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連帯オール沖縄・東北北海道コミュの時代の流れに棹さして

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「人類絶滅装置体系」

ヒロシマに原爆が投下されて以降の時代を、哲学者芝田進
午氏は、「ヒロシマ紀元」として提唱し、その後に「核時代」
と呼んだ。この名称は、その後に何人かの学者も提唱するよ
うになった。
 芝田氏は、さらに「核兵器」と言う呼び方に疑問を呈した。
「兵器」という言葉は、さまざまな戦争の兵器として自分の
側に勝利をもたらす武器という考えをもたらす。だが、「核
兵器」はその呼び方にふさわしいものであろか。芝田氏は
「否」と考えた。核兵器の使用は、人類を絶滅する結果しか
残さない。それは、人類を絶滅する装置の巨大な非人間的な
体系でしかない。
 このような視点からは、核兵器利用が正義の核兵器や悪魔
の核兵器使用という選択は明確に否定される。戦後、アメリ
カの核兵器独占に対して、ソ連の核兵器開発やついで共産党
政権下の中国の核兵器実験に対して、日本の共産党は、肯定
的に理解したことがあった。「いかなる国の核兵器使用も否
定する」かどうかで、原水爆禁止運動は分裂した。
 芝田氏自身も、ソ連の核実験について明確に否定に至らな
かった時期に、アメリカ合衆国のニューヨーク市立大学のジ
ョン・サマヴィルは、戦後直後から一貫して、核兵器の全面
禁止を提唱した。『試練に立つ現代文明』は久野収によって
翻訳された。芝田氏自身もサマヴイルの著作を何冊も翻訳し
た。
 芝田氏が、核時代における人類生存のための対抗戦略を提
起してから、すでに十年以上が過ぎていった。アメリカ合衆
国にオバマ大統領が就任して、核兵器廃絶に意欲的な姿勢を
見せているが、沖縄の米軍基地問題ひとつをとっても、あく
まで軍事的な力の均衡に軸足を置いていて、核兵器廃絶を実
現の過程を見通しているとは、今の姿からは到底見えない。
 日本にきたオバマは、広島の原爆投下資料館への見学要請
さえ簡単に通り抜けて、彼がどれほど核のもつ今日的問題点
を理解しているのか、不明である。
 イラクにアメリカは大量の爆撃投下をおこなった。当時の
ブッシュ大統領や自民党小泉純一郎は盟友関係を誇示してみ
せた。最近、イラクで頭の後頭部に巨大な腫瘍が突き出てい
る子どもたちの症状が続出している。専門の医学者たちは、
それが劣化ウラン弾によるものと公表している。状況証拠か
ら考えて、イラク戦争時にアメリカ軍はイラクに戦略核兵器
として劣化ウラン弾を投下したであろうことはほぼ間違いあ
るまい。
 むろんそのような事実は全く公表されていない。公表され
ていない以上、イラク戦争でアメリカ軍は劣化ウラン弾を使
ったということにはならない。だが・・・・歴史の趨勢は、
未公表の暗部にこそ時代の真実が隠されてきた。
 核兵器廃絶は、お題目のようにしか扱われていない。原水
爆禁止運動に携わっているかたがたを別とすると、国民的な
規模の平和運動がもりあがっていかないかぎり、日本の世論
として世界に発信するパワーとはなり得ない。
 しかし、それほど古くない時代に、日本国内で燎原の火の
ように反核運動が子どもから老人にいたるまで広がりを見せ
た時期があった。欧州に戦略核兵器を配置することに反対す
るヨーロッパの反核闘争は、世界最初の被爆国日本でも盛り
上がりを見せた。原水禁でも原水協でも呼応して立ち上がっ
た。統一委員会が結成されようとした。分裂した反核運動が、
統一して日本でいっそうの原水禁運動が開始されようとして
いた。しかし、原水協の内部で混乱が生じた。統一した動き
に共感して、原水協の吉田嘉清常任理事をよく理解して運動
に加わっていた哲学者古在由重氏は、吉田氏を処分を下し、
日本共産党の指示に従う理事を代わりに立てたことに明確な
批判を表明した。古在氏は戦前からの日本共産党員としての
身のおきようを迷うことなく離党届けを提出した。共産党中
央は、離党願いを受理せず、古在氏を除籍処分にした。
 もし、歴史にもしもという仮定はあり得ないが、当時の原
水禁運動の統一が樹立され、世界にアピールし続ける運動主
体が持続していたなら。核廃絶運動は、日本独自の運動とし
て、広く国際社会に「名誉ある」立場を占めていたことだろ
う。
 だが、そうはならなかった。反核文化、核廃絶運動、人類
生存のための哲学。これらが課題として芝田氏らによって措
定されたが、芝田氏は逝去された。


    甦る芝田進午さんの反核平和運動の闘い

 哲学者であり、社会学者でもありつつ、思想家としても
大きな足跡を残された芝田進午さん。氏が逝去されたことは
その独自の創造的な学問が閉ざされることで、大きな痛手で
あり、なおかつ損失でもあった。
 しかし、芝田進午氏がご逝去された後も、氏の社会的実践
は明確に跡を継承するかたがたがいる。
 ひとつは、住宅密集地の新宿区戸山に移転を強行した国立
感染症研究所の実験差し止め裁判を、芝田さん亡き後も最高
裁まで上告し闘い続けた裁判の会の皆さんたちである。
 そしてもうひとつ。「平和のためのコンサート」である。
芝田進午氏夫人である芝田貞子さんが芝田先生の遺志を継承
して、今年も第11回平和のためのコンサートを、6月12
日(土)に新宿区牛込箪笥区民ホールで開催された。
詳細は「平和のためのコンサート」ホームページにくわしい。
http://homepage2.nifty.com/bio-anzenken/index-c.htm
 私はほぼ毎回このコンサートを広く世間の皆さんに知らせ
たいと思い、記してきた。
 だが、それはコンサートの告知作業を目的としているわけ
ではない。実践的唯物論哲学を構築され、さらに人類生存の
ための哲学をめざす途上でご逝去された芝田哲学を、亡くな
った後も、その実践面で継承し続けるかたがたがいる、とい
う事実。
 私自らは、バイオハードを予防し阻止するための社会運動
に加わってはいない。平和のためのコンサートにも、いわば
傍観者のひとりである。
 だが、学生時代に著作に感動して、別の用事でご自宅を訪
問して、じかにお会いしてから、芝田進午さんのおひとがら
に、氏の著作『人間性と人格の理論』が目指した理論と同様
に、解放された人格をひしひしと感じた。
 芝田氏自らが「唯物論を体現したとしたら戸坂潤という人
格となる」と紹介されたように、「人間性と人格の疎外から
解放された人格」を体現した人間像として、芝田さんご自身
が該当されよう。そのことを氏を直接知る多くの良心的知識
人や実践家がおっしゃるのを聞いた。
 今回も「平和のためのコンサート」が開催された。それは
私にとり、芝田さんの平和的文化運動を継承し続けている存
在が健在であることの証である。私は、できるかぎりこれか
らも、このコンサートの意義を伝えようと考えている。
 毎回コンサートの前の第一部は、お二人の朗読とともに詩
人橋爪文さんの講演『広島からの出発』である。詳細は先に
記したホームページにつまびらかである。
 それにしても、芝田氏や継承されている方々の反核平和の
さまざまな形態の運動の健在に比して、わがくにの政府のか
たちや政策はどのような現状なのか。



     迷走する日本の政界
 
 七月十一日に行われた参議院選挙は、消費税増税論議を訴え
た菅直人総理にとって予想を超える惨敗の結果となった。
 鳩山由紀夫政権が、衆議院選挙で圧勝したのもつかのま、民
主党政権は、参院で自民党に第一党を奪回されたばかりではな
い。自民党の停滞に離党して相次ぐ新党が乱立した中で、蔵相
経験者の渡辺喜美が率いる「みんなの党」が、公明党を上回る
十議席を獲得した。非改選の1議席を含めて十一議席は、共産
党の4議席を上回る参院勢力に躍進した。
 鳩山由紀夫民主党連立政権は、発足当時、国民の自公政権の
国民不在にノーを突きつけ、政権交代によって生まれた。鳩山
氏と小沢一郎氏との内閣は、アメリカへの従属を打破して、中
国や東アジア諸国との提携を模索したが、財界とオバマアメリ
カ政府の不興をかい、徹底的につぶされた。マスコミや検察な
ど様々な包囲網は、ついに沖縄からの米軍基地撤去を、自民党
案よりも後退した米日協定にもとづく沖縄県内残留と日本国内
への訓練拡散へと惨めな後退プランへと追い込まれていった。
鳩山由紀夫は、フランス革命の「自由・平等」につぐ「博愛」
=「友愛」を掲げた。これはすでに古在由重氏や中西洋氏など
の研究があるばかりか、最近では千葉大学の小林正弥氏による
「公共哲学」として国内でも非マルクス主義哲学者たちの研究
が進められている。
 市民運動から出発した菅直人は、社会民主連合、民主党と経
てついに総理にまで上り詰めた。だが、民主党内の新自由主義
の政治家たちに屈するかたちで、政策を打ち出し、ついに参院
選惨敗へと至った。九月の民主党代表選挙の結果によっては、
民主党政権をめぐる情勢は流動性をもつ。
 明確なのは、被爆国家日本が、自公政権からの政権交代によ
って一度は非核国家への道のりを展望する緒につくかに見えた
が、それも幻影へと終わったことだ。
 今後、日本が世界に核廃絶国家として、名誉あるイニシアテ
ィブを発揮するまでには、かなり困難な道のりが感ぜられる。
 さらに国政選挙では回を追う度に、日本共産党や社会民主党
の議席が漸減していることである。今や両党とも泡沫政党なみ
の一桁である。このような政治情勢の中で、民主党と自民党を
横断した改憲勢力が再編成されて、明確な改憲を実行しようと
したら、それはすでに現実的な危険として目の前に表れるのを
目前としている。
 迷走する日本の政界から、世界の各国と歴史に耐えうる核廃
絶の政治行動は、現実化しうるのか。
     

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