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陰陽師@二次創作小説コミュの妖怪小話其之百七十四【人柱師・十一】

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【人柱師・十一】 
火男「うっ…、ぐぁっ…!」 

体から、蒸気をあげながら、なんとか岸へと手をかけた火男でありました。 

冬弥「火男!」 

初「冬弥、前!」 

人柱師「小僧。その娘を、渡せ」 

船着き場まであとわずか。川を背に、冬弥と初の前に立ちふさがったのは、またもや人柱師でありました。 

冬弥「く…そっ!」 

頼みの小舟はゆらゆらと、人柱師の背にした水面にとめられているのでありました。 

初「冬弥、あいつの狙いはあたしだ。 
あんただけでも逃げな」 

冬弥「そんなこと、できるか!」 

初「あたし…、誰も引き留めてくれないと思ってた。 
ずっと、ひとりぼっちだって。 
けど、冬弥がいてくれた。 
もう十分だ。生き残ったとしても、人柱を建てられなかったあたしは、もう村にいられない。 
だから、せめて…。せめて橋の下だって良い。 
あたし…、あたし、冬弥と一緒にいたい!」 

冬弥「一緒に居りゃいいだろ! 
居場所がなけりゃ、俺の嫁に来いよ、初! 
俺が、一生お前の居場所になってやる!!」 

人柱師「終わりだ!死ねぇえ!!」 

うぅ。と唸り、バッ!と高く跳躍した人柱師でありました。 
が、その背後で、ザバァッと音を立て、宙を舞う人柱師よりさらに高く、水柱が立ち上がったのでありました。 

人柱師「なん…だ!?」 

ザザァ…。 

黄竜「グギャァァア!!」 

私「黄竜!やはり…。しかし、四神の長がなぜここに!?」 

水柱の中から現れたのは、光り輝く金色(コンジキ)の竜でありました。 

人柱師「な、なんだ。貴様…! 
や、やめろ!私にはまだ人柱が! 
神になるためにここまできたのだ。 
やめろ!やめ…! 
ギャァァアア!」 

天に向かい高く吼えた黄竜は、未だ宙を跳ぶ人柱師をじろり。と見やると、貪るように食らいつき、水の中に引きずり込んでいったのでありました。

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