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西瓜糖@阿佐ヶ谷 コミュの藤井哲夫展 "Frames" (power poles)

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ここ一年とても重宝していた貰い物の古いノートPCがいきなり壊れました。まあ老衰といった感じですが、いざ無くなってみるとこれがとっても不便。途端に書くという作業が困難になってしまい、すっかり御無沙汰とあいなったわけです。

ここまで続けてこんなことでプッツリ終わりってのもいいかもしんないと思ったのだけど、やめると結構さびしいもんなんだなあ、寒さが身にしみるわ、ってことでやっぱり書いちまおうかなって気分になっちゃったりしてね。年を越したらさすがに諦めそうなので、ちょっと悪あがきしてみます。


藤井哲夫展。個人的には楽しかったですわ。搬入時に二時間ほど遅刻したことへの恨みでは決してありませんが、思いっきりイジメました。角界で言うところのカワイガリってやつですかね。いやあ、楽しかった。

いやだけど同時にね、カワイガリってさ、可愛がるのよりも可愛がられる方の才能が重要なんだってことを痛感しもしちゃったんだな。ありがとう藤井君てなもんだ。

その現場では優越と劣等とのドラマが繰り広げられるのだけど、絶対的な優越や劣等なんて本当はないんだよね。だからお互いが優越と劣等との役回りを演じてるわけじゃない。

ほら、そう考えると可愛がられるのってむずかしそうに思えてくるでしょ。だって劣等を演じて、相手に言葉を絞り出させるってかなり高度なことですもんね。

語る方はさ、語らせられてるなんて気付こうともせず、放出する恍惚に浸っているだけのお気楽野郎で充分なんですから。

こんなステージがなぜ可能になるかと言えば、もちろん間に作品があるからだけど。作者にわずかでも不安があると、どこからともなくそれにつけこむ悪役が登場するんだな。

いやこれは現れないことが悲劇なんであって、そうでなければいけないんですからね。だって放置されるのは展示にとって最大の悲劇じゃない。

この後、この場での作家の最善の態度は、上手に可愛がらせることですね、きっと。相手の尻馬に乗っかるというか、具体的には目の前の作品に執着せずに、新たな作品へ目を移すということでしょう。この際、柔軟性を誇示しても嘘クサイだけなので注意は必要ですが。

この点において藤井君が正直を貫いてくれたので、こちらは心置きなく増長したのでした。

**********************

君の作品は誰のためにあるのだろう。

私は誰のために展示するのか。私自身のため。貴方のため。みんなのため。世のため人のため。今という時代のため。美術というジャンルのため。これらすべてのため。誰のためでもなく、ただここにある。

正解なき質問が応答を望んではいないことに気付かぬ者は、様々な解答を巡り硬直するしかない。

この質問の本質は、この質問を鑑賞者の脳裏に浮上せしめる作品の質に疑問を抱いている点にある。

繰返そう。君の作品は誰のためにあるのか。君の発想はいかにして可能だったのか。君はなぜ君の作品を想定し得たのか。君はなぜ作品を制作しようと思い得たのか。堰を切って流れ出る正解なき質問は、いたずらにニヒリズムへと誘っているかに思えるが、そうではなくて、作品は関係性を根拠にせざるを得ないという戒めへと向かうべきなのだ。

作品は先行する他の作品との関係性をその存在の根拠にしている。それ以外に作品が作品たりうる根拠はない。

過去の作品群、それ自体が関係性によって成立しているジャンルの実体としての作品群という把握。それへのアクセスの意志なくして作品など成立しないのだ。君はその意志の薄弱を恥入るべきだろう。

以上。題して『苛めっ子の詩』でした。

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