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Salad Days Episode?コミュの第13章 とうもろこし

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2005.11.27
AM8:00
大谷は目黒通りを無意識で歩いていた。
これからどうすればよいのだろう・・・。
娘もいない、仕事場もない。
警察に電話しようか・・・・。
いや、奴等のことだからバレれば娘を殺してしまうだろう。
どうしようか・・・・・。

その時、目の前をけたたましい音をたてて消防車が走っていった。

そして思い出した。昨日の意味不明な男のことを。
大谷は急いでポケットをまさぐった。
あった。
紙に書いてある電話番号に、携帯で急いで電話した。

呼び出し音が聞こえてくる。プルルルル・・・・
『もしプー!もしプー!』
大谷『こら!ボケ!!お前奴らの一味じゃろ!はよ娘返さんかい!!!!!!!!!!!』
大谷は完全に平常心をなくしていた。
『違うプー。あなたの見方だプー。』
大谷『うるさいんじゃ!われ!見方がそんなふざけたしゃべり方するかー!?ボケ!アホ!サイコめ!』
『違うプー。説明するから僕のうちまで来てくださいプー。』
大谷『どこだってんだよ!?』
『まむし谷だプー。』



AM9:00 福岡空港
苑子はうきうき気分を抑えながら、待っていた。
待ちに待った東京旅行。
それになんと言っても、付き合いだしてちょうど半年の山内君との旅行なのだ。
集合時間まであと15分。
苑子は、あの運命の修学旅行のことを思い出していた・・・。


“苑子!苑子!B組の山内君、噂では阿蘇山であんたに告る気らしいよ〜”
阿蘇山に向かう道中、バスの中で親友の三輪がそう言った。
苑子“そんなわけないよ。三輪ちゃん。”
三輪“大丈夫!大丈夫!ちゃんと現地では2人っきりにしてあげるから。まかせて!”
三輪は意味深に笑う。
苑子“でも、山内君って休み時間にいっつもコーラン読んでる人でしょ?”
三輪“だけど、野球できるし、かっこいいじゃん!!苑子もかっこいいって思うでしょ〜!”
苑子“まあ〜ね〜。”
そういって苑子は照れを隠した。

そうこう言っているうちに阿蘇山に到着。
苑子がバスから降りると、山内君が待っていた。
山内君“桑畑〜!いっしょに火口見に行こうぜ。”
苑子“うん!いいよ!”
“じゃ〜俺も”
そう言ってさりげにC組の渡辺小太郎君がついて行く。
それを見て三輪はあせり、自分もついていくことにした。

火口展望台
三輪“ほら、向こうで焼きとうもろこし売ってたから買っちゃった!”
三輪がうれしそうにムシャムシャ食べながら、そう言った刹那、山内君が切り出した。
山内“苑子!俺お前のことが好きだ。だから、つきあってほしい!!!”
山内君は仁王立ちで火口に向かって叫んだ。
苑子は恥ずかしそうに顔を下にむけると、コクリとうなづいた。
それを見た小太郎君が、ライバルに負けじと“ちょっと待った〜”と叫ぼうとした。

“ちょっと待っ・・・・・・・・・・・・・”
小太郎君の叫びが途中で消えた。
空気を読んだ三輪ちゃんがタックルで火口に突き落としたのだ。
そのことに気づかない山内君と苑子は夕日を背に、いつまでも手をつないでいた。
そして、火口展望台には三輪ちゃんの爆笑の声だけが響いていた・・・・・・・・・・。
‘わっはっは・・・わっはっはっはっは・・・・・小太郎が落ちてった!はっはっはっはっは・・・・・・’


山内『苑子おまたせー!!遅れてごめん!天神で渋滞にあっちゃって・・』
苑子『うん。全然気にしてないからいいよ!』
三輪『ごめ〜ん。遅れて〜。』
今回2人きりで旅行にいこうとしてたのに、親友の三輪ちゃんが私も東京行く!!っと聞かなかったのだ。
苑子『全然いいよ!』

3人は荷物検査へと向かった。
まず、苑子が通り、次に三輪ちゃんが通った。
そして最後に山内君が。
ピーンポーン!!
金属探知機が鳴る。
警備員『お客様、ベルトや時計など金属類をお外しになってもう一度お通りください。』
山内君は貴金属をはずしてもう一度くぐった。
ピーンポーン!!
警備員『ちょっと手で検査しますね!両手を挙げてください。』
山内君は両手を上げた。
警備員がまさぐると、服の袖から小型ナイフが2本、腰からスタンガン3本と出刃包丁4本、靴の中からさらに小型ナイフが2本出てきた。
山内『小さいころハイジャックにあったことがあって、これなしじゃ不安だったんです。でも、ぼくがハイジャック犯扱いされるのはいやですから、没収してかまいませんよ!だから、飛行機だけには乗せてください。お願いします。』
警備員は必死の熱弁に負け、すべて没収した後、検査してゲートを通した。

苑子『どうしたの?』
山内『なんでもないよ。』
そうして3人は待合席へと歩き出した。



AM10:30 警視庁
タッタッタッタ・・・・・
1人の男が猛烈な勢いで走ってくる。
『課長!課長!例の都立大学駅前連続爆発事件。怪しいやつ出ました!!!!』
田玉『何!?どういうことだ!吉田!』
『僕・・・、森藤です。近くのナチュラルローソンの監視カメラにこいつの姿が。』
そう言って写真を渡した。
田玉『吉田!こいつはいったい何者なんだ?』
森藤『森藤です。こいつの経歴のデータをインターポールから取り寄せたんですが、とんでもない奴でした。』
田玉『何!?』
森藤『今岡 翔平 38歳
1990年代前半から国際テロリストとして指名手配されています。
1994年のルワンダ内戦では、大量虐殺に関与。
フツ族を率いて荒稼ぎしていたようです。
続いてそれと同時に、92年から95年にかけてボス二ア・ヘルツェコビナ紛争では、セルビア人側に加担。
民族浄化を指揮した一人とされています。
まさに彼のいるところに戦争あり。
いわば国際戦争請負人ですね。』
田玉『なんてことだ・・・・・。』




ピーンポーンパーンポーン
“ANAより出発便のお知らせをいたします。11時発、羽田行き633便はまもなく搭乗開始でございます。お客様は11番ゲートにてお待ちください。”
苑子『いよいよだね!』
山内『そうだな・・・。』

時計の針が10時50分を指した。
搭乗口が開き、3人は飛行機に乗り込んだ。

座席を見つけ、3人が腰を落ち着けると三輪が口を開いた。
三輪『さっき売店でクイズの本買ったんだ。超難問ってやつ。やろうよ!!私が問題出すから2人交互に答えてね!』
苑子『いいよ』
山内『おう!』
三輪『まず、苑子からいくよ!東京都大田区で頭文字がア行の町は何個でしょう?』
苑子『何それ〜!?5個?』
三輪『ブッブ〜!9でした!池上、石川町、鵜の木、大森北、大森中、大森西、大森東、大森本町、大森南でした〜。』
苑子『知るわけないじゃん。』
三輪『じゃ、次。山内君に!イスラム教で5柱といったらなんでしょう?』
苑子『げ〜!なにそれ!?知るわけないじゃんね?』
山内『信仰告白、祈り、喜捨、断食、メッカ巡礼』
即答だった。

苑子は何かしらの不安を覚えた。

いつの間にか、飛行機は滑走路まで来ていて、今にも飛び立つところだった。
『離陸します。』
機長の声だった。

苑子はまだ知らない。
それが地獄へのテイクオフだということを・・・。

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