連帯オール沖縄・東北北海道コミュの孫崎享　日米首脳会談を迎えるにあたってーオバマ大統領の支持基盤は誰かー軍事でない。金融や医療

日米首脳会談を迎えるにあたってーオバマ大統領の支持基盤は誰かー軍事でない。金融や医療・
2014-04-03 07:296 孫崎享のつぶやき

オバマ大統領:訪日は２３～２５日の２泊３日訪問し、日本は国賓待遇で遇すると報じられている。我々はオバマ大統領の意図がどこであるかを理解する必要がある。一つのきっかけは誰がオバマに献金したかである。献金の主体は金融、医療の分野で、軍事分野がほとんどない。そのことは、オバマ大統領にとって集団的自衛権のようなものに関心がなく、逆に医療、金融の日本への進出を拡大するTPPへの関心が高いことにつながる。

　オバマ大統領に影響力を与える利益集団はどこでしょうか。オバマ大統領の動きは当然この利益集団の利益と結びついています。米国に「open　secret　org」というサイトがあります。ここでは、いろいろな政治家に誰が献金をしているかをまとめています。
「オバマ」という項目を見てみます。百万ドル単位で見てみます。
　農業　　　　　　　　　　　　　２．１
　通信・電気　　　　　　　　　２０．７
　建設　　　　　　　　　　　　　４．２
　防衛　　　　　　　　　　　　　１．１
　エネルギー　　　　　　　　　　２．４
　金融・保険・不動産　　　　　２０．４
　保健（医療）　　　　　　　　１８．９
　法律・ロビースト　　　　　　２８．０
　運輸　　　　　　　　　　　　　１．４
　雑多な産業　　　　　　　　　２２．６
　労働（労組）　　　　　　　　　０，５
　イデオロギー・単一主張　　　１７．２
　その他　　　　　　　　　　　９１．８

　安倍首相の所にくるいわゆる「ジャパンハンドラー」と呼ばれる人々は、主として軍需産業をバックにしています。国防費を増やせとか、集団的自衛権を増やせとか、国防関係の要求を受け入れることはオバマ大統領の利益とほとんど関係していないのです。オバマ大統領を動かすのは通信・電気といったハイテク、金融・保険・不動産、保健（医療）なのです。これを見ればオバマ大統領の外交姿勢が中国重視になるのは極めて自然です。

　残念ながら安倍首相はこの構図は全く解っていないと思います。「自分はこんなに米国のいわれるように動いているのになぜ評価されないのであろう」と思っていると思いますが、手をつなぐ相手を間違っているのです。