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連帯オール沖縄・東北北海道コミュの池田恵理子さん 政治介入に揺れるNHKを問う 〜隠蔽・抹殺されてきた「慰安婦」問題〜

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2014年5月24日 越境するジャーナリスト集団  ティーチ・イン 
政治介入に揺れるNHKを問う 〜隠蔽・抹殺されてきた「慰安婦」問題〜
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」 池田恵理子

NHK会長や経営委員の言動をめぐってNHKが揺れ続けている。籾井勝人会長は1月の就任記者会見で「慰安婦」は「戦争を起こしているどこの国にもあった」と述べた。これは「慰安婦」制度の基本のキも知らず、「『慰安婦』は売買婦」「『慰安婦』に強制連行はなかった」という右翼の暴論に従ったものである。また国際放送については「政府が右ということを左と言うわけにはいかない」、特定秘密保護法は「通っちゃたんで言ってもしょうがない」など、NHKは政府の広報機関だと言わんばかりの発言が続いた。
戦時中、大本営発表を垂れ流した社団法人「日本放送協会」は敗戦後、政府から自立した公共放送・NHKとして再出発したはずだ。ジャーナリズムは権力と距離をおき、政権を監視する役割を担っているが、会長は報道機関としてのNHKを自己否定しているのだ。
これには国内外から批判が殺到し、視聴者による「受信料支払い凍結運動」も始まっている。会長は国会や番組などで陳謝してみせたが、理事の人事やニュース番組への干渉を続けており、4月の現段階では辞任や罷免の動きは出ていない。労組も沈黙したままである。
問題は会長だけに留まらない。安倍首相が送り込んだ4人のNHK経営委員のうち、首相に靖国参拝を進言した百田尚樹氏は南京大虐殺を否定論者であり、女性の社会進出が出生率低下の元凶だと主張する長谷川三千子氏は明治憲法の信奉者である。このような一連のNHK問題の背景には何があるのだろうか。

■政権による介入と妥協を受け入れてきたNHKの歴史
・1924年より逓信省の監督下で東京、名古屋、大阪の放送局が誕生、ラジオ放送開始。
・政府は1926年に3局を統合し、社団法人「日本放送協会」設立。日中戦争、太平洋戦争中、ラジオは戦争遂行の道具として国家の宣伝機関となり、大本営発表を流し続ける。
・敗戦後、GHQの占領政策でNHKにも民主化の波。新生NHKの初代会長・高野岩三郎は「ラジオは国家権力から独立し、大衆に奉仕すべし」と訴えた。1950年、放送法成立。
・しかし米ソ冷戦による占領政策の転換で、民主化は頓挫。52年以降、放送終了時に「君が代」を流し、54年には郵政大臣が「NHKは国民に国策を徹底すべきだ」と述べた。
・前田義徳会長時代(1964~73)、テレビの普及で急成長、政権との妥協が進む。
・1976年、小野吉郎会長、田中角栄を自宅に見舞って批判が集中、辞任要求に137万署名。
・1981年、「ニュースセンター9時」のロッキード報道で三木発言カット事件。
・島桂次会長時代(1989~91)、商業主義化が進み政権への迎合、国策の推進。
・1997年からの海老沢勝二会長時代には政治との癒着が進行する。
・2008年、安倍首相の仲間・古森重隆経営委員長に推されて、福地茂雄が会長に就任。
■日本軍・日本政府に封殺されてきた「慰安婦」と慰安所
・日本軍はアジア太平洋戦時中、日本兵の強かん防止と性病予防のために慰安所をアジア全土に設置・管理したが報道管制を敷き、「慰安婦」は戦場の売春婦だとした。敗戦直前、軍上層部は慰安所関連の文書の焼却を命じて、証拠隠滅。戦後に出された戦記や戦争文学、戦争映画に登場する「慰安婦」は“戦場の売春婦”として描かれている。
・「慰安婦」制度が女性への重大な人権侵害であり戦争犯罪だと認知されたのは、1991年、韓国の金学順さんが被害を訴えてから。これを機に各国の被害者が名乗り出て日本政府に謝罪と賠償を求める裁判に立ちあがり、軍の関与を示す公文書も多数発見された。
・日本政府は対応を迫られて「慰安婦」調査を行い、1993年には河野官房長官が「慰安婦」の強制を認めてお詫びと反省の談話(「河野談話」)を発表した。この頃、国連の人権委員会など国際機関で「慰安婦」問題が取り上げられ、日本への勧告が相次いだ。
・こうした動きに危機感を募らせ、右派の政治家や文化人の「慰安婦」攻撃は90年代後半から激化。97年には「新しい歴史教科書をつくる会」が発足し、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(事務局長は安倍晋三議員)も結成。その結果、1997年度版の中学歴史教科書のすべてに載っていた「慰安婦」記述が、その後消されていった。今は記述ゼロ。

■NHKの「慰安婦」報道を抑え込んできた安倍政権
・戦後のNHKの「慰安婦」報道は皆無に近かったが、1991年の被害女性の名乗り出以降は通常のニュース報道も行われ、95,96年には「慰安婦」番組が相次いで作られた。
・ところが90年代後半からの右派のバックラッシュで「慰安婦」報道は激減し、NHKでは「慰安婦」の企画が通らなくなって番組はほとんど作られていない。
・2000年に東京で開かれた「慰安婦」制度を裁いた民衆法廷、「女性国際戦犯法廷」をNHKが番組で取り上げようとした時、放送直前に安倍晋三官房副長官らがNHK上層部を呼びつけ、番組が改竄された。異常な番組の放映にNHKの説明はなく、「法廷」の主催団体はNHKや関連会社を提訴。その裁判の最中、2005年、NHK職員が政治介入の実態を内部告発。
・この事件で視聴者からの批判や不払いが増加し、BPO(放送倫理・番組向上機構)はNHKに厳しい意見書を出したがNHKは政治介入を否定、検証番組を作ることもなく、内部告発した職員らに人事的制裁を加えた。以後、NHKでは「慰安婦」番組を作っていない
・2006年からの第1次安倍内閣で安倍首相は「『慰安婦』の強制の証拠はない」と主張。
・2012年からの第2次安倍内閣でも同様の発言を繰り返し、「河野談話」否定を志向する。
・2013年には、安倍首相の仲間4人をNHKの経営委員に送り込み、籾井会長を選任。

「憲法改正はライフワーク」と公言する首相は、特定秘密保護法、靖国神社参拝、集団的自衛権の容認などで実質的な改憲を押し進めようとしている。その実現にはメディアによる世論誘導が必須で、露骨なNHK支配はその象徴である。番組にも忌々しい兆候が見られ、NHK職員からは自主規制や相互監視の強化による閉塞状況を訴える声が伝わってくる。

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