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陰陽師@二次創作小説コミュの妖怪小話其之百十七【俺とシーサー?】

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【俺とシーサー?】
☆月☆日。この日、俺は図書館にいた。

俺「これ…かな」

手にしたのは『沖縄の妖怪』と題された本だった。
確か以前リクが手にしていたのを思い出した。
あのシーサーを追い出してやる。
そう思い、ページをめくるが、妖怪であるキジムナーの追い出し方などはあるものの、シーサーの追い出し方はどこにも乗っていなかった。
やはり守り神は追い出すことがないということなのだろうか。
かといって、あのしゃべって動く土塊を叩き潰すのは後味が悪くて仕方ない。
ため息をついて本を元に戻し、家に帰る。
家の戸を開けたらあの幻覚が消えてくれていればいいのに…。
と思いながら鍵をまわす。

(゚Δ゚)『よ、遅かったな』

どうやら俺のささやかな願いはどうあっても叶わないらしい。
あの日以来感知式ランプのおかげで電化製品類はなんとか護られているようだ。
火災からではない。
このやる気くんからだ。

何がシーサーだ。
この謎の生物が。

と思ったところでふと尋ねてみたいことがあったことを思い出した。

俺「…そういえば気になっていたんだが、シーサーって普通二体いるものだろ。
一体で御利益なんかあるのか、やる気くん」

(゚Δ゚)『なんだ。そんなことも知らなかったのか。
本州で普及されている獅子舞と混同されて二体対にされる事が多くなってきてはいるが、
もともとシーサーは単体でも複数でも構わねぇのさ』

俺「あ…そうなんだ」

シーサーではない証拠を突き付け、追い出そうとした俺の思惑は呆気なく崩れ去った。
あと、このマヌケ顔に負けた気がしてかなりへこんだ。
と、据え置きの電話が鳴り響いた。

でてみれば、久しぶりに聞く兄の声だった。

兄「久しぶり、シュウ。
一人暮らしはもう慣れたかい。」

俺「あぁ…、まぁ、なんとか。
少し疲れることもあるけれど」

応えつつ、ちらり。
とやる気くんの方に視線を向けると、ぷい。と無視された。
腹が立つ。

兄「そうだろうな。
なぁ、シュウ。編入試験受けてみないか」

俺「編…入試験?」

兄「あぁ。うちの大学に編入しろよ。
そうすれば家からも通いやすいだろ」

俺「え…。そんないきなり…」

兄「大丈夫だって。お前の実力なら本調子さえ出せたら成功するさ。
正直なところ、今の大学じゃ一人暮らしをしてまで学ぶ価値なんかないだろう。
俺の大学なら家から通えるし、レベルだって一流だ」

俺「ちょっと待ってくれって兄貴!」

兄「資料はもう送っておぃ…プツリ。」

不意に途切れた電話に目線を動かすと、受話器の置き口に乗ったやる気くんと目があった。

(゚Δ゚)『悪いな。熱があったもんで消しちまった。
不味かったか。』
俺「あぁ…。いい。別に。」

学ぶ価値のない大学。
俺が手にした進路はやはりそう思われているのか。
兄貴の言葉がぐるぐると頭を回り、そのままろくに食事もとらずに布団にはいった俺だった。

コメント(1)

妖怪小話其之百十八【俺とシーサー?】
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