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ミュリのオリジナル小説連載コミュのAfter School  〜絵里華の場合〜 前編

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After School  〜絵里華の場合〜 前編

オレ、川井絵里華の私室は聖ラフィーユ学園都市内に建てられている高層ビル、クロノスタワーの最上階にある。眺めのいいそこをオレはけっこう気に入っている。ただしクソ親父が隣に住んでいなければの話だ。まぁ実際のところ親父はほとんど海外を渡り歩いていて、隣にいることなどあまりないのだが・・・・オレはその日も自分の私室で組織の報告書の作成に追われていた。
 オレが総帥を務める組織JKFは世界的裏組織WKFの下部組織である。親組織であるWKFからいろいろなミッションが与えられそれをこなすと報告書をWKFに提出する。中でも特に重要な報告書はすべてオレが作成することになっていた。今は他組織との間で行われた会議の報告書を作成中である。学園内が見渡せる窓が広がっている執務室兼リビングでオレはパソコンを叩いていた。そんな時、ふいに自分の部屋のインターホンが鳴る。オレは嫌な予感を感じながらも手元の電話で応対する。ここまでクロノスタワーを昇ってこられてインターホンを押す相手なんて限定されている。沙樹や豊達のような悪友かクソ親父かのどっちかである可能性が限りなく高い。
「私だ、顔をみにきてやったぞ。」
悪い予感はあたるもので久しぶりに聞く親父の声が電話越しにオレの耳に響いた。
「豊君からきいたぞ、会いたかったら私が来ればよいのだろう?」
完璧に嫌みな声で親父が言う。オレは仕方なく玄関のロックを解除した。同時に吐き捨てるように電話に向かって叫ぶ。
「執務室だ。」
オレが電話を置いてしばらくたつと親父が部屋に入ってきて、そのままオレの部屋のソファーに座る。
「久しぶりだな、元気にしてたか?」
親父の言葉にオレは前回親父と訓練で対峙した時のことを思い出した。あのときは情けなくも親父から銃弾を一発食らって、その後入院中の一週間ずっと沙樹のおもちゃにされた。
「オレに鉛玉撃ちこんどいて御挨拶だな?」
オレの言葉に親父はふっと笑った。
「手加減はしたぞ?そもそも訓練用に威力を落としてある改造銃だ、致命傷を負うことなど私たちの身体ではまずないことだろう?」
親父の言葉通り、オレ達は普通の人間よりも強力な肉体をもっている。傷つきにくいし、傷を負ったときの回復力もハンパない。だが、その身体は人間と同じく血も流せば苦痛も感じる。普通の人間なら死と言う解放があるような大怪我でも、壮絶な苦痛に耐えながら生きなければならないのだ。考えようによってはそれが神の血族に課せられた試練の様なものなのかもしれない。
「実弾を使わないような訓練では、おまえも身が入らないんじゃないか?」
親父のセリフにも一理はあった。オレ達は常に命がけで世界のために戦っている。訓練といえども手を抜けば意味はない。それに怪我を負うような訓練自体がオレ達にとって可能なことであれば、やるのも筋というものだろう。
「それはそうと、何の用で来たんだ?」
オレは親父をにらみつけながら聞く。親父は世界中を飛び回っている忙しい身のはずだ。そのせいでオレは幼少期をほとんど親父と一緒に過ごしてはいない。
「だから、顔を見に来たと言っている。豊君から話を聞いてね。」
そういえば豊にそんなようなことを言った気がする。オレは自分の軽率な言葉を思いっきり後悔した。
「そういえば、新しく入ってきた子。田村真美といったかな?彼女、がんばってるみたいだね。お前も気に入っているんだろう?」
親父の言う真美は一般人からオレたちの組織に所属することになった変わり種だ。我々の組織はその性質上ほとんどの場合が神の血族の一員か代々組織の人間である家系の出身者がほとんどだ。たまに組織に加入を求める一般人がいないことはないが、その数はごくわずかで、しかもほとんどの場合特殊能力を持っていたり、いろいろな事情がある者が大半だった。彼女のようにごく普通の一般家庭に生まれ育ち何の能力も持ってない普通の人間の加入は珍しいことだった。
「適応力はあるな。オレたちの世界にもすぐなじんだみたいだし、今は沙樹に教えてもらいながら日々精進しているよ。」
真美は一般人だが適応力だけはあった。単にミーハーなだけかもしれないが。沙樹が気に入ってまるでペットのように連れ回している。
「報告は私も受けているよ。組織にとっても彼女の様な存在は珍しいことだからね。」
親父も真美のことは気にいっているらしかった。そうでなければいちいち報告をうけたりはしていないはずだ。
「それから、ローゼンクランとの会議の報告書は今作成中か?」
親父の言うそれは、オレがいままさに作成している書類だった。
「そうだよ。シャレイルのおかげで滞りなく進んだけどな。」
オレ達は基本自分達の組織だけでいろいろなミッションを行う。しかし世界にはオレたちのような秘密結社がいくつか存在しており、その中には敵対組織もあれば友好組織もある。そしていくつかのミッションは友好組織との間で共同戦線をはることもあるのだ。ローゼンクランはWKFとの友好度が特に高い組織で、一部メンバーの共有もしていた。代表はシャレイル・ウェンスターといい、オレや親父とも関係の深い男だった。そもそも彼は人間ではない。ローゼンクランに所属している者は一部を除きほぼすべてヴァンパイアだ。彼らは人間とヴァンパイアが共存できるように橋渡し的役割をしていたり、人間に害を与えている同族を捕えたりという役割も担っていた。元々ヴァンパイア族は古代神族の一種である。古代神族はヴァンパイア族の遺伝子をもとにして人間を作成したため、その血が人間の中に遺伝的に受け継がれており、稀に先祖がえりをおこして人間からヴァンパイアに変異するものがいる。その変異者のなかで人間との共存を選んだ一部の者たちが作り上げた組織がローゼンクランだ。
「シャレイルにはだれも逆らえないからな。異議のでようもないか。」
シャレイルはローゼンクランの総帥であると同時に現在のヴァンパイアの王である。WKFにも籍をもっており、クロノスタワーにも居住スペースを構えている。ついでに聖ラフィーユ学園大学付属病院の非常勤医師もしていた。
「今日中には仕上げてメールで送るよ。印刷もしておくし。」
オレはパソコンを確認しながら言う。このペースなら今日の晩には仕上がるはずだ。
「了解した。まぁ、がんばってくれ。」
そう言うと親父はソファーから立ち上がる。
「これからフランスに飛んでくるよ。今晩専用機を飛ばせるように手配してあるんだ。そろそろ空港に行く時間なのでね。」
組織には組織専用機が3機ほどある。主に幹部の移動や組織の実習等に使われていた。
「じゃあな。」
親父は手を振ってオレの部屋から出ていく。オレは親父の姿が見えなくなった瞬間ほっと身体の力が抜けた。知らずのうちに緊張していたようだ。
「マジ心臓に悪いっつーの。」
オレはひとり呟くと、報告書作成の仕事に戻った。それからしばらくしてまたオレの部屋のインターホンが鳴る。オレが仕方なく電話を取ると能天気な声が耳に響いた。
「やっほー、お元気?遊びに来てあげたわよ。」
電話に付属している玄関前のテレビの映像で沙樹が笑顔で手を振っているのが見えた。オレはがっくりと肩を落としながらもドアロックを外し沙樹を招き入れる。沙樹にとっては慣れたものでまっすぐにオレのいる執務室に入ってきた。
「仕事してたんだ?気にしないでいいわよ、あたしも適当に昼寝するし。」
オレの部屋の大半には沙樹が入り込んでいる。沙樹とはものすごく小さいころから一緒に育った姉妹みたいなものだから特にそのことに対しての抵抗はない。それに沙樹も気をつかっているのか、オレの寝室の周辺は一応プライベートスペースとして不可侵を守ってくれているらしい。
「ほんとここ眺めいいわよね。学園内で一番高いんだし、夜になると夜景もいいし。」
沙樹の言葉にオレは後ろを振り返る。窓からは学園内の風景が一望できた。およそ学校にはそぐわないドーム球場やデパート等も見える。反対側の部屋からは龍神池という人口湖が見えた。龍神池の地下には組織の本部が広がっているのだが、上の池の方はボート等が楽しめる公園になっていた。
「沙樹の部屋だって眺めいいじゃんか?こことそんなに階数だってかわってないだろ。」
沙樹の部屋は3階下の67Fだ。部屋はここよりはせまいだろうが眺めは悪くないはず。
「一人で見るとさみしいんだもん。絵里華と一緒がいいの。」
よくわからん沙樹の発言にオレは苦笑するしかなかった。そんなとき沙樹の携帯が鳴る。どうやらメールの着信らしい。
「あ、賢祐からだ。ラフィーユの新人組が下のフードコートでお茶してるってさ。勉強教えて欲しいらしいから、一緒に行こ?」
一応は疑問形だが、沙樹の言葉が半強制的であることは身にしみてわかっていた。メールの相手は沙樹の幼馴染で今年からラフィーユの基礎課程に入学した江崎賢祐だ。
「冬彦も呼んじゃえ。どうせ下の部屋にいるだろうし。」
沙樹は言いながらメールを打ち始める。沙樹の双子の弟、冬彦も沙樹に逆らえない者の一人だ。一番沙樹に付き合わされていると言ってもいいだろう。なにせ生まれたときからずっと一緒だ。
「よしっ、メール送信完了。絵里華、行くわよ。」
オレは素直に書きかけの報告書の入ったノートパソコンを携帯用のケースに収納した。そしてラフィーユの制服のジャケットをはおる。そのポケットには学生証と部屋のカードキーが入っていた。その二つがあれば学園内ではまず困ることはない。学生証は電子マネーの代わりにもなっていて何でも好きな物を購入することができた。当然のようにその費用は組織もちでだ。
「下で冬彦と待ち合わせしてるから、そのままエントランスゲートまで降りるわよ。」
沙樹に導かれるまま、オレはエレベーターで組織用スペースと一般向けスペースとの境であるエントランスゲートまで降りていった。エントランスゲートでは冬彦が待っていた。彼もおそらく論文の書きかけをあきらめてここに来たはずだ。
「冬彦、お前も大変だな。」
オレはこそっと冬彦に耳打ちした。
「慣れてますから。」
冬彦もぼそっと返す。沙樹の持つ圧倒的オーラにはたぶん大抵の人間が逆らえない。
「さーて、はやく真美のとこ行こう。あとお腹すいたー。」
沙樹と真美は今や親友とも言える関係になっていて、部屋も強引に同じ階に構えていた。オレと冬彦は沙樹のあとにしぶしぶついていく。10Fのフードコートに行くと今年の基礎課程新人組のメンツがそろっていた。毎年の新人たちは、その能力等に合わせていくつかのクラスに分かれている。真美が配属されているこの組は基本特殊能力のない普通の人間向けコースだ。オレのように特殊能力がある人間はまた別にクラスわけをして、それぞれに応じた教育課程が組まれていた。新人組はオレの姿を見ると真美を除き全員が固まった。オレは何となくみんなの心情が察せられて気まずかった。一般人出身の真美以外は、全員オレのことは熟知しているはずだ。しかし真美にはまだオレの立場について詳細説明はしていなかった。
「おまたせ、冬彦と絵里華もいたから一緒につれてきちゃった。」
沙樹の言葉にみんなの顔が青ざめている。そりゃあそうだろう、オレだって一応の上司である親父と一緒にいると気分が落ち込む。
「そんな緊張しないでくれ。オレは沙樹に無理やり拉致られただけだ。」
オレは精一杯のなぐさめの言葉をかけた。それでも真美以外はみんな引き気味だ。
「総帥と同席できるなんて光栄です。」
なんとかクリスティーナ・レジャンが言う。彼女は確か両親が組織の人間だ。その影響で組織のことに関してはだいぶ詳しいはずだった。
「総帥って何の?」
何もわかっていない真美が怪訝そうに聞く。その問いに対しては沙樹が答えた。
「あ、真美にはまだ説明してなかったや。WKFの総帥は入学式で見たでしょ?WKFの下部組織である、あたし達が現在所属しているJKFにも総帥がいるのよ。それがコレ。」
コレと言いながら沙樹はオレを指差す。事情がようやく呑み込めた真美は
「えええっ・・・・・・・・・・・・」
と声を上げた。まぁ仕方ないか。ある程度予想はしていたことだったので、オレも別に驚きもしなかった。
「コレで悪かったな。ただの役職だし気にしなくていい。」
オレは沙樹を軽くにらみつけながら言った。沙樹がにやにやと笑っている。こいつ完全に人をおもちゃにしているな。オレはあきらめて、フードコートの椅子にどかりと座りこんだ。
「沙樹、適当に何か買ってきてくれ。」
持ってきたパソコンをひろげながら、オレは沙樹に食料調達を任せる。沙樹ならオレの好みは完璧に知りつくしているはずだ。沙樹が食料調達に向かうのを見送りながらオレは
「WKFへの報告書の作成途中だったんでな、少し仕事するけど気にしないでくれ。」
と言いながらキーボードを叩き始めた。みんなはまだ少し緊張していたが、だいぶほぐれてはきたようだった。続いて冬彦も食糧調達に出かける。
「そやな、組織では役職はあるけど身分に違いなしていっとったし、ここは無礼講でいかせてもらうで。」
アシャンのその一言でやっとみんなの雰囲気が和らいだ。彼女は元々シチリアのマフィアのボスの一人娘だが、仕事で親交のある関西の極道の家に幼少時から預けられていたため完全に関西弁だ。みんな和気あいあいと話をはじめたが、真美だけがまだ固まっていた。
「真美、お前の疑問に答えてやろうか?」
固まっている真美を見ながらオレは言う。
「JKFはオレが作った組織なんだ。親父に対抗するのに豊や沙樹を巻き込んでな。ちなみにオレの親父は入学式にでてきたあのイケメンだ。」
オレの言葉にあきらかに真美が動揺したのがわかった。そりゃあ衝撃の一つもうけるだろう。親父の若さは尋常ではない。我々神の血族は普通の人間に比べて年齢を取るのが遅い。寿命も平均的な人間の寿命に比べれば長く、老衰なら100年〜150年生きるのが普通になっていた。一般的に見て、オレの親父は20-30代のイケメンに見える。実際は40を超えているおっさんだ。
「いずれわかるだろうと思ってたから説明はあえてしてなかったけど、驚かせたな。」
自嘲気味に言ってオレは仕事に戻った。オレが仕事に戻るのとほぼ同時に沙樹がトレーに食料をいっぱいのせて戻ってきた。
「はい絵里華、オレンジジュース。」
沙樹はオレが好きなオレンジジュースを渡してくれた。やはり、オレのことを知りつくしている。
「サンキュ、沙樹。」
オレをそれを一口飲んでパソコンの横に置いた。みんなもそれぞれ好きなものを手にとって軽い食事タイムに突入していた。そのあとしばらくして、オレが仕事を着々とこなしている横で沙樹が宿泊研修の話を持ち出していた。宿泊研修とはラフィーユの学園外に出て何泊かの宿泊を伴いながらミッションをこなしたり、ただ単に組織の見学をしに行く授業の一種だ。基礎課程のしかも初めての宿泊研修の彼らには当然見学メインでミッションは組まれていない。四国にある聖ラフィーユ学園の分校に視察に行くのと組織の所有する船舶の使い方を覚えるのが課題だ。
「初めての宿泊研修だ、楽しくいこうぜ。」
言いながらオレはやりかけだった仕事を終えて、パソコンの画面をパタリと閉じた。親父への報告メールは無線LANで飛ばした。後は部屋に帰って原本を印刷すればすべての仕事は終了だ。
「ちなみにフェリーはうちの組織の所有だ。いい部屋割り当てておくから期待しておいてくれ。」
組織には四国の分校と横浜港をつなぐフェリー路線を運航していた。そこそこ豪華な客船で2等から特等まで一般人にも利用開放をした船舶だ。ただし組織専用の客室スペースが確保されており一般人とは別で利用できるようになっていた。通常研修用には組織専用の客室スペースが割り当てられる。組織用の客室はどの部屋もそこそこ豪華だった。一般客室で言うと全てが1等から特等までの客室だ。その研修にはオレや沙樹も同行することになっていた。親父からの命令で、分校に通う一般人を組織にスカウトしてこいとのことだ。聖ラフィーユ学園は一般人もかなりの数受け入れをしている。その中には優れた才能や能力を持つ者も多く、組織はそういう生徒をスカウトすることもある。今回も特殊能力を持つ生徒の報告が分校からあり、その能力を確かめて可能ならスカウトしてくることがオレに与えられた任務だった。
「お姫様、旅行行く服とかもこのクロノスタワーで調達できるからヒマな時に沙樹と一緒にでも買い物にいっとくといい。学生証で買っておけば費用は組織持ちだからな。」
オレは真美ににっこりと笑って言った。基本学園内の施設の利用費や飲食費、買い物代等は組織が持つので無料だ。服を買っても今日のように食事をしても学生証から電子マネーで引き落とされるが、自動的に組織からその分の金額が補充される。学園内にはデパートからショッピングセンターまでいろいろそろっているのでまず普通に生活していく分に買えないものはない。
「明日の放課後にでも買いに行こう。あたしももうちょっと服ほしいし。」
沙樹が便上して言う。真美も沙樹と一緒の方が買い物しやすいだろう。
「そのまえに基礎医学の授業だね。僕たちで教えれるとこあったら力になるよ。」
冬彦の言葉に、オレはそもそもどうしてここに来ることになったのかの発端を思い出した。基礎課程は当然オレも習ってきたわけで、だいたいの授業内容は予測できた。新人組も我に返ったように授業内容についての質問を冬彦や沙樹にしていく。冬彦と沙樹の両親は聖ラフィーユ大学医学部付属病院で医師をしている。父親が精神科医で母親が外科医だ。二人とも医学の知識は豊富だった。オレも二人と腐れ縁のせいか医学には詳しかったので、オレがわかることは二人と一緒に教える。
「絵里華て医学も得意だったんだね。」
真美が驚いたように言う。オレはふっと笑って答えた。
「何年この沙樹とつるんでると思ってる?まぁ、オレも病院にお世話になること多いからな。自然に身についていったって感じか。」
沙樹の実験台にされること数年・・・もう慣れた気がする。オレが行う訓練やミッションは怪我を伴うことも多く、回復までの数日〜数週間を学園の付属大学病院で過ごすことになる。その間にオレはいろんな医学知識を習得していった。オレと沙樹と冬彦で新人組に講義を終えてみんなで食事を済ますころには、けっこういい時間になっていた。
「さて対策もばっちりしたことだし、明日のためにも帰って休もう。」
沙樹の言葉にみんながそれぞれ席を立ち上がる。これから帰って復習ってところか。彼らには私室として本部の地下にバストイレ付きのワンルームが用意されている。真美だけは特別待遇でクロノスタワーの67Fだが。みんなが立ち去っていって、残ったのはオレと沙樹と冬彦と真美だ。

                              〜続く〜

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