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■998「今日の、向こう側へ」コミュの□998「ランバルトの城」

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◆紅の勇者、ランバルト・ラ・スールのご挨拶

 やぁ、良く来たな。オレが「紅の勇者」ランバルトだ。オレを選んだヤツはビシビシ鍛えるぞ。根性入れて来いよな。いいか、オレの扱きに絶えられたら、超絶パワー(当社比1000%)を手に入れることは確実だ。いいか、後悔は「しない」「させない」「関係ない」だ。ガッツとパワーで行こうぜ!!

◆PERSONAL DATA
 正式名:ランバルト・ラ・スール
 二つ名:紅(あか)の勇者、守護者(WARDEN)
 職業域:戦士系
 加護域:力、体力
 主性質:情熱的
 副性質:不撓不屈
 スキル:両手剣(片手持ち)、両手剣(両手使い)、不死鳥の飛翔・・・

コメント(8)

◆ランバルトの城

 その城は、平原から急激に立ち上がる小高い山の上にあった。深い朱色のレンガが光を浴びて輝き、空に突き刺す様な幾つもの尖塔がそそり立つ。麓からは城門に通じる長い登り道が伸びている。城門は、深緑の金属で出来た両開きの巨大な扉があり、正面には警護の騎士が一分隊不動の警備に立っている。
 背の高い筋肉質の男が山を登ってきた。鎧は身にまとっておらず、朱を基調とした服にバックパック、派手な籠手を着けており、右手に装飾が施された長槍、左手は肩にかけた円柱状のようなものがいくつも入った大袋を押さえている。

 漢は城を見上げ、一呼吸着いた後、山に登って疲れた様子もなく、城門に近づいていく。

「我が名はローラン。ここが紅の勇者であり、守護者であるランバルト卿の城でよろしいかな?」

 警護騎士に笑顔で話しかけた。
「如何にも」

 光り輝く白銀の鎧に、目にも鮮やかな紅のマントに金色の不死鳥の紋章を背負う。警護の騎士は、ローランの言葉に重々しく応えた。

「“大槍勇君”ローラン殿。我が主がお待ちしておりますぞ」

 一礼すると、騎士はローランを案内して巨大な城に入場した。二重の跳ね橋を通り、長い回廊を登ると、正面に幾つもの尖塔を備えた炎の様な色合いの城が目に入った。

「我らが主、ラ・スール卿の居城、ソーバーンである」

 こちらへ、と両開きの正門に案内されると、その門が大きく開く。巨大な広間には、両側に頭上遙かな高みにまで炎の文様が穿たれた円柱が伸びる。その真ん中には、紅絨毯がひかれている。
 騎士はローランを案内して、その紅絨毯を進んでいくと、三つの段が設けられたその上に、黄金の王座があった。そこに座っていた一人の異丈夫が立ち上がる。炎の模様を付けた紅い装甲を身に纏い、長い紅いマントを背負うその長身の人物こそ、紅の勇者ランバルトだった。

「良く来たな、“大槍勇君”ローラン殿」

 良く響く声で、ランバルトが挨拶をする。

「貴公を待っていたぞ」
「紅の勇者ランバルト卿。お会いできて光栄です」

笑顔で会釈する。

「守護者として貴方を選ばせていただきました。貴方を選ぶに足る者
であるかは、これまでの私、そしてこれからの私をご覧ください」

話す表情は非常に真摯なものだった。

「エメース殿に見果てぬ夢を貴方に語るように言われていますが
このままでお話した方が良いでしょうか」

床においた大袋と、警護騎士をチラリとみた。
様子を見た後、はっきりとした声で話し始めた。

「これまで良かったことは、
一つ目は、マウールキャッスルのシールドランド避難民を守護し、避難民が定住者として暮らせ、住民による住民のための施政を作ることができたこと。
二つ目は、自分の中の自分であるクロンメルがSt.Cuthbertを殺してしまったことを神に許され、セイントして召されたこと。
三つ目は、クリスタル・トウキョウでテラと出会い、そしてテラのパートナーとなれたこと。
の3つです」

「まだ実現していない事だが、実現しようと思っている事は、サリズダムとの最終決戦が終結した際、時空の歪みが直ったことで、クリスタル・トウキョウとグレイホークの時空が遠くなり、逢えなくなってしまったテラに、時空を越えて再びめぐり逢い、共に生きてゆくことです。
今は、グレイホークの時空をカーシャ・ラダノア伯爵と越えて、舞鶴で年齢の違う彼女と逢っているのですが、世界の状況や様子を観察している最中です」

一息、呼吸をついて。

「実現するしないは別として、ずっと夢見ていた事は、神威の担い手として、テラとともに神威の存在意義と使命・目的を理解し、その使命・目的を成し遂げるもしくは最後の担い手となることです」





 ローランの堂々たる口上に、ランバルトは呵々大笑して言った。

「立派な志よ、ローラン殿! まこと、“大槍勇君”の銘に相応しい。今後、斯様にこそ名乗るがいい。良かろう――彼の物を持て!」

 ランバルトが大音声で呼ばわると、入り口の大扉が開き、正装した守護の騎士が四騎、黄金の箱を恭しく掲げて広間に入ってくる。御前にまで歩み寄った騎士達は、己が盟主に一礼すると、ローランに向き直った。

「“大槍勇君”ローラン殿。我はヘラルダイン。我らが盟主である紅の勇者に使える騎士団長である。我らが盟主の意を受けて、ローラン殿――貴殿にこの“大槍勇君”の大外套(マント)をお贈りしよう」

 ヘラルダインの言葉と共に、一騎が掲げる黄金の箱を二騎が開け、恭しく緋色の大外套を取り出した。二騎はローランの左右に分かれ、掲げられた大外套を、ヘラルダインがローランの背に留める。
 緋色の大外套の背には、乙女を守護して、天空に大槍を掲げる勇者が、金糸で結い込まれていた。

「ローラン殿。時空の流れは、時として不思議な命運を呼び覚ます。時は先とは言え、その大外套を一糸一糸、その手で縫った者の名を知るが良い。その者こそ、貴公が望んで止まぬ者である。そして、最後の一糸を縫い込まんとする時、貴公の命運は成就するであろう。故に心せよ! 貴公と乙女の命運は今、この時に一致を見た。何れかが己を諦める時、全てが暗冥に沈むだろう。貴公にして、今や一人ではないと知れ!!」

 重々しい、ランバルトの言葉は終わりを告げた。

「さぁ、行け。“大槍勇君”ローラン殿。歩みて、己が命運をその手で掴むが良い!
「またと無いものを三つもいただきました。」

「一つは雄々しき字名。誇りを持って名乗り、字名が体を表す様な我が有様の
道標とします」

右手で大外套を掴み、緋色を優しく見つめた後、

「一つはこの大外套。我が望んで止まぬ者の縫った大外套は、我を暖かく包み、
護り、我が心を常に支えるでしょう」

右手をそのまま胸に当て、

「最後は言霊。望んで止まぬ者までの道が繋がっていること、命運の一致を
知れたことが、魂の炎が更に強く燃え上がるとともに、これからの旅路に
不屈を持って臨む言霊をいただきました」

「ありがとうございます。」

頭を下げた。

「私から心ばかりの贈り物を二つをお受け取りください」

少し微笑みながら、

「一つはこれからの私を見つめる楽しみを」

「私が貴方を選ぶに足る人物であったと言っていただけるように歩んで行きますので、
これからも目を離さず、私の成功も失敗もお楽しみいただければ幸いです」

真摯な顔になり、

「そして、私の真の名を」

「ローランド・ブラックホーン」

「以後、お見知りおきを」

再び頭を下げた。

顔を上げて、フッと表情が柔らかくなると、長槍をゆるりと一回転させ、
槍使いの最敬礼の姿勢を取り

「では、皆々様。“大槍勇君”ローランは己が命運を掴む旅立ちのため、ここで
失礼させていただきます。またお会いできることを楽しみにしております」

漢らしい爽やかな笑顔を浮かべ、ランバルトに最敬礼を行った。

床の大袋を左手で持ち上げて、振り返ると騎士団長ヘラルダイン、守護騎士3名に
会釈をしながら、広間を出て行った。

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