導権を握るようになり、IRB運動は分裂しました。一番大きな要因は、第一次世界大戦の勃発によるもので、パーネル議員派は英国に戦争協力し、見返りに自治政府の樹立を目指すという方針と、「英国の危機は、アイルランドのチャンス」という伝統的な完全独立を目指す派閥との政治的対立によるものです。前者における軍事組織は1913年にVolunteer Force (IVF)として組織され、対戦勃発時に英国軍に参加しました(ちなみにここで「ダニーボーイ」を想起されました方・・・うーん、残念。Frederic Edward Weatherlyがこの詩を書いたのは1910年です。ただ、その空気があったとも考えられますが・・・)。

一方、完全独立を目指す派閥は、1914年にトーマス・クラークをはじめとするIRB軍事委員会を中心に再編されましたが、その際、IRBの幹部であったピアースは、この軍事組織を鼓舞する為に1914年に作詞したものであり、行進曲として発表されました。メロディーにつきましては諸説ありますが、ピアース自身幼い頃から歌っていたアイルランドの古典民謡からの流用の説が一番有力です。

しかし、この行進曲は全く人気がありませんでした。IRBやゲーリックリーグ等の主要人物や幹部は、学歴の高いインテリ層が中心で、ゲール語の復活を進める運動を中心に展開していたのですが、IRBの軍事組織の兵士達は英語しかできず、ゲール語で作られたこの行進曲を率先して歌ったという形跡はありませんでした(その代わり、現国歌である「兵士の歌」の英語版が、行進曲等として頻繁に歌われておりました)。

この点、映画は間違っているかもしれませんね。w

もう一つ、歌詞に出てきますGráinne Mhaolなる女性のことについて・・・1530年にヘンリー8世の侵略下にあったアイルランドの有力Clanの一つで現在のメイヨー南西ムリスク一帯を支配していたO'Malley一族に生まれ、二度の結婚の後にメイヨーのクレア島で暮らしていました。島の海域に出没するゴールウェイの海賊(実は英国の支援を受けていました)からの襲撃を頻繁に受けておりましたが、何度も返り討ちにする度量と勇気が、彼女を有名にさせていきました。

1593年、彼女の息子たちや親戚たちが、侵略してきた英国に突然捕らえられました。エリザベス一世の治世下、女王はアイルランドの支配を確たるものにする為、原住のClanを整理する政策を進める一環で行われた逮捕劇でした。ここでGráinneは、驚くことを行いました・・・自らロンドンまで出向き、エリザベス女王に開放するように要求する行動を起こしました。行けば同じように捕らえられ、処刑されるかもしれないのに・・・です。

片や超大国スペインをアルマダ海戦で打ち破った大英帝国の頂点に立つ女王、片や英国人からすれば“野蛮な”アイルランド辺境の島に住むClanの女性・・グリーンウィッチ宮殿でのこの二人の対峙が、“反逆者の母”の冠を、Gráinne に被せることになったのでした。

“野蛮”なはずのGráinneは、豪華なガウンを着て、どの王族かと思われるくらいに、優雅な振る舞いで宮殿に入りました。拝謁の段階では、Gráinne は決して女王に頭を下げませんでした・・・アイルランドの支配者ではない女王に、礼をする必要はないと、考えていたからです。戸惑う女王は、英語で話し始めますが、Gráinne はラテン語で返します…英国は支配者ではない、しかし女王はゲール語は話せないだろうから、当時の教養人共通の言語で話すのが筋であると主張したからです。

国力ではなく、弱く貧しい国であろうと、国の“誇り”とは何かを体現したGráinneに、さすがのエリザベス?女王も感服し、長時間の一対一(!)の話し合いの末、捕縛されていた子供や親戚の釈放、領土保全の約束を取り付けました。

帰郷後、1594年に勃発したアイルランド9年戦争で、英国への反乱を起こした勢力に、様々な支援を続けました。クレア島を中心とした海戦に強かった事から、英国軍の補給船を襲い、ここから新たに“海賊女王”のあだ名がつきました。そして1603年、奇しくもエリザベス女王と同じ年に、波乱に満ちた生涯を閉じました。

独立運動の歴史からしますと、表現は悪いですが、極めて地味な人物であり、英国への反逆という点では一致しておりますが、明確な国家観があっての行動があったとも思えない・・・伝統的なClanの領土という意識に則った女性であったと言えます。ただ、英国と対等に話すという行動は、国としての意識を持つプロセスにおいて、教育要素として重要なイベントではあり、その点がIRBの目指す方向と合致していたことから、伝えられていたのでしょう。

ピアースは同じ時期、有名な「MISE EIRE(I AM IRELAND)」を作ります:


I am Ireland:
I am older than the Old Woman of Beare.

Great my glory:
I that bore Cuchulainn the valiant.

Great my shame:
My own children that sold their mother.

I am Ireland:
I am lonelier than the Old Woman of Beare.


アイルランドを虐げられた女性として書き上げたこの詩と、今回のÓró sé do Bheatha Abhaileと、対比例としてよく出されます。弱き女性と強き女性は表裏一体・・・自らのアイデンティティーを確認し、自国へのプライドを持てば、新しくなるという夢を、ピアースは伝えたかったのでしょう。

コメント(2)

ちなみに、この海賊女王の伝説をベースとしたミュージカルが行われているらしいのですが・・・

http://www.thepiratequeen.com/

ああ、観にいきたいw
貴重な情報をほんとうにありがとうございます、ものすご〜く真剣に!?読み入ってしまいましたが、夜にもう一度じっくり読みたいと思います… アイルランドの精神性のベースをうかがい知ることのできそうなお話ですね、感動しました。。

あ〜私もシカゴに飛んで行きたいです!! 
いや、4月ならニューヨークでいいのか(笑)

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