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(殺)笑顔114%-Kills-コミュの短い僕らのストーリー

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各々キャラの短編や、他キャラと絡ませた短編を書けば良いと思うむふっ指でOK

コメント(2)

では、ロキとれーてぃるの出会いから。
要望あれば続けます。

町から遠く離れた一軒の小屋、そこに彼はいた。
全身を覆うローブで身を包み、極力自身の肌がさらされないように配慮しながら彼は作業を進めていく。
彼の名はロキ・グレイブ。
この近辺では悪名高き魔術師だ。
専攻は高等古代呪文。あまり知られてはいないが神代の魔術−すなわち魔法を研究する魔術師だ。
そのほかにも錬金術、死霊術、精霊術など幅広く研究を行っている。

そんな彼が小屋の倉庫からズタ袋とシャベルを取り出してくる。それを少し使い、実用に耐えうるものと判断したのか小屋の中に持って入っていく。
そして彼は夜になるまで小屋から出てこなかった。

夜、共同墓地。
町や放浪者、近辺に住む変わり者たちが死して眠る場所。
彼はここに用があった。
先日死んだばかりの少女。その死体が彼の目的だった。
ようやく実践できるまでの設備を整え、理論も何度も穴がないか確認した。
後は材料―死体だけ。
彼は持ってきたシャベルで少女の死体が埋まっているであろう場所を掘る。
鈴かな深夜に土を掘り返す音だけが響く。
もし、ココに神職者がいたならばその行為に体を震わせ、神に許しを請うだろう。彼の行為はそれほど罪悪の強い行為であった。
一息つき、彼は少女の死体を墓地からズタ袋へと移す。
月明かりに照らされた彼と少女を見たものがいたならば、恐らく悲鳴を上げただろう。
彼は満面の笑みで少女を袋に、優しく、慎重に詰める。その笑みは子供がとても楽しそうに笑うのと、なんら違いはなかったのだから。

そうして彼は自身の小屋へと戻ってくる。少女の死体を引きずり。
小屋に入り、自身の研究部屋へと早足に戻っていく。
彼は禁忌をまた一つ犯そうとしていた。
神ならざる者が踏み込んではならない領域。人が人を造るなどあってはならない罪業。
そう、彼は錬金術の秘術の一つ、『ホムンクルス』を生み出そうとしていた。

人がゆうに独り以上入る巨大なフラスコに特殊な溶液を満たし、温熱装置にかける。
温度計を用いて溶液の温度を、人の胎内と同じ温度に調節する。
ズタ袋から少女の死体を出し、丹念に拭いていく。
魔術を用いて少女の体を、フラスコの内部にへと浸ける。
ここで問題が起こった。彼はココまでも工程を反芻し、自身に手抜かりがないことを確信する。
後は溶液に少女の死体が溶けて消えた後、人口胚珠(エンブリオ)を入れるだけ。後は温度を維持し、30日待てば出来上がり、のはずだった。
問題とは、一匹の犬が乱入してきたこと。
魔術師であり、日々研究に時間を費やす彼は当然のように打たれ弱く、貧弱である。
それが例え成犬になる前だとしても、充分脅威ではあった。
犬は吠えながら部屋に入り、彼を押し倒し、後足でケリを浴びせた後、少女の下へ駆け寄っていく。
即ち、フラスコの中へ、と。
彼の制止の声など聞くはずもなく、犬もまたフラスコの中に溶けて消える。

しばし呆然とした少年は、研究を続けるべく、エンブリオを溶液に中に落す。
彼はしばし考える。この実験はそう数多くできない。時間がかかるし、素材も手に入りにくい。
死因は病死が望ましく、また、即効性と致死性が高いものが良い。
傷がなく、綺麗なままで、腐敗も始まる前、そんな理想的な素材が彼女だった。

だからこそ、彼は待ち続けた。自身が紐解き、組み立てた理論が正しいかどうかを知るために。
結論から言うと、彼は正しかった。
結果を言うと、正直微妙。
生まれた少女には、耳が在った。尻尾があった。
犬の。
しかし、彼は思う。人と犬を掛け合わせたこの少女は、もしかしたらもても面白いんじゃないのか?と。
犬の少女はあまり喋れなかったが、最初にこれだけは喋った。
まるで、これだけは譲れないと言わんばかりに…

れーてぃる、と。
 れーてぃるが生まれてから2週間が経過した。
 少年は全ての研究を中断し、少女の面倒を見ていた。
 知識の探究者たる彼が研究を止めるのは至極珍しい。しかし、彼はそうせざるを得なかった。なぜなら

「れーてぃる、怒っていませんからこちらに来なさい」
「わぅ…」
 少年は目深のフードの奥で青筋を立てつつ少女に出来るだけ平静を保った状態で話しかける。
 少女は動物的な直感か、少年の怒りを敏感に感じ取り、柱に隠れながら少年を窺う。
 一連の原因は少女が少年の研究材料を盛大にぶち撒き無駄にしたことであった。それだけなら少年も許したが、ココ2週間で同じようなことが何度もあったため、流石に叱らなければと思った矢先、少女がいつものとろさからは考えられない速度で逃げ出したのだ。

「れーてぃる、こちらに来なさい」
「…わぅ」

 少年が苛立つもう一つの理由は少女が「わぅ」以外の言葉をほとんど口にしないからでもあった。知能はそう低くない。何せこちらの言うことは理解しているし、自制も効く。本も読めるようで時たま買い与えた絵本を読んでいるのも眼にする。

「れーてぃる、悪いことをしたときにはどうすればよいか教えましたね?」
「…はい」
「では、どうすればよいですか?」
「ご、ごめんなさい、ますたー」
「そうですよれーてぃる。まず謝らなければなりません。さぁ、片付けますから手伝ってください」
「わぅ♪」

 怒られないと悟ったのかれーてぃるは柱の影から少年―ロキ―に走りよっていく。言葉もさることながらまるで子犬である。実際犬と少女の融合体なのだからあながち間違いではないのかもしれないが…。
 ロキとれーてぃるは木造の小屋の床一面に撒かれた淡く光る粉をせっせと集めていく。れーてぃるは時々小さなくしゃみを繰り返しながら一生懸命集めている。
 生まれてから2週間。ロキは頭を悩ませ続けていた。
 理由はこの少女以外のホムンクルス製造に失敗し続けているためだ。
 試しに、と余った人口胚珠(エンブリオ)を使い、新たなホムンクルスを作ろうとしたが、何故か形にならない。
 全てが単細胞のようなアメーバ状になってしまう。
 エンブリオは全て同じ手順で同じ材料を用いて創り出している。溶液も、その他の器具も一緒だ。
 つまり、この犬耳少女だけが例外なのだ。何故、如何にして、何が原因で…と頭を悩まし続けている。
「ふぅ、錬金術の最奥はそう簡単に覗けないと言う訳ですか…」
「ますたー?」
「なんでもありませんよ。さぁ、片づけが終わりましたね。汚れてしまったのでお風呂に入りましょうか」
「わぅわぅ♪」
 少女はよほど嬉しいのか尻尾をこれでもかと言うくらい勢いよく振っている。見てて千切れないか心配だ。

 ロキは1人ではいるつもりだった。少女も風呂にはもう1人では入れるし、少女の体の観察、触診は済ませたのでこれと言って興味は無いのだ。
 しかし少女は半ば強引にロキにくっついてきて、今も湯船の中でロキにぴったりと寄り添っている。
 まだ子供。それがロキの結論。ホムンクルスとはいえ普通なら乳飲み子なのだ。
「くぅ〜ん♪」
「甘えてきても何もでませんよ」
「ますたー」
「なんですか?れーてぃる」
「それ、なんですか?」
 れーてぃるが指差したのはロキの股。
「これはですね…」
 ロキはれーてぃるが納得するように説明した。羞恥心など欠片も無いのだろう。今はまだ無邪気な子供と大差ない。
 知りたいことを知り、語れる言葉を増やし、知識を蓄え知恵を繰る。どの種族もそうして繁栄してきた。
 だから問題ない。この少女はホムンクルスだが自分とは違い、優しい女の子になるだろう。
「ますたー」
「れーてぃる、体はもう自分で洗えるでしょう?自分でしなさい」
「わぅ…」
 少女はよほど悲しかったのか犬耳をぺたん、と伏せてしまいしぶしぶ湯船から出る。
 体を清めるための布を持ちゆっくりとかただ全体を拭いていく。
 ロキはそれを眺めながらちゃんと成長していることを再確認する。
「わぅ」
「終わりましたか。では今度は俺が体を洗うので…」
「わぅ♪」
「…れーてぃる?何でそんなに嬉しそうなんですか?」
「ますたー、洗ってあげる」
「…遠慮します」
「あーらーうー」
「自分で…ちょっと、待ちなさい。危ないですから」
 この後少女が怒られたのはいうまでも無い。 
 
 それから程なくして、れーてぃるの知は開花する。大地に水がしみ込む様に、驚異的な速度で知識を蓄えていく。
 だからこそ、ロキはれーてぃるに白も黒も教え込む。人の痛みが解るように、その手で誰かを殺めなくても良いように…。
 しかし、このとき少年はまだ知らなかった。少女が一体「何」と融合したのかを。
 何故、彼女だけが生まれてきたのかを…

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