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紙の新聞コミュの紙プロ編集長・山口昇氏とは!?

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紙プロ編集長・山口昇氏とは何か!?
 山口昇(現・日昇)とは・・・・・・詳しくは知らん。飼い犬を殺したり紙プロの編集長やっているとても偉いお人だ。最近顔写真を見たのだが、けっこう若くてカッコいいナイスガイである。女房役である柳沢忠之氏が『紙プロ』を去ってしまったが、前田明(現・日明)と同様に、名前に「日」を付けたおかげで数倍にパワーアップして彼は帰ってきた。そして現在は、『紙プロ・ラジカル』にて極めてマジメにプロレス記事製作に取り組んでいる。その猛筆&インタビュアーぶりは他の追随を許さないものだが、何かが違う・・・・・・ああ、恐山に登ってジンギスカンを食べてたり、みちのくプロレス社屋にクソぶっかけていた頃が懐かしい(シミジミ)・・・・・・。ズバリ言って、山口昇は不真面目に生きている方が200倍魅力的な男だ! ラジカルは他に任せて、チンケな紙プロ(前田日明・談)を復活させてくれ! プロレスを面白おかしく語ってくれぇぇぇええええ!!
 とりあえず『紙プロ』誌上での彼の記事をご覧になって頂きたい。

コメント(7)

【ウスラトンカチのばらーど】
第1話 『カバにバカ足しゃウスラバカ』の章  山口昇
 
 「カバを取材しようと思うんだ。誰か協力してくれないか?」
 『紙プロ』編集部でメシを食っている時、オレは初夏の昼下がりに似合う、少々ニヒルな口調でそう言った。
 「カバってあの動物のカバですかぁ?」
 カバよりデカイあくびをしながらそう聞いてきたのは、当編集部の出戻り娘、高橋紅茶である。
 「そうだ・・・・・・」
 編集部の連中は、どははははははと声を上げて笑った。
 「なんで『紙のプロレス』でカバを取材しなきゃいけないんでしょうか?」
と、営業の成田キリタンポがフラメンコの型を反復練習しながら聞いてきた。この連中に何を言っても無駄なことは最初からわかっている。
 「あんたはカバよりもバカを取材した方がいいんじゃない? バカなんだから」
 オレのバカな女房までが、キャハハと笑いながらバカにした口調で言った。ふだんなら水面蹴りでスッ倒し、ヒールホールドに極めるところだが、今日ばかりはそんな気になれない。俺はどうしてもカバを取材しなければならないのだ。そのことで頭がいっぱいなのである。
 誰に言っても信用されない話というのは、誰でもひとつやふたつは持っているものだ。例えば夏に5〜6人で旅行に行き、偶然墓場の近くを通ったとする。あなたがふっと横に目をやると、ゆら〜りゆら〜りと白いものが宙に漂っているのを目撃してしまう。しかしそれを見たのはあなただけで、他の仲間は笑って誰も取り合ってくれない。その時の寂寥感と地団太を踏むような焦りと悔しさ。そんな体験は誰もがしていることなのに、みんな忘れてしまうだけなのだ。
 人を驚かすためだけ、好んでその類の話をするという人もいる。だがオレは違う。オレが子供の頃に見た”アレ”は嘘でも幻でもないのだ。
 5歳の頃からズッとオリのように溜まっていた物を吐き出すために、そしてオレが見たものが幻ではないことと、オレがうそつきではないことを証明するために、俺は取材の旅に出ようとつい先ほど決心したのだ。
 これ以上編集部のヤツらに何を言っても無駄だと思ったオレは、おわわ〜んとした暑さの街へと飛び出した。”さてどうするか・・・・・・”この旅で何かしらの答えが見つからない限り、編集部に戻るつもりがなかったオレは、これからする旅の重さと暑さに押し潰されそうな気分を振り切るように歩き出した。
 「ちょっと待ってくださいよ〜」
 背後からの声に振り向くと、西村シャブシャブがこっちに向かって、ドスドスドスと走ってきた。
 「どうした?」
 「いや、ちょっと話したいと思って・・・」
 西村シャブシャブというのは、『紙プロ』紙面のデザインをしている「デザイナー?」と、ケツに「?」マークを付けたくなるような新人デザイナーである。間違えて秋に『海の家』を出してしまったマヌケなオヤジのようなバミューダ姿で毎日出勤し、ラップだかゲップだかをウォークマンで聴いては体を揺すっている小僧だ。こんな小僧の話を聞いている暇はない。だがその表情がやけに真剣なので、オレは喫茶『テイキング・ダンプ』に誘った。
 シャブシャブの顔を改めて正面から見ると、国語辞典の「カバ」の部分を思い出してしまった。確か『口が大きく、胴が丸く、四足は太くて短い。【カバ科】』と書いてあったはずだ。つまり、シャブシャブはカバそのものの容姿をしているのである。
 「実はボク、カバ博士なんです!」
 カバがそんなことを突然言い出すものだから、オレは口にしていたコーヒーをブフォッとシャブシャブの顔と体に拭き掛けてしまった。顔からオレの唾液をたっぷり含んだコーヒーを滴らせ、白いTシャツを茶色く染めたシャブシャブは、そんなことは気にもならないという感じでオレを見据えてこう言った。ラップを聴いてアゴを小刻みに前へ突き出しながらリズムを取っている小僧ぶりは、すっかり影を潜めている。
 「カバ博士って?」
 「ボク、見かけによらずカバに詳しいんですよ」
 ”見かけによるだろうが・・・・・・”。オレは話を横にそらさないために、その言葉をグッと飲み込んだ。
 「なんでカバを取材しようと思ったんですか?」
 「いや、お前に言っても信用されないからいいよ」
 「いや、絶対お役に立てますよ」
 そういえば、このカバ博士はさっき編集部でみんなが笑っている中で、一人だけ笑っていなかった。
 「お前、オレの言ったことを信用するか?」
 「ええ!」
 その話をしようとすると、若い記憶がよみがえってくる。この話を5歳の時から数えて8度したことがあるが、するたびにオレは何かしらの傷を負った。
 1度目は幼稚園の砂場の上だった。母親からこの話は人に絶対してはダメだ、と口を封じられていたのだが、滑り台から砂場に滑り降りたオレは、そのスピード感に幻惑されたのか、急にどうしても誰かにこの話をしたくなり、遊んでいたユラ君に一気に話してしまったのだ。その話を聞いた途端にユラ君は目をくわっと見開き、さくら組のみんなに言いふらしに行った。それ以来、オレは11日間さくら組の誰とも口をきいてもらえなかったのだ。
 2度目から7度目までは、小学校の時だ。確かにオレは人より早熟なところがあり、同学年の友達の考えが幼稚に思えることは日常茶飯事だった。なにせ、みんなが仮面ライダーの主題歌を元気よく口ずさんでいる時に、オレは「♪オ〜トコ〜とオンナ〜の間には〜、くら〜くてフカ〜イ河がある〜」と、『黒の舟歌』を口ずさんでいたのだ。そんなオレだから、この話を同級生の誰に話しても信じてもらえないのはわかっていた。しかし、1年に1回発作的に話したくなった。
そのことを封印するよりも、たとえバカにされようと誰かに話した方が自分の存在を確認できるような気がしたからだ。さすがに中学校に入ってからは、誰にも理解されないことがバカバカしくなり、話さなくなった。
 一番最近この話をしたのが18歳の頃である。それまでは本当にうまくいっていた彼女に真剣に話した。信じてもらいたくて必死に、額に脂汗を流しながら話した。
翌日、同棲していた彼女は何も云わずに出ていった。洗っていないシミの付いたパンツとブラジャーを洗濯機の中に残して・・・・・・。とにかくこの話をすること自体が、オレにとってはトラウマとなって残っているのであった。
 ハッと気が付くと、カバ博士が顔からオレの唾液をたっぷり含んだコーヒーを滴らせ、白いTシャツを茶色く染めたまま、ジーッとこちらを見つめていた。オレは不思議なことにそのバカ面を眺めているうちに話しても良いという気になり、粘つく唇をゆっくりと開いた。
 「あのな、オレな、5歳くらいの頃にイノシシくらいのカバが、町中を全速力で走っているのを見たことがあるんだよ・・・・・・」
 
つづく
 
紙のプロレス 第10号1994・10・1発行
【ウスラトンカチのばら〜ど】
山口昇&代筆界の鬼・斎藤雄一&柳沢忠之
 
 前号の本欄、”『カバにバカ足しゃウスラバカ』の章”の最後には「つづく」とありましたが、ズバリ言って筆者にはまったく書く気がないので続きません。
 
 
「突然ですが、山口昇はこのメッセージだけをマックの中に残し、例によって例のごとくキレイさっぱりいなくなってしまいました。そこでここは予定を変更し、山口昇に縁の深い方々をオールスターキャストでお迎えして、『追悼・山口昇の未完の原稿』をお送りいたします。さっそくですが柳沢さん」
「またお前か! 今度は何? 世間話?」
「いえいえ、山口昇はいったいどうしたのかなと思って」
「デハハ、どうせ家でゴロ寝でしょ。前々からだらしない人だと思ってたんですよ、自転車泥棒の俺が言うのもなんですけど、デハハ」
「ヘックション! でも優しい時は本当に優しいんですよ(ポッ♪)」
「でもな、編集長のくせに原稿落としてな、いったい誰が責任取るんや、でしょ?(怒)」
「そんなこと言われてもボクだって本当は苦しいんですよ!」
「殴るぞ、バカたれ!」
「議論は白熱してるようですが、こんな山口昇に誰がしたんですか?」
「それはねえ、キミィ、象だよ」
「俺がいなけりゃ、山口昇もクソもないんだよ! ユーは山口昇事件を知ってるか?」
「ユー、ユーって言うけどな、山口昇がのうのうとゴロ寝してる間に、みんなでドボンでしょ。たった一人のワガママ野郎のために、でしょ?(怒)」
「山本、俺に説明してくれ! 山口昇は何を投げたんだ? なあ山本、山口って何なの? あいつ本当はホモなんじゃないの?」
「あ、長州さん、この麦茶もう一杯もらえませんか。この麦茶凄くおいしいですよ!」
「とうとう核心部分の質問ですが、山口昇はどうして原稿を落としたのでしょう?」
「時は来た! 締め切りだ!」
「ぷぷぷぷぷ」
「最後に一つだけ! 山口昇は非常に怖いというイメージがあるけど、ズバリ言って、非常に女性が好きなんだよね、ガハハハハ」
「山口昇なんか晒し首ですよ」
(「まいどー、ちょっと責了紙見せてもらえますかあー」)
「まだこれしか埋まってないのに印刷屋さんが来ちゃったやろ!(怒) いったい誰が責任取るんや? でしょ?(怒)」
「なんか一人で怒ってる人がいますよ。どうにかしてくださいよ、柳沢さん」
「よし! 次号からの目玉企画の一端をお見せしよう。ズバリ言って『逆引きプロレス用語大事林(仮)』だっ!」
「おおおおお、なんと逆引きなんですか!」
「いや、いいタイトルが浮かばなかったので、とりあえず言ってみたまでだ」
「はあ〜、で、どういう内容なんですか?」
「よしっ! 説明してやる!」
※こうして、『ズバリ式!! プロレス用語大事林』は誕生したのであった。
 



 
紙のプロレス 第11号1994・12・1発行
 
【ウスラトンカチのばら〜ど】
さらば『週刊宝石』!  山口昇
 
 呑んべえ、という人種がいる。ようするに”底なし”、酒を呑んでも呑んでも酔わない人のことで、オトナシミキコなんて女優もいるけど、それはズバリイってまったく関係ねえんです。あら? ダメだコリャ。
 『紙プロ』の前号は、記念と銘打つほどのことでもないけど一応10号記念号だったのね。なのに編集長である俺が原稿を落としてやんの、アッハッハ・・・・・・って笑ってる場合ですよって番組が昔あったけど、そんなこと言いたい訳じゃなくて、つまりはその、んーとんーと、あの笑ってる場合じゃなくてね、いつからか自分の雑誌に原稿を書こうとすると、失語症のようになっちゃうし、手もパタッと止まっちゃうわけですよ。力石徹が死んだ後、しばらく顔面パンチが打てなかった矢吹丈みたいなもんですね。
 でね、どーしたらいいもんかと悩んでいるうちに、とりあえず書き出せ、書き出すんだジョーォォォと丹下段平化しながら書き出してみると、もうホンの数行で非常に自分の書いた文が気に入らなくなっちゃうわけですね。そうすると脳の気圧配置が変わって、頭の中に濃霧がモワモワと立ち込めてくる、というわけなのです。
 そうこうしているうちに、自分の書きたいこともパーンッと全てどこかに飛んでしまうということを最近繰り返しているわけですが、今回はそんなことはない!・・・・・・と力強く宣言したところで、ええと、何だっけ? ああそうそう、呑んべえの話でした。
 

フザケルなッ! 『週刊宝石』!!
 そうだ、思い出した! 俺は呑んべえの話などはどうでもよかったのだ。今回の俺の敵は”電話コメント”という、今やマスコミでは常識化されたグロテスクな化け物だったのだ。電話コメントとは、新聞 雑誌などが何らかの問題、事件、事象について職者といわれる人達、関係者などに電話でコメントを取り、それを記事にすることなのである。
 今年の8月後半、なんと俺にその電話コメントの依頼が『週刊宝石』から舞い込んだのである。あれはまだ残暑厳しい折の、雨がザンザカ降る夜のことだった。何やらフジテレビ系『スポーツWAVE』のキャスターとして大抜擢された、Uインターの高田延彦のキャスターぶりを勤務評定してほしいという電話が入ったのだ。そこで受話器の向こう側から聞こえる声に、俺は毅然とした口調でキッパリと言ってやりましたね、カッコ良く。
 「ズバリ言って、そのニュース番組はよく見たことねえんです! だからよく知らねえんです。それにワタクシは職者でも何でもねえですから、電話コメントなど非常に身分不相応! ですからお断りします! オッホン!」と。
 ただ、受話器の向こう側の声の主はうら若き女性ということもあり、俺の決心をグラつかせるには十分で、しかも俺のよく知る人からの紹介だというではないか。”色気”と”義理立て”という2大必殺技の前に、俺の決断はもろくも崩れ去ってしまい、結局受けることになってしまったのである。
 しかし向こうはプロレスのことは全然知らず、よくよく話を聞いてみると、こっちにプロレスマスコミとしての見解を求めているらしいのだ。『紙プロ』はプロレスマスコミという自負も自尊心もないので、そういうことなら『週刊プロレス』にでも聞いた方がいいよ、と言ったのだが、またまた2大必殺技の前に押し切られてしまった。
 しかたなく俺は、「一般にはプロレスラーといえばバカで大男というイメージだったが、彼がニュース番組のキャスターを務めたおかげで、プロレス界のメジャー化に貢献した、もっともっとこのことを評価すべきだ。
という意見もプロレスマスコミの中にはある」と、ご親切に他人様の意見まで伝えてやったのだ。
 ハッキリ言って、俺は高田のキャスターぶりを認めていない。というよりどうでもいいのである。人の仕事にケチをつけるわけでもないし、高田がプライムタイムの番組のメインキャスターを務めることは、それはそれで凄いことだとも思う。しかし、プロレスラーがそのようなことをやったとしても、真のプロレスのメジャー化には繋がらないと思うのだ。
 どうもUインターという団体は、メジャーという定義をカン違いしていて、世間的にメジャーだと思われている舞台にプロレスラーを出すことだけが、メジャーだと捉えている節がある。Uインターは高田が持っている、今までのレスラーにはない部分、つまりは一般ウケするマスク、スマートさなどを全面的に打ち出して、各メディアへの進出を図っている。その証拠に、俗にオシャレといわれる雑誌のインタビューには答えても、プロレス専門誌のインタビューには答えない。イメージアップに繋がる番組にはひょこひょこ出て行くが、イメージが損なわれるバラエティ番組などには出ない。等々、実にしゃらくさいことこのうえないのだ。
 ようするにこれは、プロレス団体の芸能プロダクション化である。タレントのイメージを傷つけないように、過保護に扱う。仕事としてはそれは当たり前なのだが、それも度が過ぎるといやらしく感じてくる。世間がそれを見抜いてしまうからだ。
 そうなるとそのことを照射できない、あるいは敢えてしないファンばかりを相手にすることになり、結局はメジャー化を目指していても逆にマイナーという袋小路から抜け出せないパラドックスに陥ってしまうのだ。
 それどころかこういった芸能商法は、そのタレントの持っている本来の持ち味を殺してしまう危険性を兼ね備えている。
 現に高田はという選手は、かの藤原喜明組長に「キレたら一番怖いのは高田だな。あいつは平気で相手の腕を折れる男だよ」と言わしめた男である。そういった高田が抱えているマグマのような部分は、全くといって出ていない。面白くないよなぁ。
 プロレスというのは、つまるところ”人間力”を競うジャンルというのが、俺の持論である。ああ、これは”ニンゲンリキ”と読んでもらうよりは、”ニンゲンリョク”あるいは”ニンゲンヂカラ”と読んでいただいた方が、より美味しくいただけると思います。で、その”人間力”をいかにリングの上で顕在化させるか
、というのがプロレスにとっては非常に重要になってくると、ワタクシなどは思うわけですね。
 しかし、高田というのは・・・・・・おお、そうだったそうだった! 冒頭で”呑んべえ”のことを書いたのが、ここに繋がってくるのだった。すっかり忘れていた。
 まあ例えば、うわばみのような呑んべえというのは適当に酔いながらも、適当に正気と威厳を保っておく、というような技術を持っていて、接待役にはピッタリなわけですね。高田は今ちょうど、プロレスにおける呑んべえの状態なのです。適当に正気と威厳を保っておくが、決して泥酔はせず狂気には走らない。
 だが、俺のもう一つの持論に「プロレスは人間である。人間に関わることは何一つとしてプロレスに無関係だと思えない」というのがあって、それに照らし合わせると狂気を垣間見せることも人間であり、つまりはプロレスなのである。だから泥酔して狂うように、高田にもリング上で狂って欲しいのだ! 今のままだったら、8月のベイダー戦のように適度に「呑んべえの技術」を駆使し、接待して終わりという状態が続くことになる(誤解されては困るが、これはあの試合が手抜きだとかいう意味では決してない)。
 高田のスマートさを剥ぎ取った時、Uインターはますます面白くなると思うのだが、それをさせない環境作りに必死なUインターの姿勢には首を傾げざるを得ない。要は、キャスターというのもその悪しき環境作りの延長線上にあるのだから、ゼッタイにイカンイカ〜ン! 全くイカンイカ〜ン!
 と長くなってしまったが、約40分に渡りこのようなことを電話の向こうのお嬢さんに向けて話したのだった。みなさ〜ん、『週刊宝石』の話ですよ〜、覚えてますか〜。それでですね、
「ズバリ言って、そのニュース番組はよく見たことねえんです!」という一文を加えた上で、「高田のキャスターにはそういう理由で反対です!」という主旨でまとめてください、ということを伝えたのだが、送られてきた掲載誌を開いてブッたまげてしまった!
 そこには、『紙のプロレス』誌・編集長の山口昇氏(ワタシのことです)は”高田効果”をこう語るとし、次のようなコメントが載っていたのである。
「プロレスラーといえば、バカで大男というくらいのイメージしか持たれなかった。彼のおかげでファンはカッコイイと思うようになった。爽快感があってプロレスのメジャー化にピッタリ。この貢献度は大きい」
 誰だ? こんな非常にマヌケなコメントをしている奴は。あっ、ワタシ? ワタシですか、ワッハハハハハハハハハ。プロレス・マスコミの中にはそういう意見もあると言ったものだが、俺自身の意見として堂々と掲載されているのだ。
 で、ご丁寧なことに俺のコメントの後には、清野徹氏が高田キャスターの実力度について辛口採点し、また佐々木信也氏が高田キャスターの技術についてのコメントをしているのだ。高田を持ち上げる俺の意見に対して、ニ氏が反対意見を出す、というような構図になっているのである。全くこのいい加減さにはバカ負けしますね。
 俺は電話をかけてきたお嬢さんも『週刊宝石』も恨むつもりはないし、そんな仕事を受けた己の愚かさというのも十分わかってはいるが、ハッキリ言ってこれでは噛ませ犬である! いい加減にしないとカチ食らわすぞ、バーロー!
 あーあ、今ここで俺がゴタクを並べたところで電話コメントはなくならないだろうし、直るもんでもないだろうしよ、まぁいいか。
 ・・・・・・まあ、世の中いたるところに勘違いがまかり通ってるという話である。
 後日、電話のお嬢さんからは「紙面の都合上、ご希望の一言は載せることができませんでしたが、何卒ご了承ください」という手紙が届き、『週刊宝石』からはコメントの報酬として8370円の小切手が届いた。ぬはははははははははは。
 もうこうなったらヤケ である! 犬の糞についてであろうが猫の餌についてであろうが、なんでもかんでも俺は電話コメントしまくってやるのだ! あたいはどーせ原稿書けない体なんだから、ゼッタイにしまくってやるの! ウフ♪
 そういうことで、この場を借りてワタクシの電話コメントが欲しい雑誌を募集します。ズバリ言って、8370円より受け付けます!



 
紙のプロレス 第20号1995・10・15発行
 
【極道一代
 山口昇物語】
文/山口昇が世界一尊敬する無職 黒田信一

山口昇は外道である
 山口昇とは、都合4度しか会ったことがない。うち1度は宿を共にしての「二泊三日温泉ジンギスカン食い放題プロレス観戦」というものだったから、時間的にトータルすれば39時間余りだ。
 が、そのうち3分の1は酩酊しており記憶がないので、正確には26時間。26時間だ。山口昇を語り尽くすには充分な時間だ。
 んなわけで結論から言うと、山口昇は外道である。どう外道かといえば、例えば私は今回、『紙プロ』からこの原稿用紙をページ数にして2ページ、400字詰め原稿用紙で4〜5枚分を引き受けた訳だ。しかし、もし私が山口昇的人間であったなら、どのような結果になるであろうか。
 
「山口昇物語。これでいきましょうよ」
「わあった。まかせておけい!」
「イラストもお願いしますね。締め切りはギリギリで今月の25日です」
「大丈夫だって、もうほとんど出来上がってんだからよう!」
「じゃ、頼みましたよ」
「大きな船に乗って、酒でも飲んでいてくれ!」
ガチャッ! と、電話を切った1週間後。
「あの、原稿はまだですか?」
「おう、いま書いてるところだから、明日には送れる」
さらに締め切りの25日。
「今日がもう締め切りなんですが」
「わかってるって。いま送るとこだったんだ」
と、私は元気よく電話を切って、結果『紙プロ』の新連載、「山口昇物語・第一回」は以下のようになるのである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 恐るべき空白。原稿は送られず、紙面は雪のような純白。
 わかっていただけたであろうか。山口昇とはこのように依頼された原稿を平気で反故にする、とんでもない外道なのである。
 

 

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