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連帯オール沖縄・東北北海道コミュの【ふくしま便り】 若い力の呼び水に 元NHK記者の転身 南会津町

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【東京新聞フォロワーズ】

【ふくしま便り】

若い力の呼び水に 元NHK記者の転身 南会津町

2015年6月9日


花泉酒造の前に立つ染谷亜紗子さん=南会津町で
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 酒どころといわれる福島県の中にあって、ユニークな存在で知られるのが南会津町の花泉酒造。地元産のもち米を使った珍しい製法で、深い風味の酒を生んでいる。その花泉に昨年、看板娘が誕生した。染谷亜紗子さん(29)。NHKの報道記者として東日本大震災と原発事故を経験した後、「福島にこだわり続けたい」と花泉の広報担当に転身した。染谷さんの存在は、復興を助ける若い力の呼び水になろうとしている。
 花泉の事務所は古民家を改装した建物。いろりの周りにこうじの香りがぷんと漂う。これぞ酒蔵、と思っていたら、窓の外から何台ものオートバイのエンジン音が聞こえてきた。
 「ライダーを歓迎する施設にもなっているので、若い人が集まってくるんですよ」と染谷さんが説明してくれた。
 酒造会社といえば、同族会社のイメージが強いが、花泉は九十年以上の歴史を持つものの、形態は合名会社。地域の人々が集まってつくった組合に近い。社長、専務も四十歳前後と若く、開放的な雰囲気だ。
 染谷さんはさいたま市出身。大学を卒業後、NHKに入局し、報道記者として最初に福島放送局に配属された。二〇一一年三月十一日は郡山市にいた。東京電力福島第一原発が水素爆発を起こすと、避難所や仮設住宅を巡って故郷を奪われた人々の声を夢中で聞いた。四カ月後に大阪への転勤を命ぜられたが、復興に関わりたい思いは消えなかった。そして昨年九月に転職。福島に帰ってきた。
 「震災前の穏やかで美しい福島を知っているという自負がありました。原発事故は悲惨だけれど、それにも負けない魅力がここにはある。地に足を着けて、福島の良さを全国の人に伝えたい。そのためには転勤の多い記者よりも今の仕事の方がいいと思いました。ここには記者時代から取材に来ていて、大好きな人ばかりだったんです」
 花泉がある南郷地区は、冬は二メートルを超す雪に閉ざされる全国屈指の豪雪地帯だ。助け合わなくては生きていけない。それだけに千五百人足らずの住民の結び付きは強い。お年寄りや子どもたちまで誰もがすぐに染谷さんの名前を覚えてくれた。
 意外に若者も多い。南郷スキー場はスノーボーダー憧れの地。夏は名産のトマトを育て、冬はゲレンデで働くという生活を求めて、移住してきた若い夫婦が十組以上もいる。
 そんな地域の人と一緒に情報発信に力を尽くす毎日が楽しくて仕方がないのだという。
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 五月は「18歳の酒プロジェクト」の一環として、地元の高校生たちと田植えをした。酒米作りやこうじ作りなども一緒にして、彼らの成人式に完成した酒をプレゼントする。「高校を卒業したら地域を出て行く子どもたちに、故郷の大人たちの生きざまを見せてあげたいんです」
 また染谷さんの母校である早稲田大学の学生を招き今冬、雪かたし(雪おろし)、そば打ち、酒造りなどを三泊四日で体験してもらう企画を手掛けた。夏はトマト農家の手伝いや甘酒造りなどもしたいという。
 福島の旬の食材を使った料理レシピや、生産者のインタビューなどをネットで公開する「ふくごはんプロジェクト」などにも力を入れている。
 染谷さんに今後の夢を聞いてみた。答えは明快だった。
 「植物が根を張るみたいに、少しずつ、人の輪を広げて、地域の力になれたらいいなと思います。記者のころも都会で大きなニュースを書きたいとか、海外に行きたいとか、考えたことはなかった。これが私のやり方って感じです」 (福島特別支局長 坂本充孝)

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